次郎は京橋を歩いていた。銀座で以前働いていた会社の同僚、寝屋川と会う約束をしていた。
あ、次郎さん。こっちっす。すす。
お、おお。久しぶりだな寝屋川。
はい、ここのカレーうまいんすよ。すす。
ふーん。南インドね。
そういえば、以前も銀座あたりで寝屋川と南インド料理に来たような…
デジャビュっすか?
心を読むなバカタレッ!
へへ。
じゃ行きましょう。
寝屋川は慣れた道を行くように店に入る。
ついていく次郎。
カランコロン♪
イラッシャイマセー♪
2人っす。すす。
どうぞー。
手近なテーブルに案内された。まだ11時過ぎ。しかし先客は2組いた。
さてと…どーするか…
ランチ・ミールスがいいんじゃないっすかね最初は。
だから、心を読むなと言ったろうバカタレが!
しかし、寝屋川、こいつ益々成長している。
次郎は内心穏やかではなかった。
じゃ、ランチ・ミールス二つで!
ハイカシコマリマシタ♪
どうだ寝屋川。新しい会社は?
まぁボチボチっすね。小さい会社なんで意思決定速くてイイっすよ。次郎さんも来ます?
いや、俺はまだ今の場所でやることがあるからなぁ。
しかし、寝屋川のこの切り替えの速さが、成長の原因だろう。
次郎ほ心の中で呟いた。
ハイオマタセデス♪
ほお。多種に渡りなかなかのクリエイティブ。
次郎はメニューを見ながら左から時計回りに攻めることにした。
ほお。この野菜のラザム。食べやすい。アッサリしてる。
このサグ、これはスープか。なるほど。
これは、チキンだな。うまい。これはいいな。
これはベジタブルか。これもアッサリしてるな。
これは、マメカレーか。これほピリ辛だな。
これはパパドか。
おお!カリッと塩味。カレーに付けるというより箸休めだな。
これはチャパティか。ナンじゃないんだな。
これは食べ応えあるな。ナンみたいなもんか。付けるならチキンか豆がいいな。
しかし、バラエティ豊かで飽きないな。
な?
すね。喋るの忘れちゃいますね次郎さん。
だな。
と言いながら、俺を伺っているのか!?
寝屋川よ。
お前は一体何を企んでいるんだ!?
寝屋川よ!
すいませーん。
パパドお代わりっす。次郎さんの分も2枚。
ハイカシコマリマシタ。
ふぅ、やられたな。
今日はお前に完敗だよ。
ぷはー。
食ったな。
すねー。なかなか良かったっす。
よし、ここは俺が。
いや、大丈夫っすよ。僕も払います。
おい、いくらだ?
2580円です。
ほらよ。釣りはいらねーよナマステ。
ナマステ!
次郎はキッチリ2580円をインド人店員に握らせた。
コロンカラン♪
どーしたんすか次郎さん、奢りなんて珍しい。
いや、ここは先手を打たないとな。
次郎は独りごちた。
さてと…
スタバにでもい来ましょう!
ちっまた読まれた。
こりゃ厄介だ。
2人は銀座の街の奥へ消えていった。
続く。
南インド料理アーンドラダイニング@京橋
南インドのカレー屋。アッサリ系。種類豊富でうまい。
3.4次郎