函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

ハラカラ ハンバーガー

ふー。

今日は久々にゆっくりできる一日だな。

次郎は独りごちた。

 

今日久々に天気も晴れ、予定もなく穏やかな1日を迎えられそうだった。

 

ゆっくり起きて、家事を片付けて、午後1時半。

そろそろ腹も減ってきた。

 

さてと、今日は散歩しながら決めるとするか。

次郎は自転車に乗って青山の街をゆっくりと巡った。

 

青山通り沿いに外苑を向かっていくと、新しいオフィスビルができていた。

 

なんだこりゃ。でかいな。

 

ビルの前は広めのスペースがとられている。

この辺りは青山通りから奥に折れる細い路地が何本かあった。そんな路地の奥に地下に向かう店があった。

 

ハラカラ

 

同胞ってことか?

ハンバーガー屋だった。アボカドバーガーが押しの店らしい。ハンバーガーはあまり食べない次郎だが、

 

たまにはいいか。そう独りごち、階段を地下に降りて行った。

 

カランコロン♪

いらっしゃいませー。

 

一人だ。

そちらへどうぞ。

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さてさてメニューはと…

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なんだか小難しそうだな。よし、フツーのバーガーセットにアボカドトッピングだ。ドリンクは黒烏龍茶だバカヤロー文句あるか?

とメンチを切る次郎。

 

はい、かしこまりました。

完全に無視された。

 

目を閉じてバーガーを待った。

 

はい、お待たせしましたー。

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おお、いい感じだ。どれどれ?

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どーやって食ったらいいんだ?あぁ?

仕方ない。

次郎はバーガーを押し込み無理やりかぶりついた。

 

ほう!うまいやないか!

パティーが分厚く肉汁が弾ける!アボガドも甘く、このレタスがまた彩もいいが、いいアクセントだ。しょうしょう高めだか満足するな。

このサイドのポテトもかりかりで浅間もきつめだ。うまい!

 

ふー、ごちそうさんと。

よし、ねーちゃん会計だ。

 

はい、1250円です。

いい値段だ。ほらよ、釣りはとっときな。

 

きっちり1250円くれてやった。

 

ふー、青山通りは平日でも混んでやがる。しかし、気持ちいい風だ。外苑前もそろそろ色づく頃か。

 

秋がますます深まる月曜の昼下がりだった。

 

続く。

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ハラカラ@青山通り

青山にはハンバーガー屋が多い。アボガドがたっぷり入ったバーガーが売り。チェダーチーズ入りにしてもよかったか。腹はあまり膨れないがなかなかいい味パティーも分厚い。

3.4次郎

 

 

 

覆面智 年に一度の…

アンガーラ。

ハロウィンの10月31日はオヤジの覆面智が年に一度オープン当時にタイムスリップする日。

 

行かないわけに行くまい。

次郎は独りごちた。

 

混雑を避け11時。店についた。

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本日は金目鯛塩ラーメン。ホタテバターディップのトッピングもあるようだ。

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ガラガラ♪

 

アンガーラ♪

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とともに、イノキ・ボンバイエの曲が出迎える。

 

ファイッ

 

ファイッ

 

青唐辛子ダブル、味玉で。

 

アンガーラ♪

 

ファイッ

 

ファイッ

 

チャッチャッ

 

ファイッ

 

ファイッ

 

チャッチャッチャッ

 

ファイッ

 

ファイッ

 

アンガーラ♪

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来たー!

透き通ったスープ。肉厚なチャーシュー、ホタテバターディップに味玉、黄色のちじれメン。

たまらねぇ。

 

ズルズルッ

 

う、キリリとしてうまい。

ホタテバターをレンゲの上で溶き混ぜるとまた別の味にチェンジ。

 

ズルズルッ

 

あぁ、うまい。

チャーシューが絶妙な粗雑さを醸し出し、ラーメンは野獣性を帯びる。それを荒々しく貪る贅沢。

 

ズルズルッ

 

ズズズズッ

 

う、うめぇ。

 

ズルッ、ズルズルッ

 

ズズズ、ズズズズ、ズズズズズー

 

ぷはー。

ごちそうさんと。

 

アンガーラ♪

次郎はオヤジに声をかけ、颯爽と店を出る。

 

ガラガラ♪

 

寒っ。あっ!

