函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

とんかつ とんき

んんー、いやーマッサージ気持ちよかったなぁー。

次郎は最近の疲れが取れず、赤坂の行きつけのマッサージ屋に出かけていた。グイグイ押してくれるマッサージ屋は中々なく、疲れが溜まるとそこに通っていた。

 

さてと、マッサージも完了したことだし、やっぱり何かうまいもんでも食いに行くか。リラックスしたらやっぱりなんか食いたいからな。

 

結局次郎は、何かあるたびに食べ物ことしか頭に浮かんでこないたちだった。

 

どーするかなぁ。

最近飯のレパートリーが減ってきたな。俺の駄洒落のようじゃないか。ふふふっ。

次郎は自嘲した。

 

んー、ラーメンとスープカレーは食べたばかりだしなぁ。ハンバーグって感じもしねーしなぁ。寿司、、、でもないんだよなー。さてさて。

 

ブルッ、携帯が震えた。

おぅ、なんだなんだ。

 

この前はありがとうございました。お腹いっぱいでした!また誘って下さい^ ^

 

そんなハンバーグがうまかったのか。また連れてってやらー。次郎は内心嬉しかったが、それを出すのは恥ずかしく、

 

またなっ!

 

とだけ返信した。相変わらず不器用なラインだった。

まぁいい、俺に必要なのは飯だ。

さて、と。

お腹いっぱいか、いっぱい、いっぱい、おかわり、いっぱい、いっぱいおかわり、、、おかわり自由、そうか、そうだな。やはり、お腹はいっぱいにならないとだな。ならば、とんかつ屋しかないか!

 

次郎はそう呟いて、電車に乗った。

電車にのったものの、いままで行ったことのあるとんかつ屋はいやだった。そうなると高田馬場は選択肢から消えた。

渋谷はあまり候補がないしなぁ。

蒲田がいいかな。早速ググった。お、丸一ってのが良さそうだ。多少遠かったが、次郎は原宿から品川に向かった。途中で、丸一のとんかつの映像に見入ってワクワクする次郎。しかし、リアルタイム検索で並び具合を確認すると、本日休業と出ていた。

 

なにーーっ!チクショウ、電車にのっちまったじゃねーか。どうしたもんか、、、気がつくと目黒駅に到着していた。

えい、ままよ。

アテはなかったが、今までと流れを変えるため次郎は目黒駅で飛び降りた。

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さてと、とんかつとんかつ、、ふらふら歩いていると、人がどんどん吸い込まれていく店があった。とんかつかどうかわからなかったが、気になり近くにいってみると、なんととんかつという文字を発見した。

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これは期待できるな、とんきか。ありきたりな名前だな。少し期待が薄れる次郎。

 

ガラガラ♪

 

ぐお、なんだなんだ、激混みじゃねーか!店の中に40人程度が待っていた。これはしんどいな。

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うーむ、考えていると、後から来た客が二階へ上がって行った。

ん、二階もあるのか、カウンターの方が風情があるが、二階に行ってみるか。

トントントントン上がっていくと、

 

いらーっしゃいませぇ!

なんだか芝居掛かった声をだし、良い笑顔の店員が迎えた。

二階はガラガラじゃねーかっ!

単にテーブルだけの二階はガラガラだった。

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なんだか知らないが、これは得したな。そして程なくテーブルに通された。

 

何になさいますかぁ!?

 

お、おう、ならばやはり、ここは、ロースで。

 串カツも追加だ。

 

はい、わかりましたぁ。

 

なんだか良い声の店員に気圧され、何の駄洒落も浮かばなかった。

 

ふー。

次郎は心を整えるため、目を閉じた。

 

しばらく時間が経過した。なんだか、アジア人がおおいなぁ。薄目を開けて周囲を見た。

そんな声に耳を傾けながらまた目を閉じた。

 

 

はぁい!お待ちどおさまでぇーす!

 

また芝居掛かった声で、次郎は目を開けた。

ほう、見た目は、まぁ普通だな。

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さてさてと、ほう。

衣が薄くてサクサクッだな。

ロースも割と赤身が多いな。ヘルシーだ。そうでもねぇか。ロースカツだもんな。ははっ。

次郎は自嘲した。

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うーん、うまいな。

しかし、なんとなく一味足りない印象だな。

アッサリしてるからかな。

悪くはないけどなぁ。

 

よし、キャベツおかわりだ。

 

はぁい、どうぞぉー。

芝居掛かった笑顔で兄ちゃん店員が答えてくれた。

 

いやー、トッピングの串カツが効いたか。ふー、腹一杯だな。

 

よし、かぁあけいだぁ!

