あげづき。なんだかしらねーが有名らしい。ならばたまにはそういうところを攻めるのもいい。
次郎は神楽坂にいた。
とんかつが衝動的に食べたくなったのだった。
飯田橋駅のB3出口を出て神楽坂上に歩く。地図によると通り沿いにその店はあるらしい。しかし見当たらない。地図に示された座標を何度も行き来した。しかし、見つからない。
むー、これは、休みでわからないのか…諦めかけた次郎に地下への入口があるビルに看板があるのを発見。
ちっ、気づかなかったか。無駄に歩いちまった。まぁ痩せるためにはちょうどいいな。
次郎は独りごちた。
次郎は階段を降りた。夕方6時。店は5:30開店ということだったが、既に4人待ち。
うーむ。4人なら待てるか…せっかく神楽坂まで来たしな。
次郎は待つことにした。
なかなか列は進まない。次郎はハマっている拳法小説を読んで時間を潰した。小説をどんどん読んで行く。いつしか小説に集中し、店員が呼んでいることにも気づかなかった。
お客様、メニューからお先にお選びいただけますか?
ん?あ、ぁぁ。
次郎はメニューに目をやり、3200円程する特ロースかつを注文。さらに580円もするきんぴらごぼうまで頼んだ。
待たされること30分。やっと店内に入った。
ガラガラ♪
いらっしゃい。こちらのカウンターへどうぞ。
おう。
既に注文は終えており、水がやってきた。
それをすぐさま飲み干す次郎。
もう一杯頼む。
はい。
それと、この車海老もトッピング追加で。
はい、かしこまりました。
次郎は机に置いてあった車海老の養殖場の写真を見て頼んでみることにした。
まずはきんぴらです。
次郎はそれで憂さを晴らそうとした。
しかし、この量で580円は高いな。まぁ仕方ないか。
そして、そこから25分たっぷり待たされた。
なかなか来ないなと思った矢先。
はい、おまたせしましたー。
おお!来たな真打!
漬け物もうまそうだ。
さてと。ではいかせてもらおうか。
ほう。さっくりもして衣は薄めだ。ほんのり赤いままでてきたが、柔らかく、そして肉自体はすこし甘い。上品だ。
塩でたべると甘さが引き立つな。しかし、醤油もうまい。ソースも悪くない。
海老も柔らかく、サクサクで、プリっとしてる。うまいな。
むしゃむしゃ
サクサク
むしゃむしゃ
サクサク
ゲフッ。
うー、食ったな。いやー満足だ。待ったがな。
おい、会計頼む。
はい、4200円です。
まぁ仕方ない。特ロースは高いからな。
ガラガラ♪
いやー、食ったな。
さてと、神楽坂は他にもうまそうな店が目白押しだな。
…しかし今夜は帰るとするか。
次郎は地下鉄へと消えていった。
続く。
あげづき@神楽坂
とんかつの名店。低温で揚げるため、注文から30分くらいかかる。待つこと30分なので、食べるまでに1時間。味は衣サクサク、肉は甘く柔らかく、繊維が切れないこともない。高田馬場の成蔵系。塩を勧められるが醤油もソースうまい。しかし、ここまで並ぶことはないかも。あおきやのもとやの方がうまいかな。
3.7次郎