函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

パンダストリート 中華 高田馬場

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夜なのに、なんだか蒸すな。

いや、もはや6月。本来なら梅雨真っ盛りだもんな。

次郎は早稲田通りを高田馬場方面に歩いていた。

教授から資料を受け取り、渋谷のとある事務所に届けることになっていた。

 

ふん、懐かしの馬場歩きだな。

次郎は独りごちた。

 

おお、まだあるなティーヌーン。タイ国風ラーメン。酸っぱいラーメンと言えばここだった。

 

おお、まだ一風堂もあるな。

ここは確か出来たばかりで行列ができていたな。店舗も劇的に増えた20年後の今は考えられんがな。

 

ほほう。

えぞ菊か。懐かしいな。ここでくだらねぇ写真撮ったっけな…

 

ふん、センチメンタルジャーニーじゃあるまいし。俺としたことが。

次郎は独りごちた。

 

さてと、あ、とんかつひなたがあるな。夜行ったことないし。

次郎は明治通りを通り過ぎ、TSUTAYA手前の小道を折れた。

 

お、あった。夜は空いてるな。

む、中華か、こっちも良さそうだな。

 

ひなたは良く行くしな、今日はこちらにしよう。

パンダストリートか…

まぁいい。

 

カランコロン♪

いらっしゃいませ。

 

寡黙なシェフが一人でやっている店。先客はなし。まだ6時だしな。

 

お、メニューはほぼ全部ハーフがあるな。これはお一人様にはいいぞ。

 

まずは、キノコのホットサラダだな。

はい。

それと、豚角煮の唐揚げハーフ、四川風麻婆豆腐ハーフ、鶏肉の辛炒めを。あと、ビール。

 

はい。

ジャー♪

シェフは徐に中華鍋に油を入れ、調理を開始した。

ジャー♪、

ジャッジャッジャッ♪、

ガランガラン♪

 

はい、お待たせしました。キノコサラダです。

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ほう。そこまで辛そうではないがいろんなキノコがはいっているな。

皿を出すと、シェフは再び中華鍋に油を入れた。

 

ふむ。ま、なかなか。想像通りだ、悪くない。

 

ジャー♪、

ジャッジャッジャッ♪、

ガランガラン♪

 

はい、豚角煮の唐揚げです。それと麻婆豆腐です。

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ほほう。小ぶりだがまぁ仕方ないか。

ふむ、角煮の唐揚げもこの量で丁度いいな。悪くない。

 

さて、お勧めの麻婆豆腐か。
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山椒が効いて、甘い後味だな。旨味が効いている。これもこの量で丁度いいな。

 

再びシェフが中華鍋に油を投入した。

 

ジャー♪、

ジャッジャッジャッ♪、

ガランガラン♪

 

はい、鶏肉の辛炒めです。
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お、これは辛そうだ。唐辛子がたくさん。

いや、意外とそうでもないな。もっと辛くても良かったが。まぁ悪くない。

 

ふぅ、最後はどーするか…

次郎は壁に蘭州牛肉麺のポスターが貼られてあることに気づいた。しかし、メニューにはなかった。

 

おい、シェフ。

はい。

この蘭州牛肉麺はできるのか?

はい。

ならそれを頼む。

かしこまりました。

 

なんだあるのか、メニューに書けばよいものを。まぁいいか。

 

シェフは、大鍋に麺を投入した。

ズー、ズー、ツツツツ♪

沸騰した湯が大鍋の中で踊り、麺が茹で上がる音がする。

チャッチャッチャッ♪

 

はい、お待たせしました。

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おお、これは蘭州牛肉麺だ。

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透明なスープ。

ズズ。

ほほう、サッパリ塩味。なかなかいい。
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牛肉はギッシリ固めだな。

ギュ。

うむ。中国っぽい味だ。
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麺は細麺。悪くない。

ズズ、ズズズズー。

なかなか。

 

ズズズズー。

ハムハム。

うまいな。サッパリ塩味がいい。

 

ズルズル、ズズズズー、

 

ズズズズー、ズルズル、

 

ズズズズー♪

 

ふぅ、ご馳走さん。

おい、会計頼む。

はい、4230円です。

 

まぁそんなもんか。

ほらよ。釣りはいらねーよ。

新しいメニューを書く紙でも買うといい。

 

コロンカラン♪

次郎は店を出た。

やはり、蒸している。中華の後は汗が吹き出すな。しばらく歩くか。

 

次郎は再び明治通りに向かって早稲田通りを歩いっていった。

 

続く。

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パンダストリート@高田馬場

大衆中華。なかなか凝った料理。街中華にしては少し上品。お一人様でもでいろいろ食べれるのが良い。サラリーマンの夜ご飯レパートリーに入る店。

3.3次郎

 

