函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

新白河 ラーメン 新白河

f:id:hidekinghenry:20190909203435j:image

次郎は新白河駅にいた。

前日まで白河地方でフィールドワークがあり、今日はその帰り。駅に唯一あるラーメンと蕎麦の店に昼飯を求めて入ったのだった。

実はこの店で食べれる白河ラーメンがうまいと寝屋川に聞いていた。なぜ寝屋川が新白河駅にいたのか不明だが、人にはそれぞれの事情があるだろう。次郎は、駅に一店舗しかないこの店に入った。

 

いらっしゃいませ〜。

ラーメン。それとカレー小ね。

はい、かしこまりました。

カウンターが七、八席。先客はみなラーメンを食べている。

 

やはりラーメンか。

次郎はセルフで注いだ水をがぶ飲みし、二杯目を飲んで、一息ついた。

 

ふう。まだまだ暑さが残るな。

次郎が三杯目を注いだ時、ラーメンとカレー小が着弾した。

 

お待たせしました。

ゴトリ。

f:id:hidekinghenry:20190909203520j:image

来たな。
f:id:hidekinghenry:20190909203435j:image

ほお、見事なクリエティブ。カレーは普通か。

どれどれ。
f:id:hidekinghenry:20190909203530j:image

ズズズ。

次郎はスープを啜った。

お、これはクッキリ鮮やかな醤油味。濃いめの味が食欲をそそる。

f:id:hidekinghenry:20190909203527j:image

麺は細麺だな。

ズルズルッ、ズルズルッ。

ちょうどいい柔らかさ。侮っていたが、本格派のラーメンだ。

f:id:hidekinghenry:20190909203516j:image

おお、シナチクが太い。これもまたいい。

チャーシューは、小さめだが、うまそうだな。
f:id:hidekinghenry:20190909203523j:image

適度な歯ごたえとホロホロ感。こりゃやられたぜ寝屋川よ!

 

ズルズルッ。

ズルズルッ。

ズズズズー。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、

ズズズズー。

 

ズズズズー。

ふぅご馳走さん。

あ、カレーを食い忘れていたな。

むしゃむしゃ。

むしゃむしゃ。

武者武者。

むしゃむしゃ。

 

ゲフッ。

さてと、ご馳走さん。

いくら?

900円です。

 

ほらよ。釣りはいらねーぜ。新しい割り箸でも買いな。

次郎はキッチリ900円をカウンターに叩きつけた。

 

さてと、そろそろか。

次郎は改札をすり抜け、階段を上がってホームにでた。

午後の日差しがホームの次郎に照りつける。

東北ではあるが、新白河はまだまだ暑いな。

次郎がそう独りごちた頃、新幹線の二つの目の光が見えてきた。

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20190909203435j:image

新白河新白河

新白河駅構内のラーメン蕎麦屋。しかし、侮るなかれ、本格的な白河醤油ラーメンが食べれる。なかなかの味。

3.4次郎

 

 

弐代目にぼshin. ラーメン 弘前

f:id:hidekinghenry:20190907201646j:image

ここか…柳沢ご推奨のラーメン屋は。

次郎は弘前から黒石に向かう途中、シニアアソシエイツの柳沢に勧められたラーメン、弐代名目にぼshin.に来ていた。

 

チェーン店ぽいな…ほんとにうまいんだろうな?ああ?

まぁ車は結構停まってるな。しゃーない、入るか。

次郎は車を停めて店に入っていった。

カランコロン♪

 

はい、いらっしゃい!

食券をどうぞ!

 

言われなくてもわかっとるわ!

さてと…ふーむ、ここは、やはり煮干しだよな。

うーむ、にぼ中だな。定番のようだ。

よし、780円だな。

ポチ。

 

さてと。

次郎は空いてるカウンターに座った。

f:id:hidekinghenry:20190907202426j:image

メニューがカウンターにも置いてあるな。お代わり用か?ああ?

 

お水どうぞ。

水を渡され、次郎は一気に飲み干した。

あ、どうぞ。

さらに一杯。

それも一気に飲み干した。

ふぅ。

飲まれます?

