2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧
結構遠いな。どこだここは? 次郎はチャリンコを漕いでいた。 赤坂から永田町、麹町を超えて大妻女子大学の横あたりまできて、坂の多さにうんざりした。 2月の終わり、陽射しは柔らかに、風は暖かくなってきていた。坂道を登りきる頃には汗を掻くような気候…
ガラガラ♪ 2人だ。 ハイ、お名前は? 福島三郎だ。 えっと、あ、福島様ニ名様ですね。お二階にどうぞ。おつれ様はまだみたいです。 別にいい。 次郎は二階に上がった。 今夜は次郎の久しぶりに会う友人と飯でも食おうということになっていた。友人が選んだ店…
ほうとう以外になんもねーのか?あぁ? 次郎は切れた。 次郎は昨夜石和温泉にきていた。そこで入ったほうとうの店。金曜19時。広い店内に客は次郎のみ。しかし、アルバイトの中国人女性留学生に無駄に切れる先輩日本人女性。 嫌なものをみせられたぜ。 ほう…
次郎は自転車を走らせていた。 渋谷から西麻布、西麻布から六本木、六本木から六本木一丁目。 上っては下り、下っては上った。 寄せては返す波のようにすり鉢状の都内を疾駆する次郎。何度目かの下り坂を下りたところで一息ついた。ふと見ると、That’s 東京 …
お!まだ営業中か。行ってみるか。 気になっていたカレー屋。そこは夜は別の店が営業するため、昼しかやっていない。15時までの営業というものの、ほぼ13時頃には売り切れてしまう。 次郎は店のfacebookで営業中を確認するや否や家を飛び出した。 こりゃつい…
ぐ、間に合わねぇ。 次郎は永田町駅にいた。 市ヶ谷にあるチーズハンバーグの店に行こうとしたが、時刻は13:50。ラストオーダーが14時。絶望が次郎を襲った。 ちっ。 有楽町線永田町駅のホームに滑り込んで来た反対方面の列車に咄嗟に体を滑り込ませた。 ふ…
もう、行き尽くしたか… 次郎は田園都市線に乗りながら考えていた。 今夜はスープカレーが食べたい。 しかし、もうどこも行き尽くしたか… 早稲田のらっきょ、下北の侍とマジスパ、恵比寿のイエローカンパニー、京橋のドミニカ、原宿のシャンティ、神保町の鴻……
全くよう、困るんだよな! こっちの身にもなれっつーんだよ! 次郎は怒っていた。 痛風になるまいとLG21を飲み、体健やか茶を飲んだ次郎。準備は万端だった。 オヤジ! ホッキ貝と平目、そして鮟肝! こんなの行かないわけねーじゃねーか!! 次郎は微笑んで…
さてと、待ち合わせのバーは…あの辺だな。 しかしな…バーに行く前に、やはり腹ごしらえだ。バーにはほぼ何もないからな。 次郎は独りごちた。 西麻布は一人飯屋は簡単には見つからないな。皆デートか会食だ。 ふん、偉そーに。 西麻布の交差点を青山通り方面…
昔は混んでて全然入れなかったのにな… 次郎は独りごちた。 高田馬場。ラーメンの聖地。 次郎は学生時代にラーメン大戦という死闘を経験してきた。 三軒梯子の大技もしょっ中繰り出していた。 その度に強靭な胃袋にも痛みが走ったものだ。 しかし、あの頃の戦…
次郎は少し早めの昼食を探して麻布十番商店街を歩いていた。 いろいろ店はあり、決めかねていた。ふとしたところで一軒人がどんどん吸い込まれていく店があった。 魚可津。 麻布十番にある魚定食屋だった。 夜は酒も飲めるらしい。メニューは魚を使った定食…
狂気的な夜だった。 凍てつく東京。降り始めたみぞれ。 街は音を無くしていた。 次郎は夕方仕事を終え、神保町に来た。 オヤジのラーメンがたべたくなったからだ。 ガラガラ♪ いらっしゃい。 あれ。 弟子しかいなかった。 なんだ。 少しがっかりする次郎。 …