函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

タージマハル 石和温泉

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ほうとう以外になんもねーのか?あぁ?

次郎は切れた。

 

次郎は昨夜石和温泉にきていた。そこで入ったほうとうの店。金曜19時。広い店内に客は次郎のみ。しかし、アルバイトの中国人女性留学生に無駄に切れる先輩日本人女性。

 

嫌なものをみせられたぜ。

ほうとうの味も忘れちまったな。

次郎は独りごちた。

 

さてと、今夜はどーするか…グルメサイトを見てもあまり良さそうなものはなかった。

 

次郎は仕事できていたデパートの従業員に聞くと、皆口を揃え、タージマハルがいいと言う。

 

なんだそりゃ?インド料理か?あぁ?

と聞き返すと、

カレーですよ。カレー。美味しいんですよ。

 

次郎はそんな会話を思い出していた。

 

しかし、わざわざ石和温泉でカレーか…まぁほうとうはもういいからな…

 

 

よし、行くか。

 

次郎はデパートを出て歩いた。甲州街道をひたすら歩いた。この道が東京まで続いてることがにわかには信じられなかった。

得てして偉業とはそんなものだ。普段使ってる者からすると当たり前にしか思えない。

すべての道は東京に通ず。

ってか!はは!

次郎の空笑いは甲州の空に空虚に響いて消えた。

 

 

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おぅ、ここだな。

店を見つけだした。

カランコロン♪

イラッシャリマセ♪

 

一人だ。

ハイ、コチラヘ。

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うお!誰だ!

焦るじゃねーか。壁一面サイババか!

 

ま、まぁいい。

席に着いた次郎。メニューを見た。

どれどれ。

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うまそうだな。多種類ある。

悩むな……

よし、ここはタージスペシャルセットだな。

 

おい、タージ兄!

ハイ!

 

このセットだ。

カレーは、チキンサイコルマ、サグマトン、さらにはキーマナスも追加だ!それとオニオンナンとガーリックチーズナン、あとはマンゴーラッシーもな!

ハイ!

 

ふー。

 

しばらくすると、つまみが運ばれてきた。

まずはこちらで。

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ん?なんだこりゃ。ナンの乾燥したやつか。

どれ。

んー、味がするよーなしないよーな。

なんかあと引くな。

 

ハイ、タンドリーチキンです。

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おお、うまそうだ。

独特の味だ。うまいな。

ボリュームもある。

 

ハイ、マンゴーラッシーとカレーセットです。

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おお!

なんと、綺麗な色合いだ。

 

ラッシーもうまい!!!

おかわりしたいな。

 

さてと、ナンはどーだ?

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おお、このオニオンナン、中にまでオニオンがぎっしりだ!やるな!

おお、うまい!

ボリュームはピザ級だな。

 

どれどれ、カレーはと…

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おお、この赤いキーマ、辛すぎず、味はしっかりしてて、旨味もある。スパイスも効いてる。サグマトンはほうれん草が柔らかな味を出してるな。チキンサイコルマはバターが効いてて優しくてうまい。

 

ガーリックチーズナンはどうだ?

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ほう、うまいな。ガーリックが効いてる。チーズもいい。これはチーズナンが当たりだったか…まぁいい。

 

ムシャムシャ

 

ムシャムシャ

 

ムシャムシャ

 

ムシャム…

 

ダ、ダメだ、俺としたことが!

ナンのボリュームがあり過ぎてもう食えねー。

 

ナンを二つ頼んでる場合じゃなかったな。

 

おい、兄さん、ラッシーお代わり!

ラッシーは別腹だな。ははっ!

 

ハイ、ラッシーです。

早いな!ユリオカ超特急か!

 

???

インド人はハテナ顔をした。

 

ふん、ど阿呆め。

日本をもうちょっと勉強しやがれ。

次郎は独りごちた。

 

ゲフッ

 

もう限界だ。

 

 

おい、タージ、会計だ!

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いや、おまえじゃねーよ!

 

2200円です。

なに!あれだけ頼んでそれだけか!