あたぼうよ、小娘。

どうぞ。

ぐびぐびっ!

次郎は3杯目の水を飲み干した頃、件のにぼ中が着弾した。

 

お待ち。

f:id:hidekinghenry:20190907201646j:image

ほう。うお!

ぷんと薫るにぼしのスープ。強烈だ。

どれ。
f:id:hidekinghenry:20190907201632j:image

ずず。ふぉ、やはり、凄い煮干しだ。しかし、意外としつこくない。グイグイいけてしまう。こりゃいけるかもしれん。

麺は?
f:id:hidekinghenry:20190907201642j:image

たまご麺か、縮れ具合はそうでもないが、俺の好みだ。

ズルズルッ!

ほう。なかなかうまいぞ。


チャーシューもうまそうだ。

どら。

次郎はチャーシューを頬張った。

ほう、結構野生的。しかし柔らかく食べやすい。煮干しの濃いスープとコラボするとより旨みが増す。こりゃいい。

 

ズルズルッ。

ズズズズー。

 

柳沢め。なかなかやるな。

 

ズルズルッ、

ズルズルッ。

ズズズズー。

 

ズズズズー。

 

ズルズルッ。

 

ズズズズー。

 

ゲフッ。

ふぅ食ったな。やはり煮干しがきついから満足感があるな。

 

さてと。

またな。

 

ありがとうございましたー。

コロンカラン♪

 

ふぅ。やはり煮干しのにおいがきついぜ。

外気は涼しいな。ラーメンを食ったばかりなのに。

バタンッ。

次郎は車に乗り込んだ。

 

ブロロロロー♪

次郎の車は黒石方面に消えていった。

秋を感じさせる涼しい風が、車とともに吹き抜けていった。

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20190907201557j:image

弐代目にぼshin.@弘前

チェーン店ながらあっぱれ。煮干しのにおいはきついが味はクッキリとしてスッキリ。なかなかうまい。

3.4次郎

 

 

もりや商店 海鮮丼 浅虫温泉

f:id:hidekinghenry:20190905113916j:image

爽やかな海風が次郎の車内を吹き抜けた。

海沿いの県道を走る次郎。浅虫温泉駅を越え、少し半島のようになっているところを奥に進んだ。

 

今日次郎は浅虫温泉地方で朝からフィールドワークをこなしたあと、弘前方面に帰る途中、海沿いにある海鮮丼の店に向かっていた。

 

そこでは、ホタテやウニが生で食えるとのこと。行かない手は無かった。

 

お、ここだな。この旗のところか。

f:id:hidekinghenry:20190905113948j:image

次郎はそばに車を停めた。

道を挟んで同じ店がある。手前に件の店、もりや商店はあった。

奥にいる店主らしきオヤジに声をかける。

 

やってるかい?

はいよ。

どこでも。

 

どこでもどーぞだろうが?あ?津軽地方の男は皆ぶっきらぼうだ。

ふん、まぁいい。郷に入っては…だ。

次郎は独りごちた。

 

次郎は海沿いの小上がりに座った。
f:id:hidekinghenry:20190905113919j:image

窓の外はすぐに陸奥湾だ。
f:id:hidekinghenry:20190905113923j:image

さてと。

メニューを見る次郎。

f:id:hidekinghenry:20190905114151j:imagef:id:hidekinghenry:20190905114131j:image

ほうほう。ウニは苦手なんだよな…ここはやはり…

 

おい。

はい。

 

このイクラとホタテの二色丼を頼む。それと、ホタテの貝焼き一つ。

 

はいよ。

オヤジは奥に引っ込んでいった。

 

次郎はしばらく海を眺めた。

音もなく静かだ。

この夏一番静かな陸奥湾…ってか!

お待たせしました。

 

次郎の独り言を遮るように料理が着弾した。

 

二色丼とホタテ焼きです。
f:id:hidekinghenry:20190905114126j:image

ふぉ、さすが遮るだけのことはあるな。
f:id:hidekinghenry:20190905114200j:image

素晴らしいビジュアルじゃないか。f:id:hidekinghenry:20190905114141j:image

ホタテもうまそうだ。

まずはホタテからだな。

f:id:hidekinghenry:20190905114156j:image

くお、でかい、分厚い!

