食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

武道家 ラーメン

久々に次郎は早稲田に降りた。

 

いつものオヤジのラーメンは捨てがたかったが、毎回毎回行っていたのでは芸がない。

 

ここらで一旦リセットしよう。そう思い新たな場所を考えたが、あまりいい場所が思い浮かばない。

 

野菜も足りていないことだし、スープカレーでも食うか。そう思い頭の中を検索したが、下北沢は遠い気がして、結局早稲田の東京らっきょに行くことにした。

 

半蔵門線を九段下で乗り換え早稲田についた。

 

ふー、結構早稲田まで時間がかかるんだよな。

次郎は独りごちた。

 

しかし、この駅は次郎の通い詰めた場所。宝物のような思い出が詰まった駅だった。自然と心は躍り、道行く学生を遠い過去の自分に重ねてしまうのだった。

 

一人ラーメン屋によく行ったな。あの本屋にも良く立ち寄ったっけな。あの子とよくあの喫茶店で待ち合わせたな…

次郎は甘酸っぱい思い出に浸った。

 

えい、おまえはいくつだ次郎。郷愁に溺れるな!それよりも昼飯だ。しかし、スープカレーの気分じゃねーな。

 

ふと気づくと、交差点を渡ったところに並んでいるラーメン屋が見えた。

 

なんだあそこは。行ってみるか。

店の前に行くと武道家とあった。

 

迷った末、入ってみることにした。

 

ガラガラ♪

 

らっしゃい、おっす!

 

挨拶は武道家だった。

 

ざっす!

次郎も答えた。

 

カウンターに座り、食券をだした。

あじ濃いめで!おっす!

と注文すると、

 

 

うぃっす!ありたっす!うっす!

 

となんだかたくさん言葉を投げかけられた。

 

ふー。隣には早稲女と思われる女子が2名、次郎と同じくラーメン油多目を頼んでいた。

 

やるなねーさんたち。おれが普通なのに。まぁいい。早稲女はそれでなくちゃな。

次郎はコッソリと独りごちた。

 

そして、店員が天下一品のようなドロドロしたスープを濾しているのを尻目に目を閉じた。

 

待つこと10分。

 

 

はいよ、おまち!うっす!

長かった。がラーメンが到着した。

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長いな。赤いなスープが。何が入ってるかしらんがな。

次郎はゴマをかけてスープをすすった。

 

ずずずっ!

ほう。濃厚だかしつこくない。後味もいい。これは結構うまいな。

本当は白飯をかっくらいたいところだったが、脂肪取りすぎの警告が出されている次郎はしかたなく我慢した。

 

くー、歳はとりたくないな。体のあちこちにボロが出始める。

 

しかし、いい味だ。麺もいいな。スープと味がうまくからむ。

 

麺が半分もこしたところで、豆板醤と生姜を大量投入し、味を変えた。

 

うーん、これもうまい。やるな。これはリピートあるぞ!押忍!

次郎は独りごちた。

 

ごちそうさんと。

 

ありがとうございます!!おっす!

 

最後まで威勢のいい店員の声に押し飛ばされながら、次郎は店をでた。

 

清々しいな。これははしごできそうだ。

よからぬ企みが浮かぶ次郎。

 

春がもうそこまで迫っている陽射しを受けて次郎はゆっくりと早稲田を後にした。

 

続く。

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道家@早稲田

天下一品風のスープ。それに家系ラーメンを足した感じ。いい感じの味付けでリピートしやすい。あまりきつすぎず良いバランス。少し提供するまで待たされるが再訪必死。

3.5次郎