ここなのよ。
ほー。
次郎は、昔世話になったカレー好きな城崎先輩と久しぶりに夕飯に来ていた。
場所は広尾のメキシカン、サルシータと言った。
へー。
メキシカンなんかほとんど来ないっすよパイセン。
でしょー。
さてと、何食べようか。
ペラペラとメニューをめくる。
前を見ると厨房では忙しそうに店員が料理を作っている。
よし、決めた。おい、兄さん。
ハイ。
いかにもメキシカンっぽい兄さんが注文を受けにくる。
ビール2つ。それと、ナチョス、トルティーヤスープ、エンチラーダスのサルサロア、チョリソーのケソ フンディードを頼む。
ハイ、かしこまりました。
次郎は一気に頼んだ。
いやー、メキシカンってあんまり想像できないんですよね。味が。
そうだよねー。
俺もよくわからないなぁ。誘ってみたものの。
まぁ食べればわかりますね、ハハッ。
はいナチョスです。
ほう、メキシカンなビジュアルとカラーリングだ。
どれどれ。
クリスピーピザのようだ。チリソースで更にうまくなりそうだ。
次郎はテーブルのチリソースをかけた。
やはり。
うまいな。どんどんいける。
はい、トルティーヤスープです。
ほう、これまたメキシカンなビジュアル。
この細いのがトルティーヤだな。まるでミネストローネのような風味。トマトがすごい。スパイスも効いてる。飲みやすい。
はい、チョリソーのケソです。トルティーヤに包んでどうぞ。
なるほど。む、これはチーズと肉だな。これを、またこのトルティーヤに包むのか。これこそ、チリソースだな。
次郎はトルティーヤに具を入れチリソースをかけて頬張った。
ふん、一口でいくしかないな。
むしゃむしゃ。
うん、うまいな。チーズが柔らかい。チリソースもぴったりだ。
はい、エンチラーダスです。
すごいトマトだ。それにトルティーヤに巻かれたチキンほぐし肉と野菜。そしてサルサにチリ。まずいわけがない。
やはり。
うまい。肉肉しい。トマト味が弾ける。
これまた一気食いだな。
むしゃむしゃ。
サルサが効いているぜ。
ふー。あっという間に食べちまいましたね。
だねー。
雰囲気の優しい城崎パイセン。
では、お会計しましょうか。
だねー、あ、ここは俺が。
いや、いいですよ。
まぁまぁ。
気がつけば城崎パイセンが支払いを済ませている。
あ、ありがとうございます。すいません。
まぁ気にしないでよ。浮いた金でサルサでも買いなよ。
く、それは俺のセリフ…しかし優しい城崎パイセンに言われると悪い気はしないぜ。
次郎は独りごちた。
さてと、じゃ行こうか。
ですね。
コロンカラン♪
店を出ると夜だが星が美しい快晴。
いい天気だ。
じゃまたね次郎。
あ、はいまた!
そういうと城崎パイセンはタクシーで優しく消えていった。
ふー。俺は歩いて帰るかなぁ。
まだまだ上着はいらないか。
次郎は広尾駅から西麻布方面に歩き出した。
たまには広尾もいいな。
呟きは夜の闇に優しく吸い込まれていった。
続く。
サルシータ@広尾駅そば
メキシカン。なかなかうまい。しかし、メキシカンはすべての料理がだいたい同じ味になる。
3.5次郎