神保町
おーとーこ、だったぁらー、ひとつにかけるー かけて、敗れたー♪ 敗れちゃだめだろう。はは。 次郎は独りごちた。 さてと、もう少しで神田明神だな。 次郎は神保町から御茶ノ水を通り、神田明神に向かって歩いていた。お気に入りの散歩コースの一つだ。 年も…
真昼の陽光は冬なのにぽかぽかとして、コートを着て歩いていると暑いぐらいである。 「いやー、暑いなこりゃ」 コートを脱ぐ次郎。 「う?なんだ長蛇の列じゃねぇか」 おやじの店覆面智は混雑して外待ちの列ができている。並ぼうかと迷ったが、並ぶのは性に…
あん肝ラーメン…今月はあん肝か。行くしかないだろう。おやじ! 火曜の神保町。ビジネスマンと明治や日大などの大学生で溢れる街。ここに、ラーメンの真髄がある。 次郎はそう思いながら地下鉄の階段を蹴った。 時は9時半。早朝9時から営業する覆面智に向か…
よぉ、寝屋川、待たせたな。 いえいえ、今来たとこっす。すす。 久しぶりだな。 そおっすね。年明けはもしかしたら初めてっすかね? おお、そうかもな。 あけおめ。 ことよろっす。すす。 次郎は神保町で後輩の寝屋川と待ち合わせをしていた。 今日は次郎が…
今日は蟹出汁の日だよな。 次郎は覆面智のツイートをチェックしていた。 ぐぉ、うまそう! 久しぶりの東京、行くしかないだろう。 次郎は神保町に向かった。 神保町から徒歩3分ほどで到着すると覆面智。はやる気持ちが抑えきれず、小走りになっていた。 はぁ…
次郎さん、ここの町中華がうまいんすよ。 次郎は敏腕広告代理店マンのトンダ林と神保町の街を歩いていた。 次郎も神保町は長らく通っているはずだったが、ここの店は入ったことがなかった。 うぬぬ、やるなトンダ林、さすが一流代理店マン。色々知ってやがる…
ふーむ。親父のラーメン、今日もうまかったが、ハゼの出汁だからか、少しだけ胃袋に余裕がある気がするな。 次郎は神保町の街を歩いていた。 となると、もう一軒ぐらいいけちまうなぁ。 困ったぜ…俺の食欲にも。 ふう。 蘭州牛肉麺もイイか、いや、共栄堂の…
智恵子は言った。 東京には本当の空がないと。 そんなのは嘘だ。 冬の高い空の東京。 澄んだ外気が太陽の光を柔らかく包む。 冷んやりとした北風は人々の頬を赤く染める。 こんな冬の朝は、通勤も通学もなんだか嬉しい。いいことがありそうな予感が、皆の顔…
半蔵門か…何かあるのか。 意外と店が多いな…麹町に近いからか。 次郎は半蔵門にいた。 東京に滞在する時の常宿が満室でその近くのホテルを取ったのだが。あまり降り立つことのない街だけに、うまい店の一つも知らなかった。 さてと。 ググッてみても、あまり…
お、空いてるな。チャンスだ次郎。 次郎は水道橋にいた。久しぶりに昔の仕事仲間の大手保険代理店営業マンのジョンに会っていた。 ジョン、うまいのか? 俺が誘って外したことは? ふん、仕方ない。行くか。 ジョンは営業の傍らうまい店を多種多様に探してス…
今日は生ズワイ蟹とホッキ貝の出汁かぁ。 次郎はネット海をサーフィンしていたが、久しぶりにオヤジのツィートを見た。今日はズワイ蟹とホッキ貝の出汁とある。 ズワイ蟹かぁ。こりゃ行くしかねーわな。 次郎は独りごちた。 いつものように神保町に着くやい…
お、おやじ! 会いたかったぜ! 次郎は、東京は神保町にいた。 時は水曜。都内での会議は午後から。 となればおやじの店で悪い奴を食うしかないだろう! 次郎は勢いよく半蔵門線の神保町駅の階段を駆け上がった。 外は少々の雨模様。 しかし、そんなのかんけ…
アンガーラ♪ お、おやじ!! 今日はハロウィンだった。年に一度、ハロウィンの日だけ開店当初のコンセプトに戻り、店名の通り覆面をつけた店主が、店内BGMにイノキボンバイエがエンドレスリピートする中、ラーメンを作る日だ。 アンガーラ♪ 今日はこれしか言…
