次郎さん、今夜はゆっくりやりましょう!
次郎は今夜、後輩と水炊きを食べに来ていた。
三田の住宅街の奥に、その店はあった。
ガラガラ♪
ふん、ほんとにうまいんだろうなぁ?あぁ?
次郎さん、ここはですね、ほんといけますよ。ほんとっす。すす。
今夜の店は三田の水炊きといえばこの店という名店、鼓次郎に来ていた。
まぁ次郎という名前が付いているだけ良しとするか。
次郎は独りごちた。
店内は清潔で、女性客も多かった。
次郎は後輩の寝屋川とカウンターに座った。
既に水炊きの鍋は用意されていた。
さてと、どーすんだ寝屋川?
そうすね、まずは唐揚げと、チョリソー、酔っ払いエビでいきましょう!それとビールっすね。
お、おう。
はいよ、まずはビールと酔っ払いエビです。
おお、なんだこれは!
ほのかに甘い!えび味噌まで食べらるぜ。
はいよ、チョリソーです。
割と小ぶりなソーゼージだな。しかしうまそうだ。おお!ピリ辛でいい。このポテサラもチーズと軟骨か?が入っていて良い食感だ。
唐揚げです。
おお!でかい!
どらどら。
ザグッ
おお、はふ!熱っ!
がうまい!この醤油につけこまれた鶏肉の香ばしさよ!
寝屋川、でかしたぞ!
ありとぅす!
牛スジ煮込みです。
お、いい焦げ茶色だ。味はまるで時雨煮だな。酒が進むぜ。これで350円か。いいな。
おい兄ちゃん、かぼすサワー2つ頼む!
はいよ!
はい、では、そろそろ鍋いきましょうか?
まずは鶏肉だけでどうぞ。
最初はそのままで。次に塩で。最後にポン酢でどうぞ。
くっ、トロトロのスープだな。鶏肉の出し汁が出まくってるじゃねーか!!
どれどれ、仄かに甘い!
この塩、効いてるな。スープが鶏肉を優しく包むな。くそ、うまいじゃねーか!
では、つくねも入れちゃいますねー。
店員がつくねを入れる。
浮かんで来たら食べごろです。
くー!うまそーだ…
ムシャムシャッ
やはりうまい。
まずいわけがないか。
最後にお野菜です。
うーん、これでビジュアルは完成したな。
鶏のコラーゲンが全てに絡まりキャベツもネギもフも優しくまろやかだ。
ポン酢が合うな。
おい、寝屋川、いい店じゃねー…ゲフ…
え?
うまいな…食い過ぎたか。
そうっすよね!うまいっす。
シメどーされます?
今夜はもー食えんな。
そうだ、最後にこの塩納豆もらおうか。
はいよ。日本酒に合いますよ。
じゃ、一合頼む。
はいよ。
おお、この納豆、まるで味噌だ。納豆をさらに発酵させたのか。これが胡瓜と海苔と日本酒にバタハマりだな寝屋川!
はい、部屋とワイシャツと寝屋川っす!
いや、よくわからんが、うまいってことだな?
そっす。すす。
どうやら寝屋川も、満足しているようだ。
おい、兄ちゃん、おか…ゲフ、お会計だ。
合計で15000円です。
酒も入れるとまぁそんなもんだろう。六本木よりはリーズナブルだ。
ほらよ。釣りはいらねーよ。
これで新しい暖簾でも買いな!
次郎はキッチリ15000円をカウンター叩きつけた。そして、寝屋川からも7000円を徴収した。
先輩ご馳走様っす!500円だけ多く出していただいて!
ふん、ありがたく頂戴しやがれっ!
ラガラガ♪
ふぅ、うまかったな。しかし、この辺は閑静な住宅街だ。静かだな。
さてと、じゃ田町まで歩くか。
そっすね!
次郎と寝屋川は田町に消えていった。
続く。
鼓次郎@三田
水炊きの店。清潔な店内。値段はリーズナブル。味もいい。サイドが充実。唐揚げがうまい。水炊きは鶏肉がうまい。
3.6次郎