次郎は徐ろにホタテを頬張った。

ジュワ♪

ふほ、ホタテ汁と醤油が口の中に溢れ出す!なんじゃこりゃぁあ!

うまいぜ。磯の香りが海を感じさせる。こりゃたまらん。

 

そして、真打の丼はどうだ?

次郎はわさびを醤油皿に置き、醤油とかき混ぜた。そして、それを丼にたっぷりとかける。

 

完了だ。

 

では。

次郎はイクラとホタテをダブルでうまく掴み、口に運んだ。
f:id:hidekinghenry:20190905114205j:image

ふほほ!柔らかい、新鮮でうまい!イクラが弾けとび、ホタテはなんとまろやかな。こりゃうまいぜ。

 

はむはむ。

どれ、もう一口。
f:id:hidekinghenry:20190905114146j:image

ふほほほ!

こりゃたまらん!海の爆弾が口内で炸裂している。この分厚い私の防護壁の中でホタテとイクラが踊っている。

 

むしゃむしゃ。

はむはむ。

 

パクパク。

むしゃむしゃ。

 

ふぅ、あっという間だな。

 

ズズズ。

次郎は締めに味噌汁を啜った。

ふぅ、やはり海鮮丼には味噌汁だな。

 

ゲフッ。

いやー、ごちそうさんっと。

 

おい、オヤジ会計だ。

はい。

 

2250円です。

ほらよ。釣りはくれてやる。それでウニを取る手袋でも買いな。

 

次郎はキッチリ2250円をオヤジの手にねじ込んだ。

 

ふぅ。

食ったなー。こりゃいいフィールドワークだったぜ。

バタンッ。

次郎は車に乗り込んだ。

 

ブロロロロー♪

次郎は陸奥湾の海岸を後にした。

 

キラキラと穏やかな海面が午後の陽光を浴びて輝やいていた。

 

続く。
f:id:hidekinghenry:20190905113916j:image

もりや商店@浅虫温泉

豪快な海鮮丼で有名。海に面して立つ小上がり。味は確か。浅虫温泉に行ったら寄りたい。

3.5次郎

ミートソルジャー ステーキ屋 弘前

f:id:hidekinghenry:20190904215154j:image

ん??

なんだこりは!!

ミートソルジャー!!ソルジャー!?

 

次郎は弘前から黒石に向かって車を転がしていた。その途中、喫茶店のような店構えの店を見つけたが、車で通り抜ける最中、チラリと目に入ったソルジャーの文字。

 

飯屋でソルジャーだと!?

 

よし、引き返そう。

次郎は車をユーターンさせた。

 

ふ、俺をユーターンさせるなんざ、大した野郎だぜ。次郎は店の前の駐車場に車を停めた。

f:id:hidekinghenry:20190904215021j:image

次郎は店に近寄ってよく見た。

 

f:id:hidekinghenry:20190904222452j:image

やはり、ミートソルジャー!間違いないな。

この図柄、西洋のソルジャーだ。

次郎はソルジャーという言葉に思い入れがあった。

 

東京で暮らしていたころ、広告代理店の友人がこう言っていた。

 

「私はギリギリソルジャーにならずに済んでよかったですよ、あんな部署に行かされたら、まさに、どぶ板営業のサラリーメンソルジャーですよ。」

 

そうか、ソルジャー、イコール兵士。兵士はすぐ死んでしまう。真っ先にやられてしまう過酷な存在。それは現代ではどぶ板を這い回る営業メンのことを指すのだ。次郎はそう悟った。そして、それは尊敬とともに恐怖の対象になったのだ。

以来、ソルジャーという言葉を聞いたり見たりすると、心がなんとも疼くのだ。

 

そして、今日、ミートソルジャーに過剰に反応してしまった。

 

えい、ままよ。

次郎は店に入っていった。

カランコロン♪

 