すぐさま店に引き返す次郎。

 

アンガーラ♪

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再びオヤジと弟子に挨拶される。

 

ジャケットを忘れちまいまして…

恥ずかしながら2回目のアンガーラを決める次郎。

 

ガラガラ♪

 

恥ずかしさで暑く、ジャケットの必要性を感じなくなっていた。

 

続く。

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覆面智@神保町

今日は年に一度のハロウィン。覆面のオヤジが帰ってくる。BGMはイノキボンバイエが永遠にリピート。火曜は塩ラーメンの日。安定した旨さ。

3.8次郎

 

 

 

 

東京餃子楼からの壺焼きカレー喜楽亭 三軒茶屋

次郎は仕事で二子玉川に来ていた。どこからともなく子供達の声が聞こえ、母親たちがゆるゆると歩いている。午前中のニコタマは穏やかだった。

 

いやー、久々に晴れたな。

さてと、仕事も一つ片付いたことだし昼飯にでもするか…しかし、こんな穏やかな街では俺様の求めるようなもんはなさそうだな。

よし、駅を変えよう。

 

次郎は田園都市線に乗り三軒茶屋に降りた。

ここならいろいろとあるだろう。

むー、候補がありすぎて迷うな。世田谷通りを太子堂方面に歩くと、うまそうな文字が目に飛び込んで来た。

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く、今日はその気分じゃないんだよなー。しかしなぁ、安いし…えい、ままよ。

 

ウィーン♪

いらっしゃいませ。

 

一人だ。

 

そちらどうぞ。

次郎はカウンターに座った。

さてさて。

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安いなぁ。よし、チョイとつまんでから本命に行くか。

よし、焼き餃子2枚とスープだ。

 

以上ですか??

以上だ。何か文句があるのか?

 

オヤジが餃子に白飯を頼まないと何か問題があるのか?あぁ?

俺にはこの後が控えているんだ馬鹿たれが。

 

ふー。溜飲の下がった次郎は目を閉じた。

 

はい。おまちどーさまです。

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うーん、うまそうな餃子だ。スープもキリッとしてそうだな!

ドボドボッ

次郎は醤油、酢、ラー油を小皿に入れ、餃子を漬け込んだ。

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そそるぜ。むしゃ。

おお、うまいな。思った通りだ。にんにく無しでも十分だ。熱い。小籠包さながらだな。

ハフハフッ

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むしゃむしゃッ

くー、うまい。止まらなねぇ。

そして、スープもキリッとして味付けと濃いめでいいねぇー。確かに飯が欲しくなるな。

しかし、ここは我慢だ次郎。

次郎は独りごちた。

 

ふー。ごちそうさんっと。

おい、会計だ。

 

640円です。

 

ほう、安いな。

ほらよ、釣りはいらねーよ。

 

キッチリ640円をカウンターに叩きつけ店を後にした。

ウィーン♪

 

さてと、ここからが本命だ。餃子屋に入る時から既に決めていたランチの本命に向かって歩きだした。

 

246号を池尻大橋に歩くこと14分。件の店、喜楽亭に着いた。

ふー、いい運動だったな。

 

カランコロン♪

いらっしゃいませー。

 

一人だ。

お好きな席へどうぞ。

 

次郎はテーブルに構えた。

さてと、

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ここの壺焼きカレーは絶品だからな。

ハンバーグカレーに行きたいところだが、餃子がのしかかってきてさすがの次郎様も厳しいな。

 

よし、ビーフカレーを頼む。トマト、チーズトッピングでな。それとサラダセットだ。

 

はいかしこまりました。

 

次郎は目を閉じた。

 

はい、お待たせしました。

サラダとラッシーです。

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ほう。意外とうまそうだな。

うん。サラダはオニオンドレッシングだな。うまい。

ラッシーもドロっとし過ぎず甘くていいな。

 

はい、カレーお待たせしました。

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来たか!