 

 

 

一力 蕎麦屋 弘前

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たまには蕎麦屋ってのもいいか。

次郎は弘前市内で車を転がしていた。皆どこもコロナ禍の影響で閉店しているところが多い。

お、ここはやってるな。

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一力と呼ばれる老舗の蕎麦屋だ。一説によると芸人の関係者がやっている店とのこと。

ま、そんなのかんけーねー、だな。

次郎は独りごちた。

道を挟んで反対側に大きめの駐車場がある。次郎はそこに駐車し、入店した。

 

ガラ♪

いらっしゃいませ。

広い店内。時間は一時。先客は3名。やはりここも少ない。

 

奥のテーブル席についてメニューを見た。
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なるほど。たくさんあるな。なんだか蕎麦よりラーメンがいいとの噂を聞いたような…

 

えい、ままよ。

おい。

はい。

中華そばとカツ丼頼む。

はい、かしこまりました。

 

ふぅ。

次郎は水を飲み干した。

おい。

はい。

水お代わり頼む。

はい、どうぞ。

ふぅ。

 

テレビのワイドショーでも相変わらずコロナの話題。

もういい加減にして欲しいな。

次郎は独りごちた。

 

お待たせしました。

おお、きたな。

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なるほど。なかなかのボリューム。
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昔ながらのラーメンだな。
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カツ丼…うまそうだな。
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どれ。

ズズッ。

ふむ、いわゆる昔ながらの中華そばだな。

どちらかというと、蕎麦の味がするな。
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麺は細縮麺。

ズルズルッ。

歯応えは、そんなにないか。まぁ普通だな。
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チャーシューは、分厚目。

ハム。

…悪くない。が、まぁ特徴はあまりないな。

 

さて、カツ丼は…
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ハム。

ほほーう。こちらはふんわりした卵に、甘い玉ねぎ。それにトンカツがいい感じに溶け合っている。衣のサクサク感も残り、何より始めの一口と終わりの一口が甘くて、素晴らしいバランス。

うまい。

 

ズルズルッ♪

ズズズズー。

 

ハムハム。ハムハム。

うーん、悪くない。これはここは丼ものだな。

 

ハムハム。

ハムハム。

ズルズルッ♪

ズズズズー♪

 

ゲフッ。

ごちそうさんっと。

 

おい。

はい。

会計頼む。

1450円です。

 

ふん。ほらよ。釣りはいらねー。新しい卵でも買いな。

次郎はキッチリ1450円を店員の掌にねじ込んだ。

 

ラガ♪

ふぅ。

うっすらと額に汗を掻く次郎。

風が無いとちょっと暑いぐらいだな。

 

見上げた雲は低く、既に初夏を思わせた。

 

続く。

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一力@弘前

昔ながらの蕎麦屋。麺類よりも丼がおすすめのような気がする。シソンヌじろう氏の実家らしい。

3.3次郎

 

 

たかはし② ラーメン 新宿

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そう言えば、ここはもうすぐ歌舞伎町だな。

次郎は靖国通りを四谷から新宿方面に向かって歩いていた。

町に猥雑な雰囲気が増したと思ったら、まもなく新宿は歌舞伎町であった。

 

このまま西武線に乗る予定であったが、時間は1時30分。

ちょっくら食べてからでいいか。

確かこの辺に"たかはし"って中華蕎麦屋があったはずだな。

 

お、ここだここだ。

次郎は靖国通り西武新宿駅に入る前にあるパチンコ屋の手前を折れ曲がった。

 

ガラ♪

やはりこのご時世、空いてるな。

いらっしゃいませ。

ふむ。今日はかの背脂醤油ラーメンにしよう。

ポチッとな。

次郎は食券を店主に渡し、カウンターの奥へ座った。

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なるほどね。

 

はい、お待たせしました。

早いな。いいぞ。
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なかなか美しいビジュアルだ。
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背脂もなかなかだ。

ズズッ。

お、意外とアッサリしてる。これは罪悪感が薄まるな。
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ローストされた、少し薄いチャーシューか。

なかなかいい。
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そして、分厚いチャーシュー。

これも歯応えがあるが、髪切りやすくジューシーだ。

さて、問題の麺だが…
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中太縮れ麺だな。背脂に細麺はあまり合わないからな。この縮れ麺は良さそうだ。

ズルズルッ♪

ほほう、これはイケるな。きっちりアルデンテで、縮れが背脂スープをしっかり引き寄せる。

口の中でスープと麺が爆発してパンチ力が増す。

合格だな。

次郎は独りごちた。

 

