ここ、なんか気になるんだよな…
次郎は弘前市内から八甲田方面に車を流していた。
途中黒石市あたりで、いつも気になるラーメン屋が左手に目に入って来る。
チェーン店のラーメン屋だが、そのネーミングセンスはあまり良いとはいえず、都内では勿論素通りしていた。
しかし、青森で、なぜか車がよく止まっているため、気になってしまうのだった。
えい、ままよ!今日は挑戦だ。
次郎は車を止めた。
いらっしゃい。
扉は開いていた。
食券機がある。
うーむ、いろいろあるが、ここはネギチャーシュー麺に餃子という最強コンボだな。900円の250円で1150円か。まぁこんなもんか。
奥でも、お好きなところにどーぞ。
次郎は食券をカウンターで渡し、奥の座敷に入った。
なんだか懐かしの風情だ。
やはり、平成というよりも昭和だな。
次郎は独りごちた。
はい、お待たせー。
おお、なかなかのクリエイティブ。脂がきつそうなのがまたいい。
スープはドロリッチ系だな。
濃いな。いいぞこりゃ。
麺は?
卵細麺か。ちじれていれば最高だが。
ズルズルッ
次郎は勢いよく吸い込んだ。
ふん、なかなかどーして、スープと絡んでうまいな。柔らかいが、伸びてるわけではない。
このチャーシュー、いい刺しが入ってる。明らかに野獣性を予感させるぜ。
次郎はチャーシューを一枚まるごと頬張った。
おお!やはり、野獣派だ、いやナビ派か。どっちでもいいか。噛んだ時に入って来る肉汁と濃い醤油スープ。暴力的だ。
舐めていたが、これは嬉しい驚きだ。
ズルズルッ
ズズズズズズッ
ズルズルッ
ズズズズズズッ
うまい。
ズルズルッ、ズルズルッ、
ネギがまたいいな。
ズルズル、ズズズ、
ズズズズズズズズズー♪
ぷはー。
ご馳走さん、と。
いやー、うまかった。間違えなく黒石市のフィールドワークの時に寄っちまうな。
ふー。
暑いぜ。
バタンッ。
次郎は車に乗った。
ブロロロー♪
再び八甲田に向けて車を走らせた。
雪中行軍する前のいい栄養補給だったな。
まぁ、雪はもうねーか。はは。
軽口をたたき、次郎はアクセルを踏み込んだ。
雪解けの津軽は、少しずつ車の量が増えていた。
続く。
チェーン店のラーメン屋なのか、なんだかよくわからないが、味も濃く、チャーシューも分厚く食べやすい野獣性のあるラーメン屋。
安いし、味もいいので、再訪必至。
3.5次郎