これだ。

熱っ。取手が熱いぜ。

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次郎はドボドボとカレーターメリックライスの器にぶちまけた。カレーがターメリック大陸を侵食して行く。

うーん、うまそうだ。

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ドロっとしたチーズとトマト、それにビーフがたまらないぜ。

 

どれどれ。

ハフハフッ

次郎はカレーをかきこんだ。

ぐぉ。うまひ!

ピリッとくる味のあるカレーにチーズが絡まり、オニオンフライがそれに絶妙に絡みトマトの甘さが味を包む。

 

ぐおー!うめーー!

 

そして、このビーフだ。しっかりとした塊でありながらスプーンをいれてみるとほろっと崩れる。カレーとの相性抜群や!

 

うめーーー!

 

やはり、喜楽亭侮れん。

ひさひざにうまい飯が食えたぜ。

 

おい、ねーちゃん、会計だ。

1980円です。

 

ふん、昼の割に少し高いがくる価値はある。少し三軒茶屋から歩くのが難点だが、これも腹ごなしに丁度いいか。

 

ほらよ。釣りはいらねーよ。

1980円キッチリ渡し、次郎は店を出た。

カランコロン♪

 

ふー、さすがに腹が出たな。

この歩きだけでは凹まねーな。

ちょっと運動しないとな。

次郎は独りごちた。

 

びゅーっ

都内は冬の強い風が吹いている。

次郎は薄手のコートのフードを被り、池尻大橋方面に歩いて行った。

 

続く。

一軒目

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東京餃子楼@三軒茶屋

安くてうまい餃子屋。スープもうまい。一軒ならライスは必須。

 

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焼きカレーの店。洋食屋の風情もありカレー意外もうまい。おすすめはハンバーグカレー。壺にカレーが入ってサーブされ、それをターメリックライスの上にかけて食べる。これは病みつきになるうまさ。そして上品な味。なのにガッツリ。たまらん。

3.9次郎

 

 

 

 

 

HALE海'S 乃木坂

このまま帰るのもなんだしなぁ。かといって明日は早いしな。

どうしたもんか…

次郎は帰り道、西麻布を歩いていた。

 

独り飯屋はあまり無い西麻布の通り。

しかし、腹は減った。

 

この道は表参道に通ずる道。良く通っていた。そういえば、この辺は気になる店は沢山あるんだよなぁ。

 

ふと、一軒の店から漏れている光が気になった。つい、覗いてみた次郎。

中の店員と目があった。ニッコリと微笑まれてしまい、つい次郎は人差し指をあげてしまった。

 

カランコロン♪

一人だ。

 

こちらへどうぞ。

次郎はカウンターに通された。

ふむ、ここは魚の店なんだな。しかし、ウニが多いな。

次郎は唯一ウニが苦手だった。

 

よし、ここはアボガドシーザーサラダからはじめるか。

 

よし。いくぞ。

次郎は意気込んだ。

 

おい、ねーさん、

アボガドシーザーサラダを頼む。それと赤ワインもな。

 

はい、かしこまりました。

 

シーザーサラダです。

早いな。これはアボガドとドレッシングがうまくミックスされていて、普通のシーザーサラダとは違うな。うまい。

 

これは先が期待できるな。

よし、

豚とアスパラの串、モッツアレラと蟹の春巻き、甘エビのガーリック炒め、そして、最後に秋刀魚と秋茄子のパスタを頼む。

 

はいかしこまりました。

 

次郎は沢山頼んで目を閉じた。

はい、まずは豚とアスパラの串です。

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ほう、うまそうだな。

うん、味もなかなかうまいな。アスパラがきいてるな。タレはなんだか良くわからんがサッパリさてうまい。

 

