お、待ち無し!これは飛び込むしかないな。
次郎は早稲田にいた。
研究室で一息つき、夜ご飯を食べに早稲田の街をいつも通り彷徨っていた。
そういえばラーメン巌哲という有名なラーメン屋があったが…
どうせ混んでいるんだろう。そう思って来てみたが、意外にも外待ち無し。
これは飛び込むしかあるまい!
「いらっしゃい」
「カウンター奥どうぞ」
次郎は塩チャーシューラーメンと肉ご飯を買って、席についた。
清潔な店内に漂う湯気が食欲を誘う。
「はい、どうぞ」
「く、これは見事なクリエイティブ。まさに由々しき事態だ」
次郎は独りごちた。
透き通るスープ。
ズズ。
なんと上品な。もっと塩気があってもイイぐらいだが、この辺が何度もリピートする所以だろうか。スープをいきなり飲み干したい衝動に駆られる。
マグロか。
ハム。
うまい。こちらは塩味が効いてる。半湯でが柔らかくて憎い。
そして、このチャーシュー。分厚い。そして何枚も…贅沢な。
ハム。
固めだが、素朴でいい感じだ。ガシガシと食べている感がある。
そして、細麺。流石だ。
ズルズル、ズルズルッ。
腰もあって柔らかく、塩スープにピタりとあう。
さてと、今度は肉飯だ。
このネギがいいんだよな。
ハムハム。
食べ応えのあるチャーシューとネギと、ご飯。背徳感満載だ。いや、せっかく来たんだ、それもいいだろう。合間に塩ラーメンのスープを飲むという贅沢。
ズルズルッ、ズルズル。
ハムハム。
ズルズル、ズルズルッ。
ハムハム。
ズズズズー。
「ふう、ご馳走さま」
「ありがとうございましたー」
次郎は店を出た。
満足感満載だ。
今度はマチルダでも連れてってやるか。そういえば、あの高校の…目崎は元気にやってるだろうか。最近は連絡もとっていないが。アイツらにもそろそろ連絡してやるか…
ふん、俺もオジサンになっちまったのかな。若いやつが気になるなんて。まぁいいさ。年は取るものだ。
早稲田通りにはハロゲンライトが幾重にも流れていく。少し涼しくなったとはいえ、まだまだ残暑の厳しい夜だった。
続く。
ラーメン巌哲@早稲田
言わずと知れた名店。上品だかパンチのあるラーメン。醤油ま塩もうまい。醤油が若干勝るかな。並んでない今がオススめ。
3.7次郎
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ラーメン巌哲
03-6302-1281
東京都新宿区西早稲田1-10-4
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13167439/