次郎も良い声で応じた。

 

トントントントン。

一階はまだ混んでるな。

 

ここまで並ぶ必要はないな。あの店員の声が一番心に残ったぜ。

 

ガラガラ♪

 

既にとっぷりと 日が暮れていた。

冬も盛り入った目黒の夜だった。

 

とんかつ@目黒

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衣がサクサク。一階が、混みすぎているが二階は並ばずに入れる。味は悪くない。混まなければ。

3.4次郎

 

 

 

 

イエローカンパニー スープカレー

んん…うんんんん…ふぅー…

 

一時か…しかたねぇなぁ…起きるか。

この一週間毎日午前様で仕事をしている次郎。久々の休みで、たっぷり寝ることに決めていたのだった。

そうは言っても、さすがに一日中寝てられるはずもなく、ダラダラと起き出した。

 

んー、、、

ボーッとする次郎。

 

よし、まずは風呂に浸かるか。

前日に貯めた風呂を沸かしなおし、湯舟に浸かった。

 

温泉とはいかないが、やっぱり風呂だな。

次郎は眼を閉じた。

 

 

 

 

 

あ、あぁ……

 

スゥ〜、スゥ〜

 

うぉっと!いかん、窒息死するところだった

 

スゥスゥ言ってる場合じゃねーな。

スゥスゥ、スースー、スー、スー、、、そうか、見えた!

 

次郎は風呂から上がり、ドライヤーもそこそこに部屋を飛び出していった。

 

へぃ、タクシー!

恵比寿と渋谷の真ん中まで、頼む!

ユリオカでなっ!

 

すいません、新人なもので、ユリオカの場所がわかりませんで…

 

違うわ、バカヤロー!

ユリオカは急ぎでってことで、大阪の芸人のユリオカ超特Qの超特Qと掛け、、、まぁいい、急ぎだバカヤロー!

 

次郎は目を閉じて深呼吸をした。これだから新人は。

 

はい、着きました。

 

おぅ速かったな。

 

はい、ユリオカできましたので。

 

ふっ新人のくせにやるな。

次郎は独りごちた。

バタン。次郎は自動ドアを閉めた。

 

よく見ると運転手の髪型はつるつるで、縁の太い眼鏡をかけていた。

 

ま、まさか、、いや、まさかな。最近テレビでは滅多に見ないが…

 

 

さてと、カランコロン♪

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いらっしゃい。

次郎は奥のテーブルに通された。

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さてと、カレーではありません?

知ってるよそんなこたー。

 

よし、ねーさん、角煮ベジタブル、舞茸トッピングでな。ユリ、、、

 

さっき運転手が頭をよぎり次郎は口に出すのが憚られた。

次郎は注文を終えると再び静かに目を閉じた。

 

 

はい、お待たせしました。

突如沈黙は破られた。

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意外と速かったな。ユリ…。さぁこれだこれだ。野菜がゴロゴロしてやがる。角煮もうまそうだ。

 

さてと、まずは角煮からだ。

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んー、煮込まれてていい感じだ。スープと良く合うなぁ。

次は舞茸といくか。

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ん〜柔らかくてうまいなぁ。そして、更にこの大きなナスだよなー。それにしてもデカイ。

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いや、ハフハフッ、熱っ。

う、うまい。たまらんなぁ。スープカレーは。

 

 

いやー、満足だ。

やっぱりカレーは元気がでるな。

 

さ、会計だ。

そそくさとレジに向かう次郎。支払いを済ませ店を出ると、さっきのタクシーはなぜかまだ停まっていた。

中を覗いてみたものの、ユリオカ似の運転手は不在であった。

 

…他人のそら似か、、、。

独りごちた。

 

 

次郎の気分と同じように、晴れない空が遠く渋谷の先まで続いていた。

 

 

イエローカンパニー@渋谷

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野菜がでかい。おすすめ角煮ベジタブル。

このコラボのバランスが良く満足感がある。都内スープカレー屋四天王の1つ。

3.6次郎

 

 

