函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

蕎麦きり みよた

くそ、時間が中途半端だな。

 

次郎は次の打ち上げというなの忘年会まで2時間の待ち時間を持て余していた。

 

家に帰るわけにもいかんし、どうしたもんか。

 

休日の街は五月蠅い。

ガキどもやカップルの熱気に当てられ次郎は徐々に力を失っていった。

 

ふー、どーするか、、、

しかし、打ち上げってのはろくなものが食えねーんだよな。だから先に食べておくってのは悪くないな。

 

ソーダソーダ♪

悪魔の次郎が囁いた。

 

ちょっくら寄るのにちょーどいいもんはと、、、。

 

素直に喫茶店に入ればいいものを、次郎は結局食べ物屋に入ることにした。

 

ソーダソーダ♪

 

お、この辺にいつも並んでいる蕎麦きりの店があったはずだな。

おぉ、ここだここだ、今日は並んでないな。ラッキーだ。よし、ちょっくら入るとするか。

 

ガラガラ♪

 

いらっしゃい。奥にどうぞ。

 

促されるままにカウンターに座る次郎。賑やかで活気のある店内は次郎のテンションを上げた。

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ふーむ。何にするかだな。ただの蕎麦はなぁ。む、うまそうな天丼があるな。こりゃ打ち上げの前にガッツリいっちまうな。

 

ソーダソーダ♪

 

よし、兄さん、天丼と蕎麦のセットを頼む。ぬかるなよ!

 

はい、かしこまりました!

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店内をくゆらす湯気が胃袋を刺激した。

ちっ、なんか打ち上げどーでもいいな。追加しちまうか、、、

 

ソーダソーダ♪

 

い、いや、しかし、さすがに年の瀬だしな。行かないってわけにはいかねーか。

 

ソーダソーダ♪

 

悪魔次郎は何にでも相槌を打った。

 

はい、おまち。

突如沈黙は破られた。

 

ほう。海老が3匹もいやがる、いや4本か。

うまそうだ♪

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考えてみれば、蕎麦に丼。炭水化物ばかりじゃねーか。

ソーダソーダ♪

 

まぁ、いい。これも年の瀬ってことで大目に見よう。

 

ソーダソーダ♪

 

さてと。ズルズルッ。

次郎は勢いよく蕎麦をすすった。

 

シンプルな味だ。だがうまい。どんどんいけちまうな。危険だ。

 

そして、この豪快な天丼だ。

ほう、海老天もうまいじゃないか。このタレごはんがまたいけるんだよなー♪

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一本、二本、あっと言う間に四本平らげてしまった。

 

ふー。まだまだいけるな。しかし、ここはこのくらいにしておかないとな。打ち上げで何も食えなくなっちまう。

 

次郎はすでに充分な量を食べていた。

 

さてと、会計だ。

狭い店内をすり抜けてレジにむかった。

 

ガラガラ♪

 

ありがとうございました〜。

 

店員の言葉を背中で受けて外に出る次郎。

 

ぶるっ

 

一陣の北風野郎が次郎の背中を吹き抜けた。

ふー。この寒さも年の瀬か。

浮かれた町に、浮かれた次郎。

 

きらびやかな打ち上げが次郎を待っていた。

 

 

続く。

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 蕎麦にり みよた@表参道

いつも行列の店。時間を外していかないと待ちぼうけに。味はうまいが、この人気の原因はコスパの良さ。初めての人には豚肉の辛味つけそばがオススメ。ズルズルとどんどん食べれちゃう。

3.6次郎