甘エビのガーリック炒めです。

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ほう、これもうまそうだ。

食べ応えもあるな。ピリ辛でいい。

 

春巻きです。

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おお、これもうまそうじゃないか。

蟹が入ってるし、モッツアレラもいい。そして、このバジルがいいな。

うまい。チーズが飛び出てくるな。

 

いやー結構腹一杯だな。

かっかっかっ。 

 

最後に、秋刀魚と秋茄子のパスタです。

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ぐぉ、かなりボリュームがあるじゃねぇか。ここにきて。

ん、ケッパーがきいてるな。秋刀魚はいい味付けだ。茄子もジュワッとジューシーだな。うまい。いやー、にしてもボリューム満点だな。

 

烏龍茶が飲みたいわ。

かっかっかっ。

 

ゲフッ

うまかったな。

腹が出ちまったようだ。

 

さてと…

おい、ねーさん会計だ。

 

はい。

6430円です。

 

 

うーん、なかなかいっちまったな。一人なのに。まぁいいか。こんな夜もある。

 

 

ほらよ。お代はここにおいてくぜ!

バンッ。

次郎は金を、カウンターに叩きつけた。

 

おう、ねーさん、釣りで口紅でも買いなっ!

ご馳走さん。

 

ありがとうございましたー。

カランコロン♪

 

カウンターにはきっちり6430円置いてあった。

 

 

店を出た次郎。

ふー、食い過ぎたな。今夜は意外いい店発見したなぁ。

 

風はひんやり心地良く、表参道の駅までの遊歩も楽しめる10月の夜だった。

 

続く。

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HALE海'S@西麻布

イタリアンとアジアンが合わさったキュイジーヌ。一人でも問題ないが、二人の方が多種の料理を味わえる。魚系が売りのようだ。コスパほ普通か。

3.6次郎

 

 

 

 

 

 

37 Steakhouse and Bar 六本木

次郎は昼前に六本木ヒルズにある、広告代理店に赴ていた。

 

来月からの展覧会に出展される作品を解説することが目的だった。

 

ふー、こんなハイカラなところ中々来ないからな。しかし、なんだ、緑が多くていいな。

 

折しも終わった時刻は12時40分。昼時だった。

 

さてと、昼でも食うか。しかしなぁ。ヒルズは単に高そうだ。イケてるモテリーメンもつらいもんだ。

 

次郎は欅坂をグランドハイアットあたりまで歩き、ふとしたところで牛のマークが目に入った。

 

ん?なんだありゃ。飯屋か??

うーむ、二階か…わからんが、とりあえず登ってみよう。

 

中は広いな。どんな料理が…

 

いらっしゃいませ。

気がつくと次郎の後ろには二組のモテリーメンが待っていた。押し出されるように店に入る次郎。

 

それではこちらでどうぞ。

窓から外の見えるいい席に座ってしまっていた。

 

お、おう。

仕方ない、今日はここにしよう。しかし、なんだここは。ステーキ屋なのか、なんなのか。

 

恐る恐るメニューを開く次郎。

ほう、うまそうな肉メニューがギッシリだな。意外と当たりかもしれん。

次郎は独りごちた。

 

む、ハンバーグ…肉ギッシリ系だな。うまそうだ。よし、これだ。

 

おい、マダム、このハンバーグを頼むよ。

 

ハイ、カシコマリマシタ。

店員は片言の日本語で消えていった。

 

他の客を見ると、皆外資系のモテリーメンのよような出で立ちだった。

しかし、なぜ外資系モテリーメンたちは常にチーフを入れているのか…謎は深まった。

 

はい、お待たせしました。

突如沈黙は破られた。

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ぐぉ、うまそーだ。このハンバーグは肉肉しいな。ソースもうまそうだ。

ほう、うまい。荒々しさがこのソースも良く合っている。赤ワインが欲しいところだ。

 

そして、このマッシュポテト。

うーむ、贅沢な味だ。

甘くて柔らかい。

 

うまいなここ。

正解だな。

 

むしゃむしゃっ

 

パクパクッ

 

むしゃむしゃっ

 

パクパクッ

 

んーうまい。

 

あっという間に平らげてしまった。

 

ビールも飲んじまうかな。

おい、ねーさん、ランチビールを一つ頼む。

 

はいどうぞ。

くー、うめー。

あっという間に酔っ払う次郎。

 

ふー、よし会計だ。

2330円になります。

 

よし、カードで頼む。

釣りはいらねーよ!