いらっしゃい。そちらどうぞ。

11時20分だと言うのに先客は3組。まもなく満席だ。カウンター奥では店主が一人で切り盛りしている。ステーキの鉄板が五枚置かれて大忙し。店主は今まさにソルジャーになろうとしていた。

 

クククッ。やるな店主。

次郎はほくそ笑んだ。

 

次郎は先につき、メニューを見た。なんと昼はドリンクが飲み放題。もちろんファミレスのような機械はなく、デキャンタにカルピス、オレンジジュース、ウーロン茶、アイスティーが綺麗に並べられている。これも店主ソルジャーが入れ替えるのか。

 

大変だな。死ぬなよ。

次郎は独りごちた。

 

しかし清潔で。なかなかいい店だな。

 

さてと、

f:id:hidekinghenry:20190904220634j:image
f:id:hidekinghenry:20190904220637j:image

メニューにもソルジャーの紋章が。泣けるぜ。

うーむ、いろいろ気になるが…ここは。

 

おい、店主。

すいません、少々お待ちください。

 

店主は五枚の鉄板にステーキを盛り付け大忙し。盛り付け終わると、それをテーブルに運び、再び、サラダとライスを五枚ずつ準備。更にそれを同じテーブルに運んでいる。

次郎は店主ソルジャーに声を掛けること躊躇った。

 

はい、お待たせしました。

多少息が上がっている店主ソルジャー。

 

あ、いや。いいんだ。

自然と優しくなる次郎。

 

では、ランダムカットステーキとハンバーグのセットに、カレーライス単品で。あ、あと目玉焼きをハンバーグに。

 

はい、かしこまりました。

店主ソルジャーはそう言うと、そそくさとキッチンにもどり、ハンバーグのパテをこね始めた。

 

ペタペタ♪

 

ペタペタペタペタ♪

 

ペタペタペタペタ♪

 

おーい、お会計お願い。

こっちも会計。

 

は、はい。お待ちください。

他の客の会計が運悪く重なる。

 

パテを一度おき、パテソルジャーから会計ソルジャーになる店主。

そして、それを済ませ、手を洗い、再びパテに空気を入れるパテソルジャー店主。

 

ジュワー♪

良い音が聴こえてくる。

その間にカットステーキを焼く店主。

ジュワワー♪

ふむ、良い音だ。

次郎の胸は膨らんだ。

 

 

はい、お待たせしました。

 

おお、来たか。次郎は通常なら水をがぶ飲みするところだったが、ソルジャーのベトナム戦争のゲリラ戦のような激しさに、水を飲むのを忘れていた。

f:id:hidekinghenry:20190904215226j:image

おお、なかなかのビジュアル。

ボリューミー。さすがソルジャー飯だ。

f:id:hidekinghenry:20190904215028j:image

サラダもシャキシャキだ。ドレッシングも玉ねぎが効いてうまい。やるなソルジャー。

f:id:hidekinghenry:20190904215241j:image

カレーもうまそうだ。昔ながらのポークカレー。

次郎は一口頬張った。

 

うう、うまい。懐かしい味。泣けるぜソルジャー。

 

そして。

f:id:hidekinghenry:20190904215154j:image

なかなかのクリエイティブ。

目玉焼きトッピングは正解だな。

次郎はテーブルに用意されたステーキソースをかけた。
f:id:hidekinghenry:20190904215016j:image

うまそうだ。

どら。

次郎はステーキを頬張った。

ほお、ステーキソースが甘辛く、肉も柔らかいじゃないか!

こりゃいい。ナイスソルジャー!