コスパだな。

 

く、良い店だ。

次は腹と相談だな。

 

 

ほらよ、無駄銭はビタ一文払わねーぜ。

次郎はキッチリ2200円をレジに叩きつけた。

 

カランコロン♪

あ、暑い…

これはスパイスの仕業か、それともサイババの霊力か。

ま、どっちでもいいか。

 

次郎はにんにくの口臭を撒き散らしながら、石和温泉街に消えていった。

 

続く。

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タージマハル@石和温泉

石和はインド人が多いらしい。なぜかは不明。しかし、ここはうまい。カレーの種類が豊富。味もコスパもいい。

3.5次郎

 

 

 

 

 

ステーキテッペイ 六本木一丁目

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次郎は自転車を走らせていた。

渋谷から西麻布、西麻布から六本木、六本木から六本木一丁目。

上っては下り、下っては上った。

寄せては返す波のようにすり鉢状の都内を疾駆する次郎。何度目かの下り坂を下りたところで一息ついた。ふと見ると、That’s 東京 を絵に描いたようなビル群のど真ん中に何軒かの定食屋が並んでいた。

その内の一軒に目が止まった。

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ステーキテッペイ…か。

時刻は18:30。

早めの夜飯も悪くはないな。

良くもないがな。はは!

次郎は独りごちた。

 

ガラガラ♪

先客は白髪のオヤジが一人。

まだ早いからな。よしっと。

次郎はカウンターに座った。

 

いらっしゃいませ。

メニューです。

 

ほう。小綺麗な内装だ。第一印象は悪くない。

良くもないがな。なんてな!はは!

次郎は笑いを堪えた。

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さてと …ハラミステーキがうまそうだな。

む…いかん、ステーキよりもこのチーズハンバーグに惹かれちまう。

昨日もハンバーグだったのに。いかん。

 

おい、兄さん。

 

はい。

 

チーズハンバーグセットで。それとホワイトアスパラサラダもな。

 

はい、かしこまりました。

 

やってしまった。ステーキ屋に来たってのにハンバーグか。しかし、うまそうなビジュアルだったな。

 

まずはセットのサラダです。

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ぐ、これはまさか、このドレッシングは、オニオンガーリックドレッシング。幻の逸品だ。これをかけたら何でもうまいという伝説の…

いかんいかん、焦っては駄目だ次郎。

次郎は自分をたしなめた。

 

どれ。

ぐぉ、やはり、伝説のドレッシングだ。うまい。単なるキャベツが高級サラダに早変わりだ。

 

はい、アスパラサラダです。

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ぐお、でかい!

そして、このホワイトアスパラ、まさか…。

次郎は箸を入れた。

 

やはりそうだ!とろっとろだ。

そして、マヨネーズはかかっているものの、この伝説のドレッシングにつけて食べないわけがなかろう。

うまい!

これはサラダというよりアスパラです!

チョーヤのCMか!

 

はい、チーズハンバーグです。

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ぐお、焼けたチーズの良い匂い!

ビジュアルも写真以上だ。

おぉ、やはり少し固めで肉ぎっしり系だな。この周りの海のようなデミグラスもいい。

うまい!

熱い!

肉汁がデミグラスに溢れでて、それを一口に肉と併せて放り込む。まるで異種格闘技戦だ。

くそ、うまい!

とんだ店を見つけちまったな。はは!

 

ムシャムシャッ

 

ムシャムシャッ

 

うまい!

 

ムシャムシャッ

 

はぁはぁ。

すごいボリュームだった。

 

ゲフッ。

 

もう食えん。

おい、兄さん、会計頼む。

はい、3600円です。

 

まぁ肉もサラダもそれなりにボリューミーだからな。肉は質にこだわりアリだしな。次はハラミステーキだな。きっとニンニクの効いたソースなんだろう。期待できる。

 

ほらよ。

釣りはいらねーぜ!

次郎はキッチリ3600円をカウンターに叩きつけた。

 

まいど!

ガラガラ♪

 

ふぅ。

店を出た次郎。

今夜は冷えるぜ。

三寒四温。寒い日と暖かい日が繰り返す季節。まもなく春が訪れる。

 

春が訪れるのは東京だけか。それとも俺にも…

次郎は空を見上げて独りごちた。

 

しかし、霞んだ空の横にそびえ立つ高速道路の騒音に次郎の呟きはすぐにかき消された。

 

ふん。

再び自転車に乗った次郎。

寄せては返す車の群れを横目に次郎は大都会の藻屑と消えた。

 

続く。

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ステーキテッペイ@六本木一丁目

割と値の張るステーキ定食屋。だがうまい。サラダにかかる魔法のオニオンガーリックドレッシング。これは病みつき。少し豪華な独り飯にはもってこいの店。

3.6次郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Spice Post 代々木公園駅

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お!まだ営業中か。行ってみるか。

 

気になっていたカレー屋。そこは夜は別の店が営業するため、昼しかやっていない。15時までの営業というものの、ほぼ13時頃には売り切れてしまう。

 

次郎は店のfacebookで営業中を確認するや否や家を飛び出した。

こりゃついてるぜ!