次郎ほカードをカウンターに叩きつけた。

 

いえ、カードですので。

 

はは、こんなこと知ってるぁ、舐めんなよ!

ち、酔いが回ったか…

ふん、そういぶかしがるなマダム。

また来るぜ!

 

店を出た次郎。

階段を降りると、グランドハイアットが見えた。

 

ふん、昔はよくあそこで…感慨深いホテルだ。しかし、今のおれには関係ない。行くぜっ。

 

歩きだす次郎。

午後の陽光が優しく次郎の背中を照らし出していた。

 

 

続く。

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37 Steakhouse and Bar @六本木

熟成肉の名店。ハンバーグとステーキがシグネーチャーメニュー。しかし、迷わずハンバーグ。がつっとした挽肉が力強く、素晴らしいソースも相まってモテリーメンのお昼を飾る。

3.6次郎

 

 

ラーメンダイニングJingu

うーん。サッパリしたな。

次郎は髪を切った。行きつけの美容室は渋谷にあった。

 

ふー、サッパリしたし、なんだか腹が減ったな。

時刻は19時30分。自転車で明治通りを滑走する次郎。壁面広告が代わる代わる次郎を通り過ぎる。なんだかチカチカするな。

通りにはお洒落な若者が闊歩している。

 

夜だと言うのに元気なこって。

次郎は独りごちた。

 

さてと、原宿あたりまで来たが、なんかねーかな。

おうそうだまた裏原あたりを探索してみるか。

次郎は自転車のハンドルを右に向け小道に逸れていった。

 

さてと、やはり服屋ばかりだな。それと、パンケーキ屋か。

今日は行列の店の閑古鳥が鳴いている。平日の夜、風も冷たく人は少な目だ。つまりそれは次郎には好都合なのだが。

 

うー、あまり惹かれる店がないなぁ。

 

お、なんだありゃ。よくみると牛骨ラーメンとあった。

なんだ"〇〇で取り上げられました"的な説明ばかりじゃねーか。

こういうのは大体見掛け倒しなんだよなー。しかし、牛骨ってのは惹かれるな。

まぁ、まずかったら残すだけのこと。

 

よし、入ろう。

カランコロン♪

 

いらっしゃーい。

店内は小洒落た雰囲気だが人はそこそこだ。お洒落なラーメン屋はあまりうまくはないんだよなぁ。次郎の嗅覚はそう告げていた。

 

まずは食券機か。うーん。全部乗せラーメンだな。一番人気の。店の実力を測るにはこれが無難だろう。

 

はいよ、全部乗せ一丁。

やる気のなさそうなねーちゃんが応じた。

ふん、まぁいい、お手並み拝見だ。

 

次郎は目を閉じた。

 

はい、お待ちどう様です。

意外と速いな。ユリオカには及ばないがな。

ほくそ笑む次郎。

お、見た目は豪華だ。

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さて、スープはと。

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ズズズッ。

ほう。濃厚だな。家系ラーメンにちかいか。及第点だな。

次は麺か。

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ズルズルッ

ふむ、まぁまぁだな。悪くない。細さも硬さも。

さて、これが売りのローストビーフだな。

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ほう。なかなかいけるな。上品だ。

しかし、普通のチャーシューの方が俺は好きそうだ。

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やはりな。こちらの方がうまい。

メンマは太くうまい。味玉もフワトロだ。

スープといい、麺といい、トッピングといい、申し分ないな。どれもよく考えられている。

 