むしゃむしゃ。

 

そして、ハンバーグは卵の黄身を破ってだな。
f:id:hidekinghenry:20190904215025j:image

ふほ、いい感じだ。

 

ほお!ぎゅっとしたパテから出る肉汁がたまらん。半熟卵の黄身と相性抜群だ。

 

むしゃむしゃ。

こりゃ、ソルジャーにとっては最高のご褒美だな。

 

むしゃむしゃ。

 

むしゃむしゃ。

 

ぐびぐび。

次郎はカルピスを何年かぶりに飲んで、その感動に浸るとともに、肉を胃袋へ流し込む。

 

ぐびぐび。

 

むしゃむしゃ。

 

むしゃむしゃ。

 

ふう。なかなかのボリューム。しかし、これからカレーだ。

むしゃむしゃ。うまいな。ポークが柔らかく美味。

 

むしゃむしゃ。

 

むしゃむしゃ

 

ぐびぐび。

 

ふー。

 

ぐびぐび。

 

むしゃむしゃ。

 

むしゃむしゃ。

 

ソルジャーのように一心不乱に食べ続ける次郎。

 

むしゃむしゃ。

 

ゲフッ。

ごちそうさんっと。

 

おい、店主。

はい。

会計頼む。

 

はい、1630円です。

安いな。さすがソルジャー飯だ。

 

ほらよ、釣りはいらねぇよ。これで新たなバイトソルジャーでも雇いな。

そう言うと、次郎は店主の手にキッチリ1630円をねじ込んだ。

 

ありがとうございましたー。

コロンカラン♪

 

ふー。なかなかいいソルジャーに出会ったぜ。

ここはたまに顔出すかな。店主ソルジャーに敬意を込めてな。

はは。

 

次郎はなんだか気分が良くなっていた。

車に乗り込むと、いそいそと黒石方面に車を発進させた。

 

9月も初旬。外気は爽やかな空気。いつのまにか秋が忍び寄っていた。

 

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20190904215309j:image

ミートソルジャー@弘前

名前が気に入った。ソルジャーとは、都会ではどぶ板営業をこなすサラリーメンのことを言う。特に生保や証券会社だ。そんな彼らに捧ぐステーキ、まずい筈がない。と次郎は独りごちた。甘辛のステーキソースがうまい。肉も固くないし、ハンバーグもカレーもみんないける。街のステーキ定食屋。コスパ良し!行け、ソルジャー!!

 

3.35次郎

 

 

 

スパイスポスト④ カレー 代々木公園

f:id:hidekinghenry:20190821202911j:image

ため息の出るビジュアルだ…

次郎は独りごちた。

 

時刻は11時45分。昼どきのほんの少し前。次郎は代々木公園駅の1番出口から出たすぐのところにあるスパイスポストというカレー屋の前にいた。

 

来てしまった。何ヶ月かすると無性に食べたくなるカレー。待ち人が3名1組。すぐに案内されるだろう。

次郎は外の椅子に座り待つことにした。待つこと5分、どやどやと先客が出てきた。

 

お客様、どうぞ。

おう。

次郎は入口手前のカウンターに座った。特別カレーは売り切れていたが、ポーク、キーマ、チキンも3種類とも残っている。

 

じゃ、3種類ので。ご飯のサイズはMで。

はい、かしこまりました。

 

前金で1350円になります。

そうだった。ここは前金だったな。

次郎は釣りはいらねぇとも言えず、キッチリ1350円を店員の掌に乱暴にねじ込んだ。

 

はい。ありがとうございます。

カウンターさん、オール、お代済でーす。

3種類はオールというらしいな。まぁいい。

次郎は前に置かれた水差しから置かれたグラスに水を入れ、立て続けに2杯飲んだ。3杯目を入れた頃、カレーが着弾した。

 

はい、お待たせしましたー。3種のカレーです。チキンのルーはお代わりできますので言ってください。

そうだった。それはなかなか太っ腹。毎回思ってしまう。

f:id:hidekinghenry:20190821203005j:image

く、やはり、見事なクリエイティブ。溜息の出るビジュアルだ。今日のポークはイエローカレー。ココナッツの甘い香りが漂う。

 

どれ。
f:id:hidekinghenry:20190821202949j:image

ほう!ほんのり甘い。しかしスパイスの味は後からついてくる。なんとも言えない味。うまいな。

f:id:hidekinghenry:20190821203001j:image

生卵を潰し、ひき肉を掬う。

ぐ、うまい!キーマはやはり、うまい!