 

千代田線に乗り、代々木公園駅を代々木八幡側の出口から出ると、すぐ目の前左手に富ヶ谷倶楽部という赤い大きな看板が見えた。そこが件のカレー屋Spice Postだった。

 

カランコロン♪

いらっしゃいませ!

元気のいい声が響く。

14時ということもあり、先客は2人。次郎は奥のカウンターに腰かけた。

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なるほど、シンプルなメニューだ。キーマがうまいと聞いたが…

 

お客様、本日はメニューにないラムカレーがありまして、注文頂いてから焼きます。限定なのでよろしければ。インド風ポテトサラダ付きで1150円です。

 

ほう。そこまで言われたら…キーマも気になるが、よし、じゃそれ頼む。ご飯は小で。

 

はいよ!

前金でお願いします。

 

お、おう。

次郎はキッチリ1150円手渡した。

前金だと調子が狂うな。

 

 

後から入店したおばはんがチキンカレーを頼む。650円です。

安いな。ラムはほぼ倍か。まぁいい。

 

 

はい、お待たせしました!

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おお!いいビジュアルだ!

盛沢山だな。ラムもうまそうだ。

どれどれ。

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ほう、ルーはシャビシャビ系だな。スープカレー好きにはたまらんな。

熱っ!

熱くてうまい。

コクと旨味が効いているな。

ラムはどうだ?

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ほう、作りたてで熱々だ。うまいじゃねーか。柔らかい。カレーに合うな。

このポテサラはどーだ?

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おぉ、いい感じで酸っぱいな。口がサッパリするぜ。

 

お客さん、ご飯は400グラムまで、チキンカレールーも付ぎ足しできますんで言ってください。

 

なに!ルーまでいいのか!!

く、これはかなりの誘惑だ。

 

 

 

兄さん、ご飯100グラムとルーの付ぎ足し頼む!

はいよ!

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おお!やはり、いい色だな。はは!

次郎のテンションと体温は上がっていた。

 

うーむ。うまいな。このシャビシャビ感たまらない。

 

 

ゲフッ

 

結局白飯300グラムいっちまったな…完敗だよ。

ご馳走さん。

 

ありがとうございます!

また是非!

 

おう、またな!

次はキーマだな。

 

カランコロン♪

店を出た次郎。うっすらと汗をかいていた。

さすがはスパイスだ。とはいえ、東京もだいぶあったかくなったもんだ。

次郎は周囲を見回した。

 

ここは昔良く仕事できたっけな…懐かしいぜ。

次郎は独りごちた。

 

 

さてと。

次郎はコートを脇に抱えたまま、地下鉄を降りていった。

 

続く。

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Spice Post @ 代々木公園駅

最近話題のカレー屋。シンプルなメニューだが、シャビシャビ系ルーのコクと旨味が効いている。具沢山で多種の野菜が入っている。チキン、ポーク、キーマが定番。付け合わせのサラダもサッパリしててうまい。また来たい味。

3.7次郎

 

 

 

あけぼの かつ丼

ぐ、間に合わねぇ。

次郎は永田町駅にいた。

市ヶ谷にあるチーズハンバーグの店に行こうとしたが、時刻は13:50。ラストオーダーが14時。絶望が次郎を襲った。

 

ちっ。

有楽町線永田町駅のホームに滑り込んで来た反対方面の列車に咄嗟に体を滑り込ませた。

 

ふんっ、直感的に乗っちまった。

有楽町に何かあるはずだ。

次郎は独りごちた。

 

有楽町に着いたが、慣れていないため日比谷側の何もない辺りに出た。

ちっ。

さてと、とりあえず有楽町マリオンを目指すか。

次郎は歩きだした。

 

有楽町の駅に出て、ヨドバシカメラを左に見ながら高架をくぐる。

目の前に交通会館が立ちはだかる。左右をキョロキョロし、次郎は交通会館のインフォメーションを何気なく見た。

B1、洋食屋大正軒、かつ丼あけぼの。

 

ふん、半信半疑だが、これも運命か。次郎は足早に階段を下りた。

 

地下も明るくまるで地上階のようだ。そして広い。

 

直感に従い右に曲がると、人だかりが見えた。

怪しいな。

近くまでいくと、ラーメン屋に列ができていた。さらに奥を覗くと、大正軒とあけぼのの看板が見えた。14時にもかかわらず、お互いそれなりに入っている。

 

どーするか。

ここは…かつ丼だな。

次郎はドア開けっ放しのあけぼのに突っ込んだ。

 

いらっしゃいませー♪

 

一人だ。

 

こちらへどーぞ。

ご来店ありがとうございまーす。

なんにしましょー。

 

むー、かつ丼。それとカキフライを単品で頼む。

カキフライいくつにします?