海南鶏飯食堂 麻布十番

くそ、何だってこんな忙しいんだ。

次郎はここ最近午前様が続いていた。次郎の部署では11月が仕事量のピークで、次から次へと外部から問い合わせが続き、それが終わるとその問い合わせを取りまとめる作業が続き、いつまで経っても片付かない日々を送っていた。

事務所に居続ける時間が長すぎて、外の空気が吸いたかったため、久しぶりに昼飯を外でとることにした。

 

ふー、さてと、どこにするかなぁ、、、あまり時間も無いしな。

ウーン、おぉ、そういえば最近いってなかったが、シンガポール料理屋があったな。

次郎は、会社のすぐそばにあるハイナニーズチキンの店があることを思い出した。

 

エスニックの味で、午後も気合をいれるかっ!

次郎は珍しく前向きに独りごちた。

 

カランコロン♪

 

いらっしゃい。

 

1人だ。

次郎は2人席に案内された。

さてと、、、チキンカレーかハイナニーズチキンか。まぁここは、ハイナニーズだな。

よし、ハイナニーズ一つ。ユリオカでなっ!

 

ふっ、今日は言い切ったぜ。

 

ハイ。かしこまりました。

 

ユリオカの下りは当然のように無視された。

 

まぁ、外国の店に言っても仕方ないな。

今日はあくまで機嫌が良かった。

 

ふー、しかしここは人気があるな。

女性客が店内を占めていた。

 

ヘルシーなチキンってかっ!はは、オレンジページでも購読しろってかっ!ははっ。

なぜだかハイになっていた。

 

はい、おまちどうさま。

突如沈黙は破られた。

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んー、うまそうだ。この鶏ガラライスがうまいんだなー。

次郎は勢い良くライスをかっこんだ。

おおー、やっぱりこの味だ。アッサリしてるのに、なんかしっかり味がついてるんだよな。

そして、この肉がまたサラッとして、この3種のソースに合うんだよなー。いやーうまい。

 

ライスお代わりたのむ!ユリオカでな!

普段は炭水化物を避けてる次郎だが、この日ばかりはライスをお代わりした。

ユリオカはまたも不発だった。

 

ズズズッ、またスープもうまいんだな。鶏ガラスープが口をリセットしてくれた。

 

いやー、ごちそうさん。ちょっと食いすぎたな。

よし、会計だ。

次郎は勢いよく900円をレジに置くと、外気に触れ清々しい気持ちで満たされた。

 

んー、何だが眠いな。

今夜も長そうなのにな、、、。

 

 

初冬の風が冷たくふきつけたが、次郎の眠気を覚ますには至らなかった。

 

続く。

 

 

海南鶏飯食堂@麻布十番

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アッサリしてるのにしっかりとした味。いくらでも食べれてしまう。是非ランチで味わってほしい。お代わり自由。

3.6次郎

 

 

 

 

煮干しラーメン 凪

煮干し、、、

 

結局来ちまった。

 

次郎は過日俺のハンバーグでハンバーグをしこたま食べた後、ふと店先から見えた大量の煮干しで出汁をとる煮干しラーメン屋が目に留まった。

しかし、さすがにハンバーグ即ラーメンは、流浪人剣心で言うところの悪即斬の斎藤一であり、潔い態度に惹かれていたものの、諦めた経緯があった。

とはいえ、それ以後の日日、ジワリジワリとたまっていったモヤモヤは消えず、ついに渋谷に足を向けてしまっていた。

 

俺のラーメン好きにも困ったもんだぜ。そう言いながらも次郎はニヤニヤしていた。

 

さてと、お、ここだここだ、渋谷駅のヒカエリエ側のロータリーを歩道橋で横切り、少し六本木側に歩いた右手にその店は凪はあった。

 

なにが凪いでるんだかな。俺の心は常に荒波だぜっ!

ひとりごちた次郎に北風がふきすさび、次郎は目を細めた。

くっ、さぶっ。

 

この寒さがラーメンを、よりうまく感じさせるんだ。よし、外に食券機か。このさぶいのに。

 

く、なかなか千円札が入らない次郎。ヒラヒラと千円札が落ちていく。

 

おぉう、キャッチ!さすが次郎様よ。苦あれば楽ありだ!今日もいいことありそうだぜ。

一人相撲を演じた次郎は店に入店した。

 

ガラガラ♪

 

らっしゃい!

