パイセン、なんか…今食べたのに腹減っちゃいました。
次郎は南麻布を城崎先輩と歩いていた。
んー。じゃどっか行く?
時刻はまだ21時。2軒目にはちょうどいい。
城崎先輩は、しばらく九州にいた。昔は酒も飲めなかったが、いつのまにか自ら酒を注文するぐらいまで腕を上げていた。しかし、昔からの優しい性格はそのままだった。そして、サブカルに詳しかった。
三田なんてどーです?ホルモンとか。
んー。
いいよ。行こう。
そうこなくっちゃ。
次郎はいいよと言われる前かれ手を挙げタクシーを捕まえてようとしていた。
次郎はよく知ってるなぁ。
でも、先輩も東京の街には詳しいっすよね。
昔良く雑誌読んでたからね。
さすがサブカル先輩。
次郎はこっそりと呟いた。
三田の交差点でタクシーを降り、ごちゃごちゃとした路地の飲屋街に突っ込んで行った。
ドウッ
うおっ
次郎は何か人めいたものにぶつかった。しかし、それの何かを確認できることもなく人が行き交う。
ふぅ、賑やかなこった。
次郎は独りごちた。
サラリーメンでひしめく路地をくぐり抜け、一軒の店の前で足を止めた。
ホルモンまさる。安くて旨いホルモン屋。今のところ待ちは無し。予約ができないため、良い時間に行くと、必ず待たねばならない。
こりゃいけそうだ。
ガラガラ♪
二人なんだけど…
少々お待ちください。
店員は奥に引っ込み、また出てきた。
10分位待っていただきますが…
ふん、10分なら仕方ない。
わかったよ。
待つこと10分。
ガラガラ♪
どうぞ。
店の奥の並びの席に案内された。
上着をビニールに押し込んで丸椅子に座ると既に炭火がセットされた。
ご注文は?
特製トマト割りと、次郎どーすんの?
トマトサワーで。
はい。
どうぞ。
早いな。
乾杯♪
グラスに塩が付いていてウマい。そして安い。
さてと、ナムル、キムチ、コプチャン、軟骨、まるちょう、カルビ。
はい。
程なくもやしナムルとキムチが着弾。
なかなか旨い。そしてボリューミー。
うまいねー。
はい、お肉です。
一気に来たな!
軟骨旨そうだ。
コプチャンもまるちょうもでかい。
そして、カルビも薄切りで旨そうだ!
まずは、まるちょうだな。
旨そうだ。
焼き上がり、一口頬張る次郎。
うまい!脂が凄い!弾けるな。
うまいねー。
城崎先輩も御満悦だ。
次は軟骨だな。
ほほー。旨そうー。
次郎は軟骨を頬張った。
おお!しっかりした塩加減でコリコリ感がたまらない。
うまいねー。
城崎先輩も御満悦だ。
コプチャン行こうよ。
先輩が焼く。
次郎はコプチャンを頬張った。
ほほ!また脂が凄い。うまい。
うまいねー。
城崎先輩も御満悦だ。
そして最後に、カルビだ。
ぐおー!あっという間に焼ける。
凄い火だ。
もういけるよ次郎。
はい。
次郎はカルビを頬張った。
ぐおー!とろける柔らかさ。うまい!!
うまいねー!
城崎先輩は終始御満悦だ。
すいません、トマト割りお代わり。
ホッピーも。
いゃー、腹一杯です。
だねー。
ゲフッ
もう食えん。
行きますか、パイセン。
行こっか。
会計頼む。
はい。
5430円です。
え、そんなに安いの!
流石だ。
ほらよ、釣りはいらねーぜ。
それで新しい炭でも買いな!
次郎はキッチリ5430円をテーブルに叩きつけた。
ありがとうございましたー。
ラガラガ♪
ふー。今夜は食べすぎたねー。
ですねー。
じゃ行こうか。
はい。
まだまだサラリーメンでごった返す三田。
お、お兄さんがた、この後は?
いやいや、大丈夫だよ。
そんなこと言わずにもう一軒。
いや、腹痛いし。
そこをなんとかもう一軒!
いやいや。
そこをなんとか!!
いやいや…
三田の夜は更けていった。
続く。
ホルモンまさる@三田
安くて旨いホルモン屋。予約できず並ばなくてはならない。9時以降に行くべし。しかし、全部旨い。安い。特にまるちょうの脂の乗りが凄い!
3.8次郎