食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

ボーイズカレー 生姜焼き 神保町

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お、オヤジ…

本日のスペシャル、鯛と牛骨だし汁ラーメンは売り切れか。ちっ。

仕方ない、普通の覆面にするか。

 

悪いねー。朝9時から営業だと昼過ぎると売れ切れちゃうんだよねー。

 

新入社員のくせに年齢は58歳です的ながっかり感だな。

次郎は独りごちた。

 

はいよ。おまち。

 

しかしだ、定番メニューの覆面はうまい。今日もモヤシ、青唐、味玉の3連単トッピング。シャキシャキのもやし。チャーシューは口の中に入れた途端にとろけ、味玉は中身の半熟が歯を入れた瞬間に弾け飛ぶ。それに合わさるキリっとした醤油スープ。隠し味の青唐辛子。

 

内村航平の鉄棒の着地さながら完璧だ。

次郎はまたも独りごちた。

 

ふー、ご馳走さん。

 

またねー。

 

オヤジの声が背中に降りかかる。

まるで山下達郎のメロディの雨が肩を濡らす歌詞ように、いやいや、もうゴチるのはよそう。

 

次郎はオヤジの店を出て九段下側に歩を進めると、なにやら変な看板が見えてきた。

カレーボーイズ。

なんだ?

 

店の張り紙を見るとカレー屋らしいが、店の一押しは生姜焼きだという。

 

生姜焼きか。大好きなメニューだが…オヤジの店から出たばかりだからな。

しかし、少し不満なのは確かだ。

 

 

ええい、ままよ!

ガラガラ♪

 

らっしゃい。

次郎は空いたカウンターに座った。

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なるほど。

ハンバーグも惹かれるが…

ここは初志貫徹。

 

生姜焼き頼む。

はい。

 

ふぅ。

お、この緑の漬物。いいセンスだ。

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なんだか雑然とした店だな。こりゃサラリーメンしか入るまい。しかし、こういうところこそ隠れた名店だったりするからな。

 

いや、おれ昨日も全然勉強できなかったからまじヤベーよ。

と言いながら100点取るやつが良くいたもんだ。そして、それは俺だったがな。

次郎は独りごちた。

 

はい、お待ち。

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いかにもフツーの生姜焼きだな。

決してビジュアルは美しくない。

まぁいい。

 

さてと、

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よく見るとなんだかうまそうに見えて来たぞ。

どれどれ。

うぉ、なんだこれ。超普通。なのにうまい。味は濃厚、そして甘い。しかしくどくない。あと惹かれる。これはこうするしかないか。

えい!

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来たー。やはりこの形か。そして若干の漬物が隠し味。うーん、もう白米は食えないはずだったが…食えちまう。いかんいかん。我慢しないと。いのち短し恋せよ少女だ。

 

そして、この付け合せナポリタン。甘く見ていたが…これもうまい。なんだこりゃ。こんな雑な盛方なのに、悔しいぜ。

 

ふー。ご馳走さん。

 

800円です。

 

リーズナブルだ。

ほらよ。今日はご飯も残しちまったしな。釣りはとっときな。新しいナイフでも買うといい。

キッチリ800円をカウンターに叩きつける次郎。

 

ラガラガ♪

ふー。いやー。昼に連続ハシゴは応えるぜ。明治時代に初めてガトリング砲の連射を見せつけられたぐらいの衝撃だ。

 

ふふ。今日は冴えてるな。

 

さてと、古本でも見に行くか。

そう言うと次郎は路地裏の古書店街へと消えていった。

 

続く。

 

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ボーイズカレー@神保町

看板にはカレーボーイズと書いてあるがボーイズカレー。カレーなのに、カレーより生姜焼きが有名。盛方は雑だが妙に後惹くうまさ。値段も安い。サラリーメンの味方。

3.55次郎