よぉ、寝屋川、待たせたな。
いえいえ、今来たとこっす。すす。
久しぶりだな。
そおっすね。年明けはもしかしたら初めてっすかね?
おお、そうかもな。
あけおめ。
ことよろっす。すす。
次郎は神保町で後輩の寝屋川と待ち合わせをしていた。
今日は次郎が久しぶりに神保町でオヤジ以外の店に行くつもりだったところ、寝屋川からたまたまラインがあり、一緒に行くことになった。
いやー、どおっすすか?今年は。次郎さん。
うーむ、漠然とした質問だな。
でもニュアンス伝わりますでしょ?
まぁな。
うーん、まぁぼちぼちだなぁ。ちょっと停滞気味だな。
やっぱり東京離れたからですか?
まぁ、そうだな。やはり東京に比べるとうまい飯屋の数が少ないな。
そりゃそうっすすねー。
と言っている間に件の店、黒須に着いた。
お、ここだ。
お、良さそうっすね!
あれ?なんだれ?
ん?どーした寝屋川?
ほほーう。
こりゃ列ができた時のサインか。ということは?
今はチャンスっすすね。
だな。
次郎と寝屋川は開店の、11時を10分過ぎたところで到着したが、既に外待ちが2名いた。店内でも3名程待っている様子。
さすがだな。
すすねー。
しばらく待っていると、3人程先客が出て、店員に中から声をかけられた。
どーぞ中へ。
ガラ♪
次郎と寝屋川は店に入った。カウンターが8席。昔、カウンターハッセキという競走馬がいたがな。ククク。
次郎は独りごちた。
食券どうぞ。
さてと。うーむ、迷うな。
やはり、定番の醤油だな。そして…うーむ、やはり焼豚醤油だな。1000円か。うまかったら次は塩も良さそうだ。
あ、それとこの焼豚丼だな。150円やすい!
ポチっとな。
次郎は食券を買った。
じゃ僕も同じっすす。
寝屋川も同じメニューを注文した。
さてと。
店内背後の椅子で待つこと5分。
カウンター客が3名動いた。
今片付けますねー♪
計ったかのように店員が机の上を掃除する。
どうぞ、おふたり。
お、おう。
二人はカウンターに座った。予め食券を渡して待っていたからか、早めの着弾だった。
お待たせしましたー。
ふほ!なんというクリエイティブ!こりゃうまそうだ。きっと前回よりレベルアップしてるな。
この透明な醤油スープ。
ズズズ。
うーん、この醤油スープ、ちょっと甘い口当たりだが、コクがある。それに、鶏の脂が醤油をまろやかに包み込んでいる。これは当たりだ。
うま!
次郎さん、うまいっす。すす!
寝屋川もご満悦のようだ。
麺はと。
細麺だな。いいぞ。
ズルズル、ズルズルズルー ♪
うまい!
このほどほど柔らかさ。スープと喧嘩しない上品なこし。そして、スープを吸い込む喉越し。
うまい。
ほほーう。このチャーシュー柔らかそうだなぁ。平べったいがサイズが大きい。それが4枚も入っている。贅沢だ。
ハムハム。
ローストポークが柔らかくて、上品。まるで日本懐石の装い。
はい、チャーシュー丼です。
ふお、いまチャーシューを食べたばかりだというのに、この凄まじいビジュアルに圧倒される。しかも150円!なぜこんなに安い!こりゃマストアイテムではないか!
次郎は一口食べた。
ふほ!チャーシューと醤油、ごま油?の見事なコラボ。
ボリュームも満点。そして、こらはスープと合わせて食べるとたまらんな。
ハムハム。ハムハム。
ズズズズズー♪
うまいな。
すねー!最高っすす!
次郎は寝屋川の存在のことを一瞬忘れていた。
ズルズルッ、ズズズズー♪
ズズズズー♪
ズルズルッ♪
ズズズズー♪
ズズズズー♪
ハムハム。
ハムハム。
ゲフッ
ふう、食い過ぎたな。
すねー!満足っす!
よし、出るぞ!
はい。
ラガ♪
びょおおおおお!!
出た瞬間、すでに過ぎ去ったと思っていた北風が吹き付けた。
うお、寒!
寒いっすね!
まぁでもラーメンで汗かいてるからちょうどいいっすね。
まぁな。
次郎と寝屋川は行きつけの喫茶店に向かい、神保町の奥へと消えていった。
続く。
黒須@神保町
知らない間他人の評価もあがっている。しかし、実際うまい。塩味もうまそうだ。肉もしっかりしている。でも、結局はこの醤油スープがうまい。
3.7次郎