肉のスパイシーな辛さがカレーと恐ろしくマッチする。そして、薄く切られたラッキョが素晴らしい清涼剤。

 

そして、王道のチキンだ。
f:id:hidekinghenry:20190821202954j:image

くお、この強烈にとんがった味のチキンカレールー。ルールルルル。うまい!

このとんがった味がたまらない。これがお代わり自由とは…贅沢だ。

 

いやー、うまい。

むしゃむしゃ。

むしゃむしゃ。

いやー、うまいなぁ。

むしゃむしゃ。

むしゃむしゃ。

 

ふぅ。ご馳走さんっと。

 

では、また来るぜ。

毎度ありがとうございまーす。

 

ふぅ。スパイスが効いてきたな。

次郎はうっすらと汗をかいていた。

 

次は神保町だな。

次郎はそう呟くと、千代田線の地下に消えていった。

 

まだまだうだるような暑さの続く東京。

ガタンゴトンと、電車の通り過ぎる音が、代々木の裏通りに響いていた。

 

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20190821214253j:image

スパイスポスト@代々木公園駅

とにかくビジュアルが見事。そして、うまい。

キーマが1番うまいか。溜息が出るクリエイティブをどうぞ。

3.7次郎

 

 

和寿(かず) 寿司屋 赤坂

f:id:hidekinghenry:20190819214454j:image

次郎は赤坂にいた。

今朝は久しぶりにゴッドハンドの施術を受け、体の軽くなった午後一時。

 

ギュルルルー♪

むぅ、腹も減ってきたな。

次郎は独りごちた。

 

と言ってもなぁ。會水庵は混んでるし…

ん?肉吸い…

f:id:hidekinghenry:20190819214718j:image

大阪だよな肉吸いは。千円か…行ってみるか。

次郎はビルに入って二階に上がった。

和寿とあった。

かず…か。

和食屋か。

 

グイ♪

いらっしゃいませ。

一人だ。

カウンターどうぞ。

静かな店内。店主は何やら忙しく仕込み中。奥さんのような雰囲気の女将が注文を聞きにくる。

f:id:hidekinghenry:20190819215024j:image

やはり肉吸い定食かな。

肉吸い定食を頼む。

はいよ。

 

次郎はカウンターに置いてある麦茶をがぶ飲みしながら、肉吸い定食の食べ方を読んだ。
f:id:hidekinghenry:20190819215006j:image

なるほどね。ぶっかけるのか。要は。

 

はい、サラダです。
f:id:hidekinghenry:20190819214950j:image

おお、きたな。

和風ドレッシング。まぁ普通だが、悪くない。

 

はい、お待たせしました。肉吸いです。

食べ方ご覧なってください。

ふん、もう読んだがな。
f:id:hidekinghenry:20190819215041j:imagef:id:hidekinghenry:20190819214454j:image

なかなかのビジュアル。

f:id:hidekinghenry:20190820134150j:image

どれどれ。ズズズッ。

ほう。意外とアッサリクッキリなスープだな。うまいが、まさにスープだな。

 

とりあえず、掛けてみるか。

次郎は卵を白飯にそのまま落とし、スプーンで肉吸いを掛けた。
f:id:hidekinghenry:20190819215010j:image

お、いい感じだな。
f:id:hidekinghenry:20190819215031j:image

たくさん掛けてと。
f:id:hidekinghenry:20190819215000j:image

どれ。

ズルズルッ、ズズズズズ。

おお、たしかに雑炊みたいでいいかもしらん。

生卵がいいな。

 

ズズズズッ。

さらにの載せて、と。

f:id:hidekinghenry:20190819215019j:image

いい感じだ。

ズズズズ、ズズズズー。

なかなかいいぞ。

 

ズズズズー。

 

ズズズズー。

 

ふぅ。うまかったな。

よし、会計頼む。

はい。ちょうど1000円です。

 

ほらよ…

 

ピッタリか…ちっ。

グイ♪

 

ありがとうございましたー。

うお、すごい湿度だな。

 

さてと、どこにいこうか。

 