次郎は都営三田線の先にある埼玉の湯処で、鳥の囀りを聴きながら湯を浴んでいた。 んー、癒されるなぁ♪ 都心から少し離れれば自然を感じられる湯処がある。 東京は豊かだ。 さてと、湯浴みも終えたことだし、帰るとするか。次郎は再び三田線に乗った。車内で…
フレンチシェフの作るラーメン か…。 どうなんだかな。神保町か。オヤジの店の近くだな…。 行ってみるか。ダメならオヤジのところに行けばいいからな。 次郎は半蔵門線に乗り神保町で降りた。 ふぅ。着いちまったな。 階段を上がり地上にでた。 件の店は、白…
神保町。カレーと古本とオヤジのラーメンの街。 そんな粋な街に、割とお洒落なカフェができた。白山通りと靖国通りの交差点の近くである。 次郎はオヤジのラーメンを食べた後、食後のコーヒーでも飲もうとしたところ見つけたこのカフェに入った。 ウィーン♪ …
新しいとんかつが食べたいな。 次郎は独りごちた。 どこかに… そうだな、たまには山手線の東側を責めるのもいいか。 ほう。やまいちか。うまそうだな。行ってみるか。 次郎は丸の内線淡路町で電車を降りた。出口から徒歩2分ほどで件の店、やまいちにたどり…
やはり、来ちまった。というより来ない方がおかしいだろう。 次郎は神保町の覆面智に来ていた。 ゴールデンウィークの水曜日。栗蟹の出汁の悪い奴。行かないわけがなかった。 おはよー。 いつものようにおやじが出迎える。 11時に到着。列はできていない。チ…
お、おやじ!! なんだよ!ゴールデンウィークは毎日営業かよ!そして、毎日メニュー変わりかよ! 次郎は興奮していた。 覆面智のラーメンは次郎が死ぬ前に食べたい一杯だが、それは同時に死なずとも毎日食べたい一杯でもあった。 そして、ゴールデンウィー…
お、オヤジ… 本日のスペシャル、鯛と牛骨だし汁ラーメンは売り切れか。ちっ。 仕方ない、普通の覆面にするか。 悪いねー。朝9時から営業だと昼過ぎると売れ切れちゃうんだよねー。 新入社員のくせに年齢は58歳です的ながっかり感だな。 次郎は独りごちた。 …
次郎は神保町にいた。 金曜の夜。街は楽しげなサラリーメンであふれていた。 ふん、俺にはカンケーネー。 次郎は独りごちた。 オヤジの店に行こうとしたが…いつも昼時に長蛇の列ができている蘭州拉麺が今は空いている。どうするか… よし、今夜はここだな。 …
神保町。この街はカレーの聖地。そして、昔からこの聖地を背負っている店がある。 エチオピア。 神保町のカレーと言えばこの名前が真っ先にあがる。 次郎はついにこの店に足を踏み入れた。新手のカレー屋がどんどん出現している中、いささかその印象は影を潜…
お、おやじ、すまん! 今日は神保町に来たってのに、別のラーメン屋に手を出しちまうぜ。 なんだこの後ろめたさは。別に神保町のラーメンがおやじのところだけじゃないのは当たり前田のクラッカーだってのに… さてと。行くか。 次郎は神保町に来ていた。いつ…
全くよう、困るんだよな! こっちの身にもなれっつーんだよ! 次郎は怒っていた。 痛風になるまいとLG21を飲み、体健やか茶を飲んだ次郎。準備は万端だった。 オヤジ! ホッキ貝と平目、そして鮟肝! こんなの行かないわけねーじゃねーか!! 次郎は微笑んで…
狂気的な夜だった。 凍てつく東京。降り始めたみぞれ。 街は音を無くしていた。 次郎は夕方仕事を終え、神保町に来た。 オヤジのラーメンがたべたくなったからだ。 ガラガラ♪ いらっしゃい。 あれ。 弟子しかいなかった。 なんだ。 少しがっかりする次郎。 …
アンガーラ。 ハロウィンの10月31日はオヤジの覆面智が年に一度オープン当時にタイムスリップする日。 行かないわけに行くまい。 次郎は独りごちた。 混雑を避け11時。店についた。 本日は金目鯛塩ラーメン。ホタテバターディップのトッピングもあるようだ。…