ズルズルッ♪

ズズズズー。

ズルズルッ♪

ハムハム。

ズズズズー。

ズルズルッ♪、ズルズルッ♪

ズズズズー。

 

ふぅ。ごちそうさん

お。まだ30分も経ってない。得した気分だ。

 

ラガ♪

あばよ。

 

次郎はいそいそと西武新宿駅に吸い込まれていった。

 

続く。

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たかはし@新宿歌舞伎町

あご出しラーメン。今回は背脂醤油。もともとキリッとした味のスープの店だけに、背脂もギトギトしておらずうまい。

3.4次郎

MENSHO ラーメン 護国寺

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なるほど、護国寺が近いのか。

次郎は、巣鴨にいた。塩ラーメンの名店"生姜は文化"を楽しもうとしたが、なんと外に列が…。

まさか、かよ。そんな列を出すなんて。知らぬ間に出世したな。

次郎は独りごちた。

 

当てもなく白山通りを巣鴨から白山駅方面へ歩く。程なくして不忍通りに交差する。

 

ううむ、挽回の余地は俺に残されているのか。

通りを渡り左手の池袋方面に折れる。

すると都バスがやってきた。早稲田行き。

乗るか。

次郎はなんとなく乗車した。これが運命なのだろう。

車内の席に着くと同時にスマートフォンでラーメンと打ち込む。

護国寺近くにMENSHOと出てきた。匂うな。しかも、このバスの途中のバス停の近くではないか。

そうこなくちゃな。

次郎は静かに口角を上げた。

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バス音羽二丁目でバスを降り、江戸川橋方面へ歩くと程なくしてその店はあった。
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大通りに面しておりわかりやすい。お洒落な店だ。

次郎は暖簾をくぐった。
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ふむ。やはりこれは醤油だろう。1000円か。なかなかするな。しかも、この端っこチャーシュー丼が気になる。

えい、ままよ。

次郎は2つとも購入し、1400円を支払った。コロナ禍のため、席は間隔を開けられる4席しかない。それでも埋まっていない。まぁ午後2時ではあるがな。

 

次郎は食券を渡し、水を飲んだ。

全て見通せる劇場型の厨房。ここまで見えなくてもいい気はするか。

 

はい、チャーシュー丼です。

まずはチャーシュー丼が着弾した。
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なんだスプーンがデカ過ぎるな。これでは食えんではないか。

ふん、これはラーメンの汁用か。

切れっぱしもなかなかうまい。飯にたくさんタレがかかっていてうまい。

 

お待たせしました。醤油味玉付きです。f:id:hidekinghenry:20200513173001j:image

美しいビジュアル。
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淡麗スープ。

ズズ。

なかなかうまいな。激しい主張があまりないが、悪くはない。
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チャーシューはーロースト系だな。柔かいな。少し炙ってあるな。
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次は細竹だな。最近じゃこの柔らかさやにはまるな。スープを吸ってうまい。

そして、麺だな。
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細麺のストレートだな。

ズルズルッ。

お、意外とアルデンテ。スープの、真っ直ぐな感じととても良く合う。少し甘い味がしてかなりグッド。

ズルズルッ♪、ズルズルッ♪

ズズズズー。

ズルズルッ♪

 

ハムハム。パクパク。

卵はまぁ普通だな。

 

ズルズルッ♪

ズズズズー。

ズルズルッ♪

ズズズズー。

 

ズズズズー。

 

ふぅ。うまかった。もう少しパンチがあってもいいが、それは欲張りというものか。

 

またな。

次郎は暖簾をくぐった。

 

続く。


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MENSHO@護国寺

キリッとした醤油ラーメン。麺がうまい。全てが整った味。その分ややパンチが足りないようにも感じる。

3.4次郎

 

 

 

三ん寅 ラーメン 江戸川橋

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次郎さん、三ん寅って知ってます?

ゴッドハンドマッサージ氏の会津若松が、詐術中意識が半開きの次郎に聞いてきた。

 

え、う、あぁ、いや、知らぬ…

辛うじて寝ぼけた意識で答える次郎。

 

めちゃめちゃうまいんすよ。すみれって有名店で修行した方が開店したラーメン屋らしいんすけど、めちゃめちゃうまいんすよ。

 

え、あぁ、そうな…すー、すー…

次郎の意識は遠ざかった。これが現実との距離感か。または、この会津若松との物理的な距離なのか…

う、ぅぅ。

再び次郎は気を失った。

 

ふー。いやー、ありがとう。

いえいえ。

そのなんだっけ、三寅?今度行ってみるわ。

是非〜。

 

後日、会津若松との会話で記憶したラーメン屋、三ん寅に次郎は向かった。

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お、2時だからか、待ち無し!