…3つ頼む。

はいよー♪

 

気づくと満席だった。

危なかったな。

 

目の前のオヤジの揚げ物捌きに吸い込まれた。

分厚い肉が、小麦粉に揉み込まれ、卵の池を潜る、そしてパン粉が大量に被せられ、熱々の油にDIVE INTO。

 

華麗だ。羽生結弦の4回転サルコからのトリプルアクセルだ。演技点は9.8か。

 

はい、かつ丼お待ち。

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おお、俺のだったのか! 

うまそうだな結弦。

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熱々だな!

衣は薄クリスピー。肉はほんのり赤い。ポーションは小さめだがボリュームは申し分なし。卵が少し少な目だがそこはご愛嬌か。

 

はい、カキフライでーす。

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ぐぉ、でかい!

どれどれっ

 

熱っ!

はふい!

しかし、うまい!

ボリューム満点だな。

 

こりゃあ混むわけだ。

 

ゲフッ

 

結局完食か。まずいな。

 

おい、会計頼む。

 

はい、1400円です。

かつ丼が1000円、カキフライが400円か。

まぁそんなもんだろう。カキフライ、なかなかだったな。

 

ほらよ。

10000円お預かりします。

 

お釣り8600円です。

おう。

次郎はおばはんから釣りを乱暴にむしりとった。

 

ご馳走さん。

 

どーもー♪

 

ふん、いい店を見つけた。

しかし隣のラーメン屋も気になるが…

 

またにするか。

 

次郎は汗をぬぐい、コートをもったまま階段を上り、有楽町から銀座の街へと消えていった。

 

街には春の足音が聞こえていた。

 

続く。

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あけぼの@有楽町駅 交通会館B1

かつ丼が有名だが、ほかの揚げ物もうまそう。カキフライでかくてうまい。値段はそれなり。

3.6次郎

 

 

 

 

 

 

 

 

SAMA SHIMOKITA

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もう、行き尽くしたか…

 

次郎は田園都市線に乗りながら考えていた。

今夜はスープカレーが食べたい。

しかし、もうどこも行き尽くしたか…

早稲田のらっきょ、下北の侍とマジスパ、恵比寿のイエローカンパニー、京橋のドミニカ、原宿のシャンティ、神保町の鴻…

 

煌びやかな次郎のスープカレー友人帳。

 

新たな妖怪の名前をもらうことはできそうになかった。

仕方なく、次郎は渋谷で井の頭線に乗り換え、下北に向かった。

 

北口を降りて、ブックシェルフが欲しかった次郎は、無印良品の前にたどり着いた。

しかし、なんだかその奥に怪しげな店がたくさん見えた。

 

溶岩トロトロハンバーグ?

なんだか聞いたことあるな。ふん。

次郎はそこを通り過ぎ奥へと歩を進めた。

 

なんだ、お洒落なカフェばかりか。

そんなのかんけーねー。

海パン姿の裸男が思い浮かぶが、さらに奥へと進んだ。すると、一軒の店が見えてきた。

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カフェか?

 

??

違う、スープカレー屋だと!!

 

女子ばっかりか…いやチラホラ男も見えるな。ここは神のお導きだ、えい、ままよ!

 

カランコロン♪

いらっしゃいませ。

一人だ。

こちらへどーぞ。

 

いつもの入店儀式を済ませると、次郎はカウンターに座った。

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どれどれ。

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定番は、このトマトスープか。

ふむふむ。なんだかボリュームがありそうだな。よし。

 

おい!

 

はい!

 

注文だ!

トマトスープ、角煮野菜カレー、トッピングは納豆、キャベチーズ、フランクフルト、辛さは5、ライス少なめ、プレーンラッシーだ。

 

はい、かしこまりました。

 

カランコロン♪

きゃっきゃっきゃっ💕

 

 

ちっ、また、女子大生か。

くそっ、オヤジパワーを見せてやる!

次郎は目を閉じた。

 

 

はい、お待たせしました。

突如沈黙は破られた。

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うぉ!

