函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

LABO麺 ラーメン 中野

f:id:hidekinghenry:20211129140549j:image

もう夕方みたいだな。

次郎は中野駅にいた。このところ午後4時頃には1日の黄昏を感じるほど日が暮れるのが早い。まだ1時だというのに、少し曇っているともう一日が終わるような気さえする。

 

たまらんな。時間は生命のように貴重だと、誰かが言っていたが、身につまされるぜ。

 

おっと、ここだな。

次郎は中野駅の南口の小さな飲食店通りにある店、麺処LABO麺の前に来た。

 

お、一席空いてるな。

ガラ♪

いらっしゃいませ。

一人だ。

 

お先にご注文をどうぞ。

店内には所狭しとドライフラワーがかかっている。

次郎は入口すぐにあるカウンターでメニューを見る。

特製が1200円ほどか。まぁまぁいい値段だ。

賄いは飯は500円か。よし、二つともいこう!

 

じゃあ特製麺と賄い飯で。

1700円です。

 

ほらよ。釣りはとっときな。新たなドライフラワーでも買うといい。

 

賄い飯は余計だったか…いや悔やむのは食べてからだ。

 

お隣でお茶をお持ちの上お座りください。

次郎は空いている席に冷たいお茶を入れて着席しようとした。

 

おい、お茶がでないぞ。

失礼しました。お席でお待ちください。

ちょうど大きな樽に入ったお茶が切れるところだった。

ふん、まぁいい。

次郎は席に座った。

 

しばらく待つと、丼が着弾した。

ゴトリ。

お待たせしました。

f:id:hidekinghenry:20211129140639j:image

ほっほー、これは見事なクリエイティブ。美しい。
f:id:hidekinghenry:20211129140633j:image

更にこの賄い飯も美しいな。
f:id:hidekinghenry:20211129140642j:image

スープは醤油なのに透明だ。そんな醤油があるらしいと書いてあるが…

ズズズ。

これは…醤油だな。薄いかと思いきや普通だ。むしろ濃いくらいだ。
f:id:hidekinghenry:20211129140636j:image

細麺か。やるな。

ズルズル、ズルズルッ、ズルズルー。

うまい。洗練された味、アッサリしているが濃い、そしてポルチーニ茸のムースの匂いが普通のラーメンをフレンチ風味に仕立て上げる。

 

ズルズル、ズルズル、ズズズー。

これはうまいかもしれん。

 

チャーシューも柔らかいが歯応えもあって、味もしっかりついている。そして、この細茸がうまい。青森ではよく食べたが、ラーメンに合う。やるな。

 

賄い飯はと。

ハムハム。

ラーメンと同じ味のチャーシューとそぼろ、そして卵か。上品な味だ。まるでユッケだな。

ハムハム。これはスープと一緒に食べたら美味そうだ。

次郎はご飯を口に入れたままスープを口に含ませた。

 

やはりな。こりゃいい。

ハムハム。

ズズズスー。

うまい。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、ズルズルズルー。

 

ふう、ご馳走さん、と。流石に腹がいっぱいだぜ。

次郎は独りごちた。

 

またくるぜ。

はい。ありがとうございましたー。

 

ラガ♪

ふう、やはり食べると暑いな。

 

次郎は店を出て歩いた。中野はなぜか落ち着く町だ。昔ながらの風情が残っている。ラーメンを食べた後は昔ながらの喫茶店で一息入れるのがいいだろう。

次郎は中野の奥へ奥へと潜り込んでいった。

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20211129140705j:image

LABO麺@中野

フレンチシェフの作るラーメンだそう。透明な醤油スープ。ポルチーニ茸のムースが添えられて、チャーシューも卵も細茸も美しい。バランスも良く、それでいて味はふんわりとせず納得させる濃さ。満足感あり。

3.7次郎

 

LABO麺
050-5456-9813
東京都中野区中野3-36-5
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131902/13246445/