さてと、昼はあんだけ食ったしな。もう夜は食えねーか。いやいや、今夜はサンセバスチャン最後の夜。気合入れねーとな。
次郎は夕方6時と言ってもまだ明るく、4時くらいに感じる時刻に、再び旧市街へ繰り出した。
まぁ流石に俺様の腹も持たねーな…
次郎は独りごちた。
時折雨のチラつくコンディション。これで客足が減るといいのだが。
旧市街へ到着すると、やはり金曜夜ともなればどこかからか人がたくさん集まってくる。
うっとおしいな。
しかし、そうはいっても、今夜は負けられない。よし、ここだ。
“Atari Gastroteka”
やはり、混雑している。しばし、途方にくれる次郎。オロオロしているところ、女性店員が話しかけてくる。
Hola!
Hola. ahnn..I would like to... Arozzo ...
Ok. I will bring English menu and keep a seat for you.
な、なんと優しい。
一旦この店員を抱きしめるべきか悩む次郎。
い、いかん、つい妄想が膨らんじまったか。流石外国だ。
暫くして、席があき、次郎はそこに案内された。
すかさず、一気に攻め立てた。
リゾット、トウガラシのフリット、フィレステーキ…
一緒にフォアグラはどう?
とても美味しいのよ。
じゃあそれも。それと、サングリアを。あ、更には、チーズのオリーブオイル焼きも。
わかったわ。
ふー。注文にも一苦労だ。しかし、この店どんどん人が入ってくるな。席に付けたのは奇跡的だ。
まずはサングリアが運ばれてきた。
うーん、うまい。
続いて、リゾットが運ばれてきた。
おお、小ぶりながら、うまそうだ。
むほ!
激ウマじゃないか!この3つの黄色いのは、トマトとマヨネーズのムースだな。今日のリゾットはサラミがはいって味がパワフルだ。それにこのトマトマヨネーズソースが絡み、独特の味わい。うまい。
続いては、フォアグラか。
うお!これは濃厚。しかも、トウモロコシの粒揚げとホワイトチョコレートソースが絶妙なハーモニー。うまいわけだ!!
ぐ、なんだこれは。間違いなくうまいだろうがな。
ぐほ、このチーズとトマトのコラボ最強だ。もちもちで、溶ける。
そして、このトウガラシ、食べやすい。塩味が効いてシンプルながらうまい。
そして、フィレステーキ。
ミディアムレアだな。柔らかい。このクリームソースがうまい。
ふぅ、いやー食べたな。しかし、今夜は最後だしな、よし、ねーちゃん、リゾットもう1つ追加で。
Si.
やっちまった。まぁいい。旅の恥は何とかだ。
暫くして二皿目のリゾットが到着。次郎は貪り食べた。
ぐぉ!ぅまい!こりゃ仕方ない!ぐぉ!
ゲフッ
流石におかわりリゾットは効いたな。
よし、会計頼む。
27€ Perfarvore.
く、安いな。ここも名店に仲間入りだ。
ほらよ。これで新しい黒板でも買いな。
次はと、Ganbaraだな。
次郎は歩き出した。
くっ、一杯だな。しかも、日本人が多い。やめとこう。
次郎は隣のBar sportsも覗いて見たが、ここも一杯。
むぅ、仕方ない。鰯の専門ピンチョスの店に行ってみるか。
次郎は、Bar txepetxaに向かった。
Hola.
Hola.
簡単な挨拶を済ませて、次郎はメニューを他の人の前のカウンターからもぎとった。
よし、アンチョビのピンチョスと、このオリーブ・アンチョビ・トウガラシの串とビールを頼む。
Si, Shinore.
あっという間に提供。素晴らしい笑顔の店員。ネイマール似だな。
このイワシ、うまいじゃねーか。酸味も効いている。
見た目のインパクトはないが、味がいい!
このいつものオリーブ串も酸味が強くていい。
店内には魚型のメニューが置かれている。地元感のある店だ。
あっという間に終わったな。
じゃあな、またくるぜ。
Agur, Shinore.
Agur.
さてと、ここの近くに、最も有名な Borda Berriという店があるらしいとのことだったな。行ってみるか。
次郎が向かうと。お、あったな。
う、なんやこの人垣は。中に入れないやないか。
もういい、あとはイキナリどっかに入るしかないな。
よし、ここに突入だ。
“Bardulia” に入店。
Hola.
Hola.
次郎はタパスを見つつ、奥の席を確保した。これで良しと。
さてと、おい、おやじ、サングリアと、ししとうの炒め物、それと、アーティチョーク串、イワシとオリーブの串、タコのガリシア風串を頼む。
Si.
あまり愛想のないおばはんが持ってきた。
しかし、味とは関係ない。アーティチョーク、やはりうまいな。タコもなかなかだ。そして、トウガラシとオリーブの串、これはどこで食べてもうまいな。
そして、ししとうが運ばれてきた。
来た。さっきは細かったからな。どらどら。うーん、まぁ悪くないが、普通だな。シンプルで食べやすい。
おい、会計頼む。
Si, 19€ Perfarvore.
ほらよ。カードでな。
さてと、このままでは終われんな。最後に一杯チャコリを飲んで帰るか。
そう呟くと、次郎は最初のBar Atari の方へ歩き出した。
流石に混雑してるな。
よし、ラストはここだ!
"Casa Alcalde"
お洒落な雰囲気だ。
活気のある店内。さっきの店とは違うな。
うまそうなタパスだ。しかしもう食えん。
よし、兄ちゃん、チャコリくれ。
Si.
店員の兄ちゃんが豪快にチャコリを注ぐ。こぼれまくっとるやないか!まぁいい。それも文化だ。
このガスパチョももらうぜ。
次郎は目の前にあったガスパチョのタパスをひっ掴み、タパスとチャコリを交互に飲んだ。右肘左肘を交互に見た。
ふー。うまかったな。チャコリは結構強い。
おい、兄ちゃん会計頼む。
6.5€ Perfarvore
ほらよ。釣りはいらねーよ。
次郎は7€を手渡した。初めてのことだった。
これで新しいペーパーナプキンでも買いな。
そう呟くと、次郎は颯爽と店を出た。
天気は相変わらず悪い。
しかしすがすがしい…いや、この時期キヨキヨしいだな。クククッ。
次郎は独りごちた。
夜風に当たりながら、ラコンチャ海岸沿いのホテルへ向かって歩いて行った。
サンセバスチャンの夜風は次郎の頬を優しく撫でた。
続く。
@全てサンセバスチャン旧市街
Atari Gastroteka
リゾット超お勧めのお洒落バル。②で紹介したSirimiri と姉妹店。味も抜群。
3.7次郎
Bar txepetxa
イワシの専門タパス店。店員の愛想がめちゃいい。イワシをいくつか食べたらそれでいいかな。
3.5次郎
Bardulia
あまりお勧めしない。味は悪くないが普通。サービスも普通。店内が広い。
3.3次郎
Casa Alcalde
お洒落なタパスバル。種類豊富で活気ある。ほとんど食べてないがきっとうまい。
3.6次郎