こりゃ予想外のボリュームだ!

次郎のテンションは一気に上がった。

まずは、スープだ。

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ほう、納豆が予め混ぜられているタイプか。

これは幸先いいぞ。期待できる。

どれどれ。

ほう、濃厚ながら食べやすい。コーンが入ってるのも珍しいな。いい食感だ。

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やはりブロッコリーは素揚げだな。

うん、うまい。

キャベチーズはどうだ?

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ほう、なかなかキッチリチーズが入ってるじゃないか。

そして、

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おお、胡椒もきいて、丁寧に仕上げられている。うまいぞこの角煮。

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でかいな!このフランクは!しかも熱い。うまい。

 

むぅ、このスープカレー、細部に至るまでとても丁寧に作られている。

こりゃあスープカレー会に大型新人のお出ましだな。群雄割拠だな。

ははっ!たまらんな!

 

 

ゲフッ

食ったな。

 

 

おい、会計だ!

 

あちらのレジでお願いします。

 

なんだ席じゃねーのか!

2100円です。

 

ほらよ。釣りでリポビタンDでも飲みな。

次郎はキッチリ2100円をレジに叩きつけた。

 

カランコロン♪

次郎は店の外に並び始めた女子大生をかき分け、下北の駅に向かって歩き出した。

ふん、お前らにはこのスープカレーの良さとサークルの先輩の良さが等しく見えるのだろう。

 

このド阿呆がっ!

次郎は独りごちた。

 

 

外気は冴え渡り、青々とした夜空に星が瞬いていた。

 

きゃっきゃっきゃっ💕

女子大生の黄色い声が辺りに響いていた。

 

続く。

 

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SAMA SHIMOKITA@下北沢

新たに下北沢の戦場に降りた超新星。サマ。とても丁寧に作られたスープと具材。ボリューム満点。コスパもいい。スープカレーピラミッドの頂点を脅かす存在。

3.8次郎

 

 

 

 

 

覆面智16 ホッキ貝と鮟肝ヤバい奴

全くよう、困るんだよな!

こっちの身にもなれっつーんだよ!

次郎は怒っていた。

 

痛風になるまいとLG21を飲み、体健やか茶を飲んだ次郎。準備は万端だった。

 

オヤジ!

ホッキ貝と平目、そして鮟肝!

こんなの行かないわけねーじゃねーか!!

次郎は微笑んでいた。

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ガラガラ♪

11時50分。満席。

次郎は店内で待ち、そして奥のカウンターに座った。

 

あれ、今日は休みかい?

 

そ、そうなんです…

照れ笑いする次郎。オヤジが休みを把握してくれていることが嬉しい。

 

超ヤバい肉、味玉、のり、青唐で。

はいよ〜

 

今日のスープは、濃い味、薄味どっちにする?

 

濃い味で!

被せ気味に即答した。

ふー、楽しみだぜ。

 

チャッチャッチャッ♪

 

チャッチャッチャッ♪

 

マラカスのような湯切り音が、狭い店内を湯気と共に満たしていく。

 

はい、お待ち。

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ぐぉ!このビジュアル。ヤバいな!

ヤバい奴だけにな。

次郎は独りごちた。

 

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真っ黒だな。真ん中の鮟肝、左下のほろほろチャーシュー、右上の味の濃いバラ肉、右下の味玉。

見事、としか言いようがない。

 

さてと、

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ズルズルッ!

うー、毎度この玉子縮れ麺。完璧だ。

 

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このチャーシューがほろほろなんだよなー。

うまい。

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そして、この超悪い肉。

このヤバいスープにピッタリなんだよな。

うまい!これで白飯一膳いけちまう。

 

 

ズルズルッ!

 

ズズズッ!

 

ズルズルッ!

 

ズズ、ズズズズー。

 

 

ふぅ、ご馳走さんと。

 

ダメだ。

幸せってのはやはり今ここにある。

 

オヤジ、超うまかったぜ!

また来るわ!

