あったあった、ここだな。
次郎は九段下にいた。
正月も落ち着いたこの日。夜はこの八咫烏というラーメン屋にいこうと決めていた。
時は午後6時。運良く並ばずに入れそうだ。
ガラ♪
いらっしゃい。
食券をお買いください。
お、おう。
うーむ。よし、黒スペシャル…全部入りだな。1050円か。
次郎はきっちり1050円を入れ、食券を買った。
案内された席に座り、食券を渡す。
ふぅ。さて、どんなものが出てくるやら。
胸は高鳴った。
他の客を見ていると、着丼は速そうだ。
チャッ、チャッ
チャッ、チャッ
はい、お待たせしました。黒スペシャルです。
美しいクリエィティブだ。
醤油の色が濃いな。どれどれ。
むむ、かなり醤油感があるな。
麺はどうだ?
細ストレート麺か。
ズルズルッ
食べやすい。麺と合わさると、醤油の尖りが取れるな。チャーシューはどうだ??2種類か。
この薄い方、美味いな。食べやすい。食感もいい。柔らかく、旨味がある。
この白い方も、意外と脂がのっていて柔らかい。パサつきもなく、いい味だ。
これがまた、スープと一緒に食べるとうまいな。
ズルズルッ
ズズズズー
うまいな。
これは、ワンタンだな。
しっかり目のワンタンだ。なかなか面白い。
ズルズルッ
ズズズズー。
ゲフッ。
ご馳走さんと。
少し醤油スープが濃いがなかなかだったな。
ラガ♪
またな。
ありがとうございましたー。
ふー、さぶっ。
一気に冷えてきたぜ。
冬は本番を迎えていた。
ま、ラーメンが一層うまい季節になったってことだな。
次郎は独りごちた。
皇居の堀脇から見る夜空の月は一際冴えていた。
続く。
八咫烏@九段下
スッキリ鶏ガラ醤油のラーメン。若干醤油が強いがまとまりはいい。初めてならば黒スペシャルを。チャーシューもでかくボリューミー。美しいビジュアルのラーメン。昼も夜も少し時間を外した方が良さそう。
3.6次郎