 

ん、すこし狭目だな、く、どけこのアニメオタクっ!次郎は前に座る暗そうな大学生を押しのけ奥のカウンターに座した。

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ふむ、なんだかいろいろ書いてあるな。f:id:hidekinghenry:20161113201632j:image

よく分からんが、単なるラーメンだし、ここはとりあえず全てオススメだ兄ちゃん。ユリオカでなっ!

 

はいよ。

お、ユリオカがわかるのかやるな若いくせに。

 

ふとカウンターの上の調味料を見る次郎。

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なな、なんだこりゃ…ここまで煮干しかよっ!

大きめの声をあげてしまった次郎。周りから見られ多少気まずい思いをした。

 

く、なんだ見てんじゃねーよオタクども!冥界へ去れっ!次郎は聞こえないようにひとりごちた。

 

はい、お待たせしました。

突如沈黙は破られた。

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おお、来たな。濃い味が予想できるな。なんたかワンタンみたいなもんも入ってるな。ん、そうかこれが平べったいナンチャラだな。

まぁいい、とにかく食べるぞ。

 

ズズー、

次郎はスープを飲んだ。

う、煮干しだ。これは凄いな。煮干しの味しかしねー。濃いめの醤油に合うな。麺はどうだ。

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ズルズルッ、

ほう、麺は中麺だな。スープによく絡まってるな。いけるなこれは。

なんだかクセになる味だ。しかし煮干しがすごいな。調味料の煮干しも見つめてくるぜ。

 

ズズズッ、ふー。

完食した次郎。

 

うまかった。たまにはこんな味もいい。なんかクセになるしな。

 

横を見るとまだオタクはフーフー言いながら麺を啜っていた。

 

まだ食ってるのか、そんなんじゃ社会の荒波に勝てねーぞっ!ま、だから凪に来てるのか、合点承知の介だ。冴えてなるな、俺。

ひとりごちた。

 

アニメオタク兄ちゃんを押しのけ、次郎は店を出た。

 

ふー、体が煮干し臭くなったような気がするが、気のせいだな。

 

あばよ、凪。俺は再び荒な、、、

 

ビューッ

 

再び北風が次郎を吹き抜けた。

 

っ、さぶっ!

 

キツイぜ今年の冬は。

次郎は渋谷のネオンに消えていった。

 

 

続く。

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煮干しラーメン凪@渋谷

すごい煮干し。味濃いめ。くせになる味でなかなかいける。

3.4次郎。

 

 

 

 

路地裏スープカレー侍

ついに探り当てた!

 

次郎は気が急いていた。

 

下北沢には次郎の好きなスープカレー屋が二つあるのだが、今回は新たに検索した結果、とても気になる店を発見したのだった。

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次郎の最近の食生活は野菜が慢性的に不足しており、それが次郎の生活に暗く影を落としていたが、今回見つけたカレーには野菜が20種類も入るという。

そして評判もよいらしく、前回下北沢を訪れた際に通りがかったところ人だかりができており入るのを断念していた。

しかし、その断念が次郎に火を付けた。

次郎は日々忘れようとすればするほど、そのスープカレー屋を思い出した。

ラーメンを食べれば食べるほど、そのスープカレーが気になった。

 

そして、ついに今日、目当ての店、路地裏スープカレー侍への入店に成功した。店内は満席だったが、待ちは次郎だけだった。

 

ウズウズ。次郎の動機に比例するようにビンボー揺すりは大きくなった。

店内に掛けられる多種の小さな黒板に書かれるメニューやトッピング品の豊富さが次郎のビンボー揺すりを加速させた。

 

次郎のビンボー揺すりがMAXに達し、足の裏から煙がでる、まさにその時。

 

お客さん、カウンターどうぞ。

突如沈黙は破られた。

 

おぉう、次郎は不意を突かれすっとんきょうな声を出した。

 

ふー、俺としたことが。今日はやけに喉が乾くな。次郎はカウンターに座るやいなや、水を飲み干した。すぐに手元にある水さしで二杯いってやった。

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さてと、なんだかわからねーが、よし、スペシャル侍ってやつだな。野菜20品目にして、三品トッピングは、牡蠣、ラムハンバーグ、豚角煮だ!

既に本題を忘れ野菜に肉をしこたま追加した。

ご飯は、S字開脚だ!

