神保町。この街はカレーの聖地。そして、昔からこの聖地を背負っている店がある。
神保町のカレーと言えばこの名前が真っ先にあがる。
次郎はついにこの店に足を踏み入れた。新手のカレー屋がどんどん出現している中、いささかその印象は影を潜めていた。
このディスプレイもどことなく昭和を感じさせる…
カランコロン♪
いらっしゃっい。
一人だ。
そこのカウンターへどうぞ。
意外にも店員は若目の奥様風。マスターの奥さんだろうか。まぁいい。知ったことか。
ビーフカレーを頼む。
辛さは?
むぅ。
3番が辛口です。
では、3番に。
ほぼ周りの客はみんな3番だった。
しばらくするとサービスのジャガイモが出された。
こちらサービスです。
むぅ。ボンディと同じだな。カレー屋にはジャガイモがデフォルトなのか…
添えられたバターをつけてジャガイモを頬張った。
おかわり自由か。味はまぁふつうだな。お代わりするまでもないか。
はい、ビーフカレーです。
ほう。見事な。これが神保町をカレーの町と言わしめる権現か。
ゴロゴロとしたビーフがうまそうだ。結構たくさん入ってるな。
どれどれ。
よくスパイスの効いたオーソドックスなビーフカレーだ。ビーフは思ったより歯ごたえがあって、それがちょうどよくルーに混ざる。水っぽすぎず、ドロドロでもなく、ちょうどいいバランスだ。うまい。こりゃ何杯でもいけるな。そして、やはり3番は少し辛口だな。ちょうどいい。
うまい。
あっという間に平らげてしまった。
ふー、ご馳走さんと。
900円です。
ほらよ。釣りでバターでも買いな。
次郎はキッチリ900円をカウンター叩きつけた。
コロンカラン♪
神保町はまだまだ奥深いな。
しかし、不思議と懐かしい感じのする町だ。
次郎は独りごちた。
さて、新しいカレー屋でも探すか。
次郎は神保町の奥へと消えていった。
続く。
エチオピア@神保町
言わずと知れた神保町カレーの老舗。オーソドックスなカレー。野菜カレーがなんだか高いが次回のお楽しみか。ビーフカレーはゴロゴロとビーフがボリューミー。ジャガイモはお代わりできるよう。
3.6次郎