八戸は遠いな。
次郎はフィールドワークのため八戸にやってきていた。黒石から八甲田、奥入瀬を抜け八戸に着く頃にはたっぷり2時間半のドライブになっていた。
疲れたな。
ちょうど昼時だし、飯でも食うか。
確か、八食センターって市場が有名だったな。
次郎は市内を走り、八食センターについた。
ん?自動ドアが開かないな。
まさか、休み!?
そのまさかだった。しかし、車はたくさん駐車している。貼り紙を読むと、飲食コーナーは開いているとの記載。
あぶねぇ、九死に一生を得る、だな。
次郎は独りごちた。
敷地の奥の方へ進んでいくと、回転寿司の旗が目に入った。
ここだな。
建物の中に入ると、回転寿司、寿司屋、丼屋と三軒の寿司レストランがあった。
これは嗅覚を試されるな…一番人の入っている店は、ここだな。勢登鮨か。よし、決めた。
次郎は暖簾をくぐった。
いらっしゃいませ。
空いてるところどうぞ。
昼時だが今日は平日。市場は休み。
逆に空いてていいな。
どれどれ。
次郎は席に座るとメニューを見た。
一品寿司があって、
丼メニューと、
寿司のセットか。
ラーメンまであるのか。
さてと。ここは八食丼だな。それと、生赤貝を食わないわけにはいかんな。
おい。
ハイ。
八食丼と、生赤貝。更には、真鯛、ネギトロ、ホタテ貝ひもを。
ハイ、かしこまりました。
ふぅ。頼みすぎたか…まぁいい。
次郎は置かれた水を飲み干した。
赤貝です。
早いな。
ほお、でかい。さすが生。
ふお、うまい。ジャキジャキとして新鮮。こりゃうまい。さすが海沿いの街。
はい、八食丼です。
ほお!なかなかのクリエイティブ。
こりゃうまそうだ。
たっぷりとわさびを混ぜた醤油をかけてっと。
こりゃ更にうまそうだ。
次郎はおもむろにマグロとイカを頬張った。
ふぅ!やはり新鮮。うまい!わさび醤油が素材を引き立てる。
ホタテは柔らかく甘い。イクラもいい。そして、やはりイカとマグロがうまいぜ。
はい、追加の握りね。
ほう。これまたなかなかのクリエイティブ。
どれどれ。
貝ひももうまいな。わずかな磯の香りが鼻腔をくすぐる。鯛は淡白だがスッキリとしてうまい。ネギトロは味わい深く、食べやすい。どんどんいけるな。
むしゃむしゃ。
ズズズズー。
味噌汁でリフレッシュ。
むしゃむしゃ。
ズズズズ。
むしゃむしゃ。
むしゃむしゃ。
ゲフッ。
食ったな。また食っちまった。
これもまた人生だな。
おい、会計頼む。
はい、2600円です。
ほらよ。う、しまった、金がない。
お、おい、カードは使えるか?
ハイ使えます。
危なかったぜ…ほらよ。
ピッ。
ありがとうございましたー。
ちっ、儀式ができねーぜ。まぁいい。
ありがとうございましたー。
またな。
ふぅ。さてと、行くとするか。
次郎は車に乗り、種差海岸方面へ向かった。
わずかに塩の匂いが漂っていた。
続く。
勢登鮨 八食センター支店@八戸
八食センター内にある寿司屋。新鮮な魚介類。しかしなかなかいい値段。
3.3次郎