はーるばる来たぜひーろさきー♪
ってか!
次郎は新しいプロジェクトにアサインされ、青森は弘前に赴いた。プロジェクトは長期に渡り、次郎の任期は未定だが、年単位で滞在することになりそうだった。
住み慣れだ東京を離れることは、次郎にとっては複雑な心境ではあったが、人間万事塞翁が馬、決めたのだった。
ふぅ。まだまだ冷えるな。
弘前の外気は1度。3月になったが東北はまだまだ寒さが厳しいのだった。
結局函館に近づいちまったな…
次郎は独りごちた。
さてと、仕事開始まで、まだ数日は余裕があることだし、まずは街の探索だな。
そうして、駅前を歩いていると、駅前の道から一本奥に入ったところに居酒屋を見つけた。
寒い、今夜はここでいいか。
ガラ♪
お、混んでるな!
店員は慌ただしく、次郎に気がつかない。
ちっ、客を待たすとは…
あ、いらっしゃい。
何名さ…
一人だ。見ればわかるだろう。
被せ気味に言ってやった。
初めが肝心だ。舐められないようにしないとな。
あ、はい、えーっと…
じゃぁカウンターでどうぞ。
ふん、当たり前だろう。
次郎はそう言い捨てカウンターに座った。
寿司ネタがあり、おススメがボードに書いてある。しかし、テレビに目が行ってしまう。
さてと、どれどれメニューは…
ほうほう。やはり魚貝類だな。特にホタテか。
そして、日本酒か。
よし、香り華やかな華一風にしよう。
おい、兄さん。
はいよ。
華一風を一合。
はいよ。
おまち。
おお!華やかな香りが鼻を喜ばせる。スッキリとして飲みやすい。
さてと。
おい。
はいよ。
貝刺し三種盛り、ホタテ稚貝のバター炒め、イカメンチ、だてきみの天ぷら、鱈じゃっぱ汁、豚モツ煮込み、キムチ炒飯頼む。
まさか一人の量とはな…
次郎は独りごちた。
はい、貝刺し三種盛りです。
ほっき貝、ホタテ、サザエです。
ほう。うまそうな。
ほっき貝、柔らかいな。新鮮だ。
このホタテ、柔らかい!うまい!これまた新鮮だ。さすが青森。
このサザエ、コリコリだな!これも新鮮だ!
くー。染みるなー。日本酒も貝も。
ホタテ稚貝のバター蒸しです。
ほう!うまそうだな。稚貝とは勿体ない。
しかし、ほお!バター風味がまたうまい。
さすが青森。
イカメンチです。
ほう。
食べ応えあるザックリした食感。イワシの匂いが濃厚だが嫌な感じがしない。こりゃうまいな。日本酒が進む。
来たな、獄きみと書いてダテキミと読むトウモロコシ。
ふお、噂通り、甘い食感!塩につけると甘みがより引き立つ!うまい!こりゃ当たりだ!華一風が合う。
じゃっぱ汁です。
来たこの感じ。まずいわけがない。
うほ!この白子でかいな!
トロりと溶ける。甘い。このスープ、鱈の出汁が効いている。旨みたっぷりだ。適度な塩気だ。
そして、豚モツ煮込み。
く、これも塩味が丁度いい。モツもうまい。にんじん、じゃがいも、大根、こりゃたまらん。
はい、キムチ炒飯です。
最後に大御所の登場だな。
豚肉が多い、キムチと相まって見事なハーモニー。しょうゆ味もしっかりついている。
ゲフッ。
さすがに満腹だ。 というより食べ過ぎたか。
さてと、兄ちゃんおいくらだい?
5873円です。
こんだけ食べて6000円行かないとは…
こりゃまた来るしかないな。
よし、ほらよ。
釣りはいらねーぜ。
ふっ、津軽でも決まったな。
次郎はキッチリ5873円を店員にピタリ払った。
ラガラガ♪
さぶ。
ブルブル。
やはり雪国弘前。まだまだ寒いな。
さてと、どこに繰り出すかな。
次郎は鍛冶町に消えた。続く。
居酒屋わいわい@弘前
魚貝もうまく、料理も。豊富
貝とイカがやはりうまい!
3.5次郎