次郎は新富町に宿を取っていた。午後に銀座でアポが入っていたため、ゆっくりと起き、歩いて新富町から銀座に向かっていた。
ん?なんだありゃ?豚がいるな。
歩いていると豚がいるバルのような店があった。
ビストロか。昼は豚肉料理ばかりをだすのか。
11時27分。
ランチは11時30分からか…よし、行ってみるか。これも何かの縁だろう。
おい、3分前だが、やってるか?
あ、えーっと、どうぞ。
ふん、そーこなくっちゃな。
次郎は独りごちた。
次郎は開店一番の客となった。カウンターに案内された。見上げると黒板があり、夜のメニューが書いてある。意外と数は少ないな。豚料理が多いわけでもなく…まぁいいか。
よし、豚焼き5枚で。
はい。かしこまりました。
次郎は目の前に置かれた水を飲んだ。
はい、セットのスープです。
ほう。お、生姜が効いて塩味も強め。好みのタイプだ。こりゃ期待できそうだ。
はい、お待たせしました。豚焼きです。
おお、なかなかのクリエイティブ。
かなりのボリュームだ。こりゃサラリーメンたちも喜びそうだぜ。沢山かけられた生姜ソースもうまそうだ。
どれ。
ほ、ほう〜。こりゃうまそうだ。
ハム。
次郎はこの大きな豚肉を頬張った。
柔らかく、それでいて柔らかすぎず、生姜ダレが甘辛く、ピリッともしている。こりゃうまい。白飯が丁度いいぜ。
む、こりゃ、やるしかねーな。
とりゃ。
うーん。間違いないな。
ほほっー。うまいなやはり。結局日本人はなんでも白飯に乗せちまう生き物なんだよな。
ハムハム。
ハムハム。
ハムハム。
ハムハム。
ゲフッ。
ご馳走さん。
うまかったな。
おい、会計頼む。
はい。1150円です。
ほらよ。
釣りはいらねぇよ!
次郎はきっちり1150円を金皿に叩きつけた。
ふぅ、さてと、銀座はどっちだ?
あっちか。
細い路地を歩いて行く次郎。
次郎の後を追うように北風が一陣吹きすさんだ。
続く。
Bistro B.V. @新富町
ランチは豚肉料理のみのビストロ。ボリュームもあり、豚焼きは満足の一品。カレーもそそられる。
3.4次郎