しかし、なんかこう、パンチがないなぁ。いろんなものを研究して作られているのだが、全体として統合した時に、統合されていないというか、バラバラに存在している、そんな感じだな。

もったいないな…

次郎独りごちた。

 

しかし、完食する次郎。

牛骨は濃厚でうまいな。

なんとも表現できん。うまいんだけどな。

 

ふー。ごちそうさんと。

じゃまたな。

 

カランコロン♪

店を出る次郎。

うーむ。なんかこう、ねぎしにでもいって牛タンが食べたいな。

 

まさかのはしごか…いかんいかん。

次郎は首を横に振った。

 

次郎は自転車に乗ると、原宿の町を青山に向かって疾走した。

まるでこれから今夜の夕飯を食べるかのように軽やかだった。

 

続く。

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ラーメンダイニングJingu@原宿

有名なラーメン批評家がプロデュースした牛骨ラーメン。どれも全てが考えつくされている。味もうまい。ただ全体としての統合感がない。おしい!

3.4次郎

 

 

 

覆面智11 渡り蟹つけ麺 味噌

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お、おやじ!

渡り蟹かよ!聞いてねーよ!

 

 

朝起きて、何気なくオヤジのツイートを確認した次郎。

いつも通りのラーメンだと思っていたが、今日は台風一過を記念しての渡り蟹出し汁らしい。

これは、渡りに舟だ。

次郎は独りごちた。

 

 

早速部屋を出て、神保町に向かった。

台風一過とは言うものの、時は10月後半。風はひんやりとしていた。

 

ちょうどいいな。ラーメンを食べても余り汗をかかずに済むな。

 

ガラガラ♪

 

いらっしゃーい。

 

まだ渡り蟹は売り切れていなかった。

じゃ、渡り蟹つけめん。あつもりで!

トッピングは、青唐辛子、もやし、味玉で。

 

はいよ〜♪

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出し汁の傍に渡り蟹の出し汁鍋が…

 

これは心を掻き立てる。

 

ちゃっちゃっちゃっ

 

ちゃっちゃっちゃっ

 

くー、まだか、出るか?、もうくるか?

 

はいよ。あつもりね。

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あつもりってのはこういうことなのか。

なるほどな。

はい、スープね。

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来た、これだよ。おやじ。いい色だ。

 

ではいただくか。

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まずは、味噌スープを一口。

おぉ、味噌の味つけが絶妙だ。ほんのり蟹の匂いも漂う。蟹と味噌が見事なコラボ。そこにチャーシューと鶏肉のダイスが引き立て味を乱暴にかき混ぜる。

ぐぁ、うまい。

この縮れ麺のスープとの絡まり具合が毎度毎度うまい。

そして、モヤシとともにスープに浸して食べる。

ぐぁぁ、うまい。

ダメだこりゃ。もう解説できん。

 

ズルズルッ

 

ズズズズッ

 

ズルズルッ

 

くー、海苔がうまい。味玉が弾ける。

 

ズルズルッ

 

ズズズッ

 

ズズズズズズーッ。

プハーっ。

 

うまかったー。完食だ。

 

ゲフッ。

 

ふー、今日も快調だ。

 

おやじ、うまかったよ今日も。新しい味。

常に新しいものを探求する姿勢、見事だ。

 

ごちそうさん

ガラガラ♪

 

またきてね〜♪

 

また必ずくるよ。

次郎は独りごちた。

 

さてと、これはプールにでも行かないとな。

 

 

秋晴れの空。台風一過の禍々しい雲が千切れて空を舞う。

 

また一つ新しい季節が巡ってきたようだった。

 

 

続く。

覆面智@神保町

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渡り蟹出し汁の味噌つけ麺。

読んで字のごとく。味は最高。

醤油もよいがたまにはオヤジの味噌も良い。安定のうまさ。たまらん。

3.7次郎