次郎は、蒸し暑い外気を潜り抜け、地下鉄赤坂駅の階段を下っていった。

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20190821001509j:image

和寿@赤坂

夜は寿司屋。昼に肉吸いを出す。スッキリとした味。バリエーションの一つとして。

3.3次郎

 

 

 

武蔵屋 ラーメン 武蔵境

f:id:hidekinghenry:20190813123525j:image

あぢ〜な〜。

次郎は8月の暑い日、武蔵境駅にいた。以前から教授に尋ねるように言われていた人物に会うためだった。

 

武蔵境駅吉祥寺駅から二駅。次郎は高校生の頃一時期この辺に住んだことがあり、土地勘があった。

新宿から快速で20分もかからない都会のベッドタウンの一つだ。吉祥寺にも近いため割とアッパー層が住んでいる。

そばには亜細亜大学都立武蔵高校などがあり学生も多い。

 

つまり、ラーメン屋も多いということだ。

 

 

この辺は変わったような変わってないような…しかし、やはり懐かしい風景だ。

 

あったあった。

f:id:hidekinghenry:20190813124213j:image

駅を降りると目立つところに家系ラーメン武蔵屋があった。

 

時は昼。他に当てもないしな、入るか。

ガラ♪

おお、さすが昼時、混んでるな。

次郎食券機に並んでいると、突如厨房の女将から、声をかけられた。

 

お兄さん、決まってる?

 

あ。お、おう。んー、ラーメン並。ほうれん草盛り…あ、いや全部盛りで。

 

はいよ。お金はカウンターでいいよ。

お、おう。

 

次郎は機先を制される形で注文を頼み、カウンターに座った。

 

ふぅ。

次郎は早速左後方にあるウォーターマシンから水を奪い取った。続けざまに二杯飲むと、三杯目をたっぷり注いで再び着席した。

 

隣の学生を見ると、イヤホンを耳に突っ込んでラーメンと無料のライスをかきこんでいた。

 

学生さん…羨ましいぜその旺盛な食欲。学生さん…

 

次郎は物思いに耽る、まさにその時、ラーメンが着弾した。

 

お待ち。

f:id:hidekinghenry:20190813124908j:image

うお、来たな。こりゃボリュームあるな。

f:id:hidekinghenry:20190813124938j:image

ズズ。

うむ、正統派な家系スープだ。

しかし、海苔とほうれん草が多いな。麺が掴めん。

f:id:hidekinghenry:20190813125031j:image

短めの中太麺だな。家系ならでは。しかし、ほうれん草が多いな。ははっ。

 

ズルズルッ。

固めで、スープとの相性もいい。グッドだ。

f:id:hidekinghenry:20190813125141j:image

チャーシューも分厚くボリューミー。味もシツコクなくてちょうどいい。

 

ズルズルッ

ズルズルッ

 

ズズズ。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、ズズズ。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、

 

よし、家系は味変が肝心だ。

次郎はカウンターにあった豆板醬を投入した。

f:id:hidekinghenry:20190813125336j:image

次郎はそれをチャーシューをビート板代りにして、スープに溶かしこんだ。

スープが赤く染まった。

 

ズルズルッ。

ほほ、辛いな。そう来なくちゃな。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、

ズズズー。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、ズルズルズルー。

ズズズ、ズズズズズズー。

 

ゲフッ、ご馳走さんっと。

満足だ。

 

ふと隣の学生さんを見ると、まだラーメンは半ば。しかし、彼は席を立つと、再び無料のライスを盛った。

 

が、学生さん…俺も昔は無料ライスを三杯はかきこんだもんだ。

 

学生さん…

次郎は独りごちた。

 

よし、会計だ。

1000円ね。

ほらよ。

次郎は1000円をカウンターに叩きつけた。

 

ピタリ賞か…

幾分残念そうに次郎は店をでた。

ラガ♪

 

あぢ〜。

照りつける太陽が強烈だな。それでこそ夏だな。

 

次郎は武蔵境駅を後にした。

 

続く。

f:id:hidekinghenry:20190813132235j:image

武蔵屋@武蔵境

正統派家系ラーメン。コスパよく、ボリューム有り、なかなかいける。

3.3次郎。