フレンチシェフの作るラーメン か…。
どうなんだかな。神保町か。オヤジの店の近くだな…。
行ってみるか。ダメならオヤジのところに行けばいいからな。
次郎は半蔵門線に乗り神保町で降りた。
ふぅ。着いちまったな。
階段を上がり地上にでた。
件の店は、白山通りを水道橋方面に5分ほど歩くと左手に見えてくる。
ここか。
メニューがいろいろあるが、まずは入ってみるか。
いらっしゃい。
1人だ。
カウンターどうぞ。
さてと。
グラスワインまであるな。さすがフレンチシェフ。
やはり、オマール海老押しだな。
店内には壁中にオマール海老の絵が飾ってある。
さてと、この元祖海老丸ラーメンにするか、しかし、この限定も気になるな。
となりの客に店主が限定ラーメンを説明している。その説明が骨太で詳細でうまそうだった。
く、まずいな。決められん。
えい、初志貫徹だ。
おい、オヤジ!
はいよ。
元祖海老丸ラーメン。それと、リゾットだ。
はいよ。
それと、グラスワインの白も頼む。
はいよ。
ふー。グラスワインまでいっちまった。
はい、どーぞ。グラスワインです。
おお、中々良い色だ。ほう。甘目スッキリだな。なんだかラーメン屋に来たように思えなくなって来たな。
ラーメンのこだわりが書いてある。なるほどなぁ。好感が持てるな。スープはビスクというのか。
オマール海老と野菜とスパイスで長時間煮込んだものをビスクというらしい。
はい、おまたせしましたー。
おお!なんともはや。
ワインと揃うとラーメンでないみたいだ。
紫キャベツが立ててあり、なんとも美しいビジュアル。さすがフレンチ。
濃厚な色だ。
次郎はスープを啜った。
ぐお!すごいなこれは。すごい海老だ。濃厚な香りが鼻をつく。
麺は平打ち麺か。
ズルズルッ
スープが良く絡みうまい。
開店後、途中で入れ始めたというチャーシュー。
低温で調理した豚肉。柔らかく、独特の食感。麺とともに引きずりこんだ。
うまい!いちいち。
意外と合うな。スープの濃厚さがサッパリする。味変にちょうどいい。
更に次郎はカウンターにあったカレースパイスを入れてみた。
さっさっ。
よし。
ズルズルッ
ほう!これまたうまいな。見事な味変だ。
いろいろな変革が訪れる。
ズルズルッ
ズズッ
ズルズルッ
プハー。
さてと、では、
リゾット頼む。
はい、かしこまりました。
グツグツッ
小気味好い音ともに、鉄鍋に入った半熟卵、小エビが乗った白飯がやってきた。
こちらにスープをかけてください。
お、おう。
次郎は卵の上にスープをレンゲで5杯ほどかけた。
ジュワー♪
良い音とともに白飯が熱されていく。
そこに、店員がチーズをかけた。
お、おお。良い感じだ。
かき混ぜてお召し上がりください。
次郎は半熟卵をかき混ぜた。
良い色に色づいたリゾットができあがった。
よし、では。
おお!オマール海老のチーズリゾットやないか!!
うまいやないか!
これは、また革命だ。
ふふ。
これに更にカレースパイスをいれてみよう。
先程気に入ったカレースパイスを入れてみた。
さっさっ。
予想通りだ!うまい。味変成功だ。
むしゃむしゃ。
ワインが合うな。こりゃなんと表現すればいいのか…まさに唯一無二の店か。
次郎は独りごちた。
むしゃむしゃ。
むしゃむしゃ。
武者武者。
ご馳走さんと。ふー。
おい、会計頼む。
はい。1550円です。
むう。ワインご400円、リゾットが300円、ラーメンが850円か。値段感はちょうどな感覚だな。
ほらよ。釣りはいらねーぜ。これで新しいオマール海老でも買いな。
次郎はキッチリ1550円をカウンターに叩きつけた。
うまかったぜ。またくらぁ。
ありがとうございましたー。
ふぅ。
次郎は、ひさびさに革命的な気分を味わい、震えが走った。
武者震いとはこのことか。
なんだか面白い事が起こりそうな予感がするぜ。
神保町のオヤジの店をチラ見して通りすぎる。なんだか後ろめたい気分になった。
次郎はそそくさと神保町を後にした。
続く。
海老丸ラーメン@神保町
フレンチ風オマール海老ラーメン。ラーメンのようでラーメンではない。が、うまい。リゾットも食べれちゃう。感動。
3.7次郎