次郎とゴッドハンドK、略してKは、焼き鳥屋でしこたま食べた後、腹ごなしに夜の散歩に繰り出していた。神楽坂から夏目坂を抜け、漱石の記念館を通り過ぎ、四ツ谷三丁目に近づいていた。
時刻は夜10時。
やっと四ツ谷ですねぇ。
とK。彼は上機嫌のようだ。
あれ、こんなところにラーメン屋が。
とK。
四ツ谷三丁目は昭和の雰囲気を残した古い町。昔フジテレビの社屋があったからだろうか、なんとなく当時のバブリーな面影を残している。
次郎とKはラーメン屋を通り過ぎ、小道の飲屋街に入った。怪しげなバーや割烹屋が軒を連ねている。
あ、これはがんこラーメン一条流の総本家じゃないですか!こんなところにありましたよ!
Kが捲したてる。
おう、そう言えばここか。しかし夜は既に閉店。残念。
しかし、ラーメンが食べたい時分ではある。
さっきのラーメン屋いっちゃいます??
これも何かの縁ですよロージー。
うう、あんだけ食べたってのに、俺の胃袋はやはり宇宙だ、カオスだ、カミオカンデだ!
次郎は独りごちた。
よし、K行っちゃおう!!
そういうことになってしまった。
いらっしゃい。
大通りに面した店に先客は一人。
Kと次郎は、自慢の?のりまきラーメンの食券を購入。850円。なかなかの値段をとるな…まぁバブリーな街だ、仕方ない。
店は赤で統一された支那国っぽい雰囲気。女将さんが一人で切り盛りしていた。
程なくして、ラーメンが供された。
おお、さすがのりまきラーメン。クリエイティブが名前そのままやないか!
どれどれ。
ほう。スープは昔ながらのアッサリ醤油。夜中のラーメンにはもってこいだ。
麺は極細麺。これはいい!どんどん吸い込んじまう。
ズルズル!
ズルズル!
ズズズズ!
うん、なかなか。
チャーシューも昔ながらの味。懐かしいぜ。
アッサリ醤油にピタリだ。
ズズズズ
ズルズル!
ズルズル!
ズズズズー。
あっと言う間に無くなっちまった。
さすが夜のラーメン。宇宙の胃袋。
いや〜うまかったね〜。
とK。満足気である。
ですね。うまかったです。
だね〜。
さてと、行きますか。
夜の四ツ谷を再び歩き出す二人。
さてさて、これから赤坂御所ですねぇ〜。
誰がおわしますことやら…
Kは上機嫌だ。
御所の周りには警官が多く配備されている。
誰がいるのやら…まぁいっか。
二人はさらに青山一丁目に向かってフラフラと南下して行った。
続く。
のりまきラーメン 一心@四ツ谷三丁目
夜の締めにもってこいのラーメン屋。アッサリ醤油。極細麺で食べやすい。チャーシューもノリも懐かしい。
3.4次郎