はいよ、行ってらっしゃ〜い♪

 

すっかり気分を良くした次郎。

本当は仕事上の問題でむしゃくしゃしていたのだった。

 

しかし、俺には神保町がある。誰にも侵されない幸せが。ふふ。

 

次郎はオヤジの店を出て神保町の街を更に奥へと歩き、一軒の喫茶店に入った。

古瀬戸。

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壁面が一面アートになっている珍しい昔ながらの喫茶店。店内は広く、適度に落とされた照明が食後の一服には心地よい。

ここの紅茶にはブランデーが付いて来る。

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これがたまらねーんだよな。ブランデーの香りが紅茶と相まって口に広がっていく。至福の時が次郎を染めていく。

 

この街があれば俺は生きていける。

次郎はそう感じていた。

 

続く。

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覆面智@神保町

ホッキ貝、平目、鮟肝出汁のヤバい奴醤油ラーメン。豪奢な。ボリューム満点。肉肉しいトッピング。最高潮。

3.9次郎

 

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古瀬戸@神保町

昔ながらの喫茶店。壁面がアートになっている。店内は広く、居心地が良い。ここはウインナーコーヒーかブランデー付きの紅茶か良い。

ランチはカレーも出している。

3.5次郎

 

 

 

かおたんラーメン 西麻布

さてと、待ち合わせのバーは…あの辺だな。

しかしな…バーに行く前に、やはり腹ごしらえだ。バーにはほぼ何もないからな。

次郎は独りごちた。

 

西麻布は一人飯屋は簡単には見つからないな。皆デートか会食だ。

 

ふん、偉そーに。

 

西麻布の交差点を青山通り方面に曲がるとローソンが見えてきた。

 

この先、星条旗通りに五行とかいうラーメン居酒屋があったな…しかしあそこは味が落ちて久しいしな。

次郎が考えながら歩いてローソンまで来た。そこをさらに星条旗通り側に折れたところで、一軒の外観の汚いラーメン屋が見えてきた。

 

ん?なんだありゃ。青山墓地の入口に。

ラーメン屋か。客は皆幽霊か?あ?

 

次郎が件のラーメン屋に近づいていくと。意外にも客がたくさん入っていた。

 

 

えい、ものは試しだ、

 

ギイ♪

ハイ、イラッシャイ。

 

一人だ。

 

奥ドーゾ。

 

見ると小汚い浮浪者のようなオヤジが陣取る奥の席を案内された。

 

くそ、あんな臭そうなやつの前で飯が食えるかっ!

こりゃ出るか?

 

店員はにこやかにその浮浪者紛いと喋っている。

 

なんだ、ここは。別天地か!

仕方ない。

次郎はこの古狸の目の前に座るのを避けて斜めに座った。

 

さてと、幽霊ラーメンはどこだ?あ!?

メニューが壁に貼ってあった。

 

なんだ幽霊ラーメンがねぇじゃねぇか!

ええい、ラーメンだ!

それに焦がしネギをいれやがれ!

 

ハイよ♪

 

次郎の前に座る古狸を見ていると、やけに店員と馴れ馴れしい。更には他の客が帰ったとき、ありがとうございますと大きい声で叫んだ。

 

な、なんだ、まさか、、、

 

いらっしゃいませー(野太い声で)

ははははー(野太い声で)

 

まさか、店のオーナーなのか!

知らねーが、なんじゃそらー!

 

オ待タセシタシタ。

次郎が驚愕している間にラーメンが着弾した。

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ほう。醤油スッキリ系か。

次郎はスープを啜った。

ほう。なかなかいいぞ。合格だ。

う、すごい焦がしネギだ。こりゃ臭くなるな!はは!

 

どれどれ麺は?

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ほう。細麺だな。これも合格だ。

ズルズルズルッ!

いい腰だ。

 

なんだか食べるごとにクセになる味だ。なかなか良いぞ。

 

ズルズルッ!

ズズズー!

 

ズルズルッ!
ズズズー!

 

ズズズズズズー。

 

ふぅ、案外いけたな。

ご馳走さんと。

いくらだ?

 

850円デス。

 

意外とたけーな。

まぁいい、ここはキッチリ払わせてもらおうか。

次郎は100円玉8枚と10円玉5枚を古狸の前に叩きつけた。

ふん、それでシャンプーでも買いやがれ!

 

 

ギイ♪

 

 

ふー。

さてと、行くか♪

コートの襟を立てる次郎。

 

 

まるで東京カレンダーに出てくる外資系金融マン気取りで、西麻布界隈の怪しげなバーに向かうのだった。

 

お客さん、マフラー!(野太い声で)

 

 

うぉ!

次郎は恥ずかしい思いで振り返った。

 

続く。

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かおたんラーメン@西麻布

西麻布を根城にしているやつらの間では有名なラーメン屋。これがまた意外とうまい。サイドメニューも割といける。

たまに確かめたくなる濃い味醤油ラーメン。

3.5次郎