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食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

原宿餃子樓

ふー、あがったか。

 

うっとおしい雨もあがり、幾分心も上向いた次郎は渋谷から原宿に向かって歩いていた。

 

 

しかし、チャラチャラしたやつばかりだ。みんな外国人みたいな挨拶しやがって、自分の顔を見ろってんだっ!

明らかな日本人顔の次郎は、一人憤り、身悶えながら明治通りをズンズン進む。

まるで、たった一人虚ろな目をした浦島太郎が2060年のシャンゼリゼを通り抜けるかのように。

 

しかし、晴れてきたせいか小腹がすいたな。あたりを見回すとなんだか黄色い看板が飛び込んできた。ん?マクドナルドか?、いや違うな。なんだか油くせーな。

しかし、そそられる。

次郎は独りごちて看板に向かって駆けて行った。看板の下の店の入り口でたむろするアルメニア人に一瞥をくれ店内に入った。

 

、、、む、、、安いな。餃子が290円じゃねえか。少し嬉しい。

次郎の両隣も、店員ですら外国人だったが、かまうことはねえ、おい、兄ちゃん、餃子二枚。特急でなっ!

そう店員を急かすと、勢いよくカウンターに置かれていた水を飲み干した。

隣のアルメニア人がドボドボ醤油を入れているのを見て、これだからトーシローは困る。醤油はそんなドボドボ入れるもんじゃねぇぜコノヤロー!と日本の粋を見せるために、まずは小皿にラー油を垂らした。その瞬間フタがとれドボドボと小皿にラー油満たされた。

 

く、くそが、、慌てたところを見せるわけにはいかず、次郎はこれが粋ってもんだとばかりに匂いのいい餃子をラー油のみで口内にかきこんだ。

 

ゲホホっ。くそ涙が出てくるぜ。

心配してくれたアルメニアンに背中をなでられ落ち着きを取り戻す次郎。

 

恥ずかしくなった次郎は、いつかリベンジしてやるとばかりに、そそくさと店を後にした。

 

今回はこれくらいで許してやるよ餃子兄ちゃん、、、

 

しかし、醤油で食べたかった、、、。

見上げると、また雨が降り出していた。

 

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続く。