ほう。厳哲か。
次郎は友人から、最近ハマっているラーメン屋があると紹介された。
調べてみると、関西出身のラーメンで、週末などは創作メニューを出すタイプのラーメン屋ということだった。
なかなか良さそうだ。
場所は早稲田か。悪くないぜ。
よし、いってみるか。
次郎は家を出た。高田馬場から東西線に乗り換え、早稲田で下車。
さて。目当ての店は…新目白通り沿いか。多少歩くな。
早稲田の大隈講堂を越えて、数分行ったところにある新目白通り沿いにその店はあった。
次郎の前には家族づれが並んでいた。
ちっ、しばらく待つことになりそうだ。仕方ねぇ。
さてと。
待つこと8分ほど。次郎は店内に入った。
食券機にお金を入れた。
迷うな。醤油もいいが、塩もうまそうだ。
よし、今日は鮪塩肉増しだな。1250円か。
中々の値段だな。
ん?この盛り合わせってボタンはなんだ?
おい、大将、この盛り合わせってのはなんだ?ああ?
あ、それはお酒のアテの盛り合わせです。
ほぅ。そういえば酒も出すんだったな。よし、乗った。
次郎はこの盛り合わせ700円、そしてビール700円のボタンを押した。
ふー、なんだか居酒屋に来てしまったようだぜ。まぁいいか。
次郎は食券をもってカウンターの一番奥の席に座った。
さてと。お手並み拝見だな。
お待たせしましたー。
隣の客につけ麺が提供される。麺の上に大きな秋刀魚が乗っている。
ほう、あれもいいな、いかん、目移りしちまうな。次郎は古典的に首を左右に振って、つけ麺のイメージを振り払った。
はい、まずはアテ盛り合わせとビールです。
おお、ビールはハートランドか。できるな。
そして、このアテ盛り合わせ。
いいじゃねーか。肉肉しい。そしてこの赤い鮪がうまそーだ。
どれどれ。
おお、この鮪、少し蒸してあるのか?色も醤油漬けのようだな。
む、うまい。このネギとも合うぜ。酒とも合う。やはり、ビールはハートランドだ。
このチャーシューもいいぜ。きっとラーメンに入ってくるのだろうがな。むぅ、食べ応えあるな。
もう一つのチャーシューの味付けはマヨネーズか。
柔らかいな。マヨネーズが意外と効いてるな。別の味で、またいい。
ここは当たりの予感だ。
次郎は独りごちた。
次郎がアテを食べ終わり、ビールを煽っていると、メインのラーメンが登場した。
お待たせですー。
お、美しい。うまそうなビジュアルだ。
このスープ、透明でキリリとしている。それでいて鮪と豚のだし汁が効いている。
そして、麺は細麺ツルツルタイプか。悪くない。
さて。
この鮪。ほろほろだな。しかし、味は失っていない。絶妙なタイミングで茹でたな。
このチャーシュー、うまい。さっきよりも食べやすい。いい部位なんだな。スープと絡めると更にうまい。
お、多少部位の異なる部分を入れているようだな。多彩だ。
ズルズル!
ズズズズー。
むしゃむしゃ。
うまい。
こりゃいいな。チャーシューが暴力的でいい。
ズズズズー。
ズルズル!
ズズズズ、ズズズズー。
うまい。
ズルズル!ズルズル!
むしゃむしゃ。
ズズ、ズズズズー。
ふぅ。
最後に、残りのビールを一気に飲み干した。
プハー!
いやー、うまかった。そして、大満足だ。
おい、うまかったぜぇ。
ありがとうございます。
ガラガラ♪
いやー、いい店に巡りあえたぜ。
また来るかな。
夜になり、涼しくなった早稲田。リーガロイヤルホテルの先には大隈講堂がある。その横を通り過ぎた。
俺はあの頃から成長したんだろうか…
次郎は束の間、甘酸っぱい記憶に浸り、
答えのない問いが口から勝手にこぼれ落ちた。
ふん、まぁいい。
大隈講堂のネオンが優しく次郎を照らし出していた。
続く。
厳哲@早稲田
独特の味と世界観のあるラーメン。メニューがいろいろ変わるのがおもしろい。また、酒と肴がある居酒屋風なもてなし感もある。スープとその食材にこだわりがある。通ってしまいたくなる味。
3.7次郎