 

ハイ、Sですね。かしこまりました。

 

鮮やかに黙殺された。

クククっ。ジョーちゃんには高度過ぎたようだ。ジャズに例えると、ロイハーグリーブスのトランペットのような軽さと洒脱さが混在したストラスブールセントデーニスのようなそんな駄洒落だった。

次郎は村上春樹の読みすぎで全ての事象をジャズに例えようとした。が、やはりそれは難しかった。

 

はい、お待たせしましたー。

突如沈黙は破られた。

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おぉ、ゴボウが飛び出るじゃねーか。目も楽しませてくれるな。全体的に小ぶりだが、種類が多いな。

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よし、まずはスープだ。ほぅ、とろみは普通だな。結構スパイスが効いてるな。さてと、ゴボウ、人参、大根、ブロッコリー、ジャガイモにさつまいも、かぼちゃ、レンコン…凄いな。

 

まずはジャガイモか。おぉ、香ばしくて味がついてるな。うまい。お、かぼちゃは甘いな!

テンションがあがった。同時に鼻水も出た。

 

スパイスが効いてきたな。よし、ラムハンバーグいいぞ。牡蠣もいいな。いやー食べるのが楽しいなぁ。

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次郎は鼻水を啜りながらスープをかきこんだ。んー、野菜が多いと淡白になりがちだが、肉を入れたことでそれも解消されたな。

 

さて、ご馳走さん。

満足だ。

次郎の前にはティッシュの山が築かれていた。

 

さてと、会計だ。

ふと周囲を見回すと女性だらけだった。流石だな。やはり、女性には野菜がヘルシーってか!

次郎もこのままヘルシー路線に変更だっ!

 

まぁ無理だな。

次郎はひとりごちた。

 

店を軽い足取りで出た次郎。

下北沢には夕暮れが迫っていた。

 

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路地裏スープカレー侍@下北沢

すごい種類の野菜。こんだけ野菜を食べれば満足です。お肉もトッピングできるし、ボリュームもしっかりあり、ちょっと割安♪スープカレー四天王に選定。

3.9次郎

亜須加 排骨担々麺

野菜不足か。

 

最近の野菜は高いようだな。ねぎしはサラダを止めてるし、ますます不健康になっちまうな。次郎は青い秋の空を見上げた。

 

空はこんなにいい感じなのに、俺の健康はイマイチか。ふんっ、嘆いたって始まらねぇ。人生万事塞翁が馬だ。

 

タンタンタンタン、歩道橋を背後から追い抜いていく足音をふと見上げると、女子高生が軽やかにステップをふんで駆け上がっていく。

 

若いな。

なんだか哀しい気分になる次郎。

よし、俺もやるか。

 

タンタンタンタンタンタン♪

はぁはぁ、次郎の息はすぐに切れた。

 

くそ、鈍っちまってるぜ。

そのまま歩道橋を渡り、降りる目にふとある店が飛びこんだ。

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おぉ、そういうことかい嬢ちゃん。わかったよ。今夜は大人しくそこに入るとしよう。

タンタンタンタンタンタンタンタン♪

 

下りは軽やかにステップを踏む次郎。

そのまま店に突入した。

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いらっしゃい。

 

次郎はカウンターに腰掛けた。

おやじ、パイコータンタン麺一つ。カリオカでな!

 

あ、間違えた。習慣とは恐ろしいぜ。

次郎はひとりごちた。

 

店内はまだ時間も早いせいかまばらだった。チャンスだな。

次郎は、水をゴクゴク飲んで、息を整えた。

 

はい、ぱいくーたんたん。

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おぉ、変わってないな。これよこれ。

うまそーだ。

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とれどれ、おぉ、このスープがたまらんな。

辛そうだが、実際はちょうどいい加減のピリ辛。麺は柔らかめ。そして、この排骨パイコーがスープとからまってなんとも言えない味だ。あぁうまい。チンゲンサイも合うんだよなぁ。

ここの排骨担々麺は日本一だ。

 

次郎は熱いものがこみ上げた。野菜はあとでスムージーでも飲むとしよう。

 

はー、食ったな。腹一杯だ。

よし、会計だ。

 

冬だと言うのに若干汗をかく次郎。ふー、まだまだ俺の新陳代謝は鈍ってないぜ。

 

タンタンタンタン♪

次郎の背後から再び高校生が階段を駆け上がっていった。

 

すっかり暮れた夜空に秋の星が輝いていた。

続く。

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亜須加@渋谷

ここの担々麺は東京一だ。スープの味もパイコーも、バランスがいい。ボリュームもある。

3.8次郎

 

 

 

俺のハンバーグ

しかし、今夜は思い浮かばんなぁ。

 

次郎は、仕事帰り、六本木の街をふらつき、良い店が見つからず、西麻布までたどり着いたものの、なんとなく西麻布の店は行き過ぎている感覚に追われ、気がつけば渋谷まで来てしまっていた。

 

いやー、こんだけ歩いたんだから、なにを食べても文句は言われねーだろう!

