ふぅ。雪だな。
次郎は青森市で車を転がしていた。
青森で郷土資料を漁った帰りだった。時刻は6時。すっかり日も落ち、静かな雪が脈々と降り続いていた。
このまま弘前に帰る前に、飯でも食ってくか。
そういうことにした。
フラフラと走っていると大きなアリーナが目の前に現れた。ふーん、こんなところにな。まぁ土地はあるからな。
通り過ぎようとした時、そのすぐ裏に和風の店構えがあるのを見つけて、寄ってみると、どーやらとんかつ屋のようだった。
4台の駐車スペースに3台が停まっている。
…
今夜はここだな。次郎は残り1台のスペースに車を停めた。
ガラ♪
はい、いらっしゃいませ。
空いてる席へどーぞ。
次郎はカウンターに座った。割と広めの店内に先客は2組。空いていた。
ズラリと揚げ物メニューが並んでいる。
カキフライもいいなぁ。しかし、とんかつも食いたいしなぁ。うーむ、迷うな。
…よし!
女将。
ハイ。
串カツ定食を頼む。
ハイ。
次郎は色々入っている串カツ定食にした。
置かれていた水を二口すすった。
しんしんと冷え込む外気を思い出すと、水をがぶ飲みできなかった。
ふん、さすが雪国だ。
次郎は独りごちた。
はい、お待たせしました。
おお!予想外に豪華なクリエイティブ。どれがどの串かわからんがボリューム満点だ。
そして、キャベツのドレッシングがまた洋食屋風。
次郎はドレッシングをたっぷりキャベツにかけた。
ザクザクッ。
うまい。酸っぱさと甘さが絶妙だな。
ザクザクッ。
まずはキャベツが鉄則だな。
さてと。串カツを。
ザクッ。
ほほう、チキンカツか。脂もジンワリでてきて、うまいな。衣かサックサクだな。玉ねぎも甘くてうまい。
次は、ヒレカツか。こちらもジューシーで、やはり衣がサックサクだ。
この、オリジナルの玉ねぎソースの酸っぱさもまたいいな。
次はなんだ?
ザクッ。
おお、ホタテか!うまいなこりゃ。分厚いホタテだ。柔らかいが、歯ごたえもある。
サクッ。
ほほう、こっちはエビか。ぷりっぷりで肉厚だ。こりゃうまい。
ザクッ。
サクサク。
ザクッ。
サクサク。
うまいな。
ズズズズー。
味噌汁がまた量が多くていいなぁ。
ズズズズ、ズズズズー♪
ご馳走さん。
会計を。
はい。1600円です。
ほらよ。釣りはいらねーよ。
それで新しいキャベツでも買いな。
次郎はキッチリ1600円をカウンターに叩きつけた。
ラガ♪
ふぅ。
本格的な雪はまだまだこらからか。
次郎は空を見上げ、舞い落ちる雪のかけらの群れに眼を細めた。
続く。
河童亭なお@青森市
アリーナ体育館の裏にある揚げ物屋。清潔な店内。洒落た音楽。
さっくさくでカリッカリの衣で、中身はごろっごろ。
うまい
3.5次郎