函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

味仙 台湾ラーメン

いつになく次郎はソワソワしていた。

 

ふん、名古屋と言えば手羽先、味噌カツ、櫃まぶし。この3種の神器だ。

 

しかーし、俺が誘われているのは、そんなトーシローの王道メニューじゃねぇ。名古屋は今台湾ラーメンなんだ。

そして、ここ、台湾ラーメンの中でも最も勢いのあるチェーン店味仙。今夜はここで一戦交えるぜ。

 

次郎は長い長いブレスとドローインを行い、姿勢を整えた。道すがら、不審な顔をして次郎を振り返る人々。

 

ふっ、愚民どもには俺の内在的な筋トレなどわかるまい。いいのだ、知らなくていいことも世の中にはたくさんある。それがお前らの幸せというものよ。

 

次郎は北斗の拳の羅王を意識した。

 

そんなことはどうでもいい。あじせんはどこだ!?

 

おお、ここだな。次郎は名古屋は矢場町の味仙に到達した。

 

ガラガラ♪

 

くっ、広いな!そして、なんだ中国人かっ!23時だというのに活気がありすぎる!

f:id:hidekinghenry:20170123125701j:image

店内をよく見回すとミセンとあった。

ふん、まぁいい。店の名前など小さきことよ。

 

羅王を意識した。

 

おい、店員!

次郎は手を挙げた。

 

ハイ。

中国人のイントネーションだった。

 

台湾ラーメン、野菜炒め、ミニチャーハンだ。

速やかに頼むぞ。

 

フー。次郎はロングブレスを意識した。

 

ハイ。

 

なんだハイしか言えんのか!

まぁいい。さぁ行け、名も無きものよ!

 

スー、フーーーー、

フーーーー、スー

 

次郎は目を閉じてロングブレスを意識した。

 

スー、フーーーー、

フーーーー、スー、

 

 

ハイ、オマターセシマシター♪

突如沈黙は破られた。

 

 

次郎はゆっくりと目を開けた。

f:id:hidekinghenry:20170123130135j:imagef:id:hidekinghenry:20170123130141j:imagef:id:hidekinghenry:20170123130213j:image

なかなかのボリューーーーー、スー、

だ。フーーーー。

 

すでに23時を回っているが…

えい、ままよ!

 

次郎はラーメンの麺を持ち上げた

f:id:hidekinghenry:20170123130336j:image

フーフー。風を送り、ズルズルッ!

勢いよく吸い込んだ!

 

 

がはっ、ごほっ、こほっ、ごほごほっ!

 

か、辛い!

辛いゾーーーーー!!!

 

唐辛子が半端なかった。

か、辛い!!

何口かトライするものの、なかなか吸い込めない次郎。こんな辛いラーメンは初めてだった。むしろ痛かった。真冬だというのに、汗が頭から噴き出した。

 

くっ。とりあえずチャーハンと野菜炒めだ。

むしゃむしゃっ。

ふー、まだラーメンの辛さが残っていて、熱いものがすべて辛く感じてしまうものの、チャーハンも野菜炒めもうまかった。

 

メニューをよく見ると辛さ抑えめのアメリカンなるメニューもあった。

f:id:hidekinghenry:20170123130500j:image

ふ、こんなトランプもどきに負けてたまるか。中国はアメリカを倒すはずだ。ならば俺はその中国を倒してやろう。

かっかっかっ!

高らかに宣言し、次郎はふたたびラーメンをかっこんだ。

 

ズルズルッ

 

がはっ、かっ、ごほっ、ゴホゴホっ!!、、、

 

だめだ、歯が立たん…

気がつくと次郎は、泣いていた。

 

敗北とはこのことを言うのだろうか…

今日の日のこと、忘れないこととしよう。

チャーハンと野菜炒めを食べ、台湾ラーメンを残した。

 

 

名古屋の戦いはあっけない幕切れとなった。

会計を済ませ、次郎は外に出た。

外気は店内の熱気が嘘のように冴え冴えとしていた。

 

スー、フーーーー、

フーーーー、スー、フーーーー…

 

 

次郎のロングブレスなため息だけが街を白く覆っていた。

 

 

続く。

 

f:id:hidekinghenry:20170123131206j:image

台湾ラーメン味仙@名古屋矢場町

台湾ラーメン。辛い!うまいけど、辛すぎて食えん。次はアメリカンしかないかと。保険で頼んだチャーハンも絶品でした。

 

3.3次郎