 

そう自分に言い訳して渋谷の街を徘徊する次郎。

 

東京トンテキ、、、味が濃すぎるんだよなぁ。洋食屋富士屋、、、行ったばかりだしなぁ。

担々麺あすか、、、もう閉店かぁ。

ベトナムホイさん、、、ラストオーダーかぁ。

くそ、意外とないなぁ、、、

このまま行くと八王子まで歩いちまいそうだ。痩せるなぁ次郎さんよぉ。

ブツブツと呟く次郎。すれ違うサラリーマンが次郎に一瞥をくれる。

 

けっ、このオタリーマンどもが、見てんじゃねーよっ!はげリーマンのくせにっ!

 

次郎は毒づいた。

仕方ない、神泉までいくかなぁ、、、

ふと気づくと、人入りの良い店があった。

見上げた看板に俺のハンバーグとあった。

 

んー、俺のシリーズか、どうすっかなぁ。

と言いながらも、既に次郎の口はハンバーグの肉汁で満たされていた。

 

仕方ねーな、

 

カランコロン♪

 

はい。いらっしゃい。

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カウンターに座る次郎。

メニューを開けると各種のハンバーグ料理が写真付きであった。

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ぐー。

 

次郎の腹が鳴った。

ククッ、戦もできねぇな。よし、ここはデミグラスソースハンバーグだ。チーズと目玉焼きトッピングだ。飯は大も、、、いや、ここは普通で。

先生の顔が浮かんだ。

ふー。俺もしけちまったぜ。よし。以上だ。

 

カリオカですね?

 

ちげーよ、ユリオカだよ!間違えるなそこ!

と思ったが既に店員はおらず、次郎は目をパチクリさせた。

 

ふー、疲れてるのか、、、まぁいい。

 

はい。サービスの野菜ジュースです。

 

おぉ、これはいいな。先生も喜ぶだろう。次郎は一息に飲み干した。

 

いけるな。よし、しばらく瞑想だ。

 

 

はい、お待たせしました。

突如沈黙は破られた。

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おぉ、すごいボリュームだな。やはり目玉焼きは間違ってなかったぜ。そそられるな。

次郎は、箸でハンバーグを割った。

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に、肉汁が、、うまそうだ、、、

次郎は口にパテを放り込んだ。

 

おお、うまい。そして、上品だな。女性ウケも良さそうだ。俺は、女性誌記者かってんだ、ははっ、おい、コーラ頼む!カリオカでな!

 

テンションは知らずのうちに上がっていた。

 

卵を崩したあとのミクスチャーがたまらんな。オタリーマンどもめ、見たか!

見てねーか。

 

次郎はひとりごちた。

 

ふー、腹一杯だ。

ありがとよ、満足したぜ。

また来るぜっ、ユリオカでなっ!クククッ。決まったな。

 

カランコロン♪

 

次郎は颯爽と店をでた。

いやー歩いた甲斐があったな。

 

お?こんなとこにラーメン屋が、、、梯子、、、いやいやいや次郎ちゃん、それはまずいよ次郎ちゃん。

 

次郎はひとり葛藤していた。

 

お客様、お会計。

突如沈黙は破られた。

 

次郎はここのところ食券制の店ばかり行っていたため、代金を払い忘れていた。

おぉ、すまんな。次郎は汗をかきながら代金を渡し、一目散に走り去った。

 

ふー、ここまで来れば大丈夫だろう。

 

なぜか喰い逃げした気分に襲われていた。

 

しかし、あのラーメン屋、気になるな。すごい煮干しの量と書いてあったが、、、まぁ今夜はやめとくか。先生も喜ぶだろう。

 新しい期待に沸く次郎。

 

見上げた空の雲間から下弦の月が見えていた。

 

 

続く。

 

俺のハンバーグ@渋谷

上品な味のハンバーグ、丁寧な洋食屋さんというイメージで味付けは優しめ。レパートリーの一つに。

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3.5次郎