これはチャンスだ。

 

ガラ♪

いらっしゃいませ。

威勢のいい声が響く。

店内はコロナの影響でゆったりと取られていた。

 

カウンターに座り、メニューを見た。

やはり、ここは味噌だろうな。味噌チャーシュー、大盛りだな!。次郎は入口の食券機で食券を購入した。

1250円。

まぁそんなもんだよな。

 

席につき、隣の客を見た。

ズルズルとラーメンをすする中年。

ふん、俺もこいつと同じか…。

 

いかんいかん、変なことを考えるなら。ラーメンに集中だ。

 

お待たせしました。

件のラーメンが着弾した。f:id:hidekinghenry:20200511012426j:image

ほう。中々見事なクリエイティブ。チャーシューがいい色だ。
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濃厚そうなスープ。

ズズ。

ほほーう。予想通り濃厚、少し味噌の粒感が感じられるが味全体はまろやかだか後を引く。
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チャーシューは厚めでほろほろ系だな。

ハムッ。

うまい。歯応えもわずかにあるが、噛むと口の中でほどけ、肉汁感が出てくる。スープと共に食べるとかの歯触りが絶妙なバランスになる。
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麺は卵系か。

ズルズルッ。

中太麺がスープを引き寄せ、腰もしっかりあり、食べ応えがある。

ズルズルッ。

うまい。

 

ズズズズー。

うーん、このスープ後を引くな。

 

ズルズルッ。

ハム。

ズルズルッ。

ズズズズー。

 

ズズ、ズズズズー。

プハー、あっという間に食べちまった。

腹へのたまり具合もいい。満足だ。

これはなかなかの名店。コロナが収まると混むかもな。

 

会津若松、貴様侮れない奴だ。

次郎は独りごち、箸を置いた。

 

ラガ♪

また来るぜ。

外の日射しはかなり熱く、鮮やかにコンクリートを照らし出していた。

 

続く。
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三ん寅@江戸川橋

すみれで修行した方が開いたラーメン屋。やはり味噌から入るべきか。コクがあるがまろやかなスープで、後を引くうまさ。麺も美味しい、チャーシューがほろほろでうまく、チャーシュー麺はお勧め。次は醤油味にトライしたい。

3.6次郎

 

 

オールウェイズ③ ラーメン 青森市

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やはり、味噌味が食べたい。

次郎は青森市で車を転がしていた。浪岡を過ぎ、青森空港方面へ向かい、そこから103号線に入り、八甲田山へ向かう途中にその店はある。

 

「オールウェイズ 」

美しくうまいラーメンを出す次郎お気に入りの一軒。

味は塩、醤油、そして味噌がある。

煮干しきつめが好みではない次郎は基本的にはスッキリ醤油を選ぶのだが、この店は醤油も塩もうまかったため、残りの味噌を食べない手はなかった。

 

やはり、来ちまったな。

ガラ♪

いらっしゃい。

次郎は発券機で味噌を押す。なんと最後の一杯だった。

運がいいぜ。

店内は昼時だというのに空いていた。やはりここにもコロナが影を落としていた。

まぁ俺にはちょうどいいがな。

次郎は独りごちた。

 

チャッチャッチャッ♪

 

チャッチャッチャッ♪

 

チャッチャッチャッ♪

 

静謐な雰囲気の中、湯切り音が響く。

 

麺をすくうさえばしを返し、丁寧に麺が盛られる。

 

その上に、チャーシューがまるでフランス料理のように美しく盛り付けられる。

 

 

待ち遠しいぜ。

 

お待たせしました。

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くお、最後にかけられたのは辣油か。

美しい。見事なビジュアルだ。
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どれ。

ズズッ。

うまい。どちらかというと、他の醤油・塩と同じくスッキリしている。やはりオールウェイズ感が出ているな。
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麺は少し柔らかめ。ただ、このスープにはちょうど良い柔らかさ。

ズルズルッ

ズルズルッ

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そして、この花びらのようなチャーシュー。

柔らかい。
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そして、鶏チャーシュー。これは少し歯ごたえがあるのがいい。

 

ズルズルッ

 

ズルズルッ

 

うまいな。

 

ズルズルッ

 

ズズズズー♪

 

うまいが、醤油の方が俺の好みかなぁ。

 

あれ!

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気がつくと全飲みしていた…

恐るべし。言葉とは裏腹に、全て吸い込んでしまっていたようだ。

 

ご馳走さん。

また来るぜ。

ラガ♪

ありがとうございましたー。

心持ち店主が半笑いだったような。

 

負けたよ。

次郎はそう言うと、車に乗り込み、八甲田ゴールドラインに向かってアクセルを踏み込んだ。

 

続く。

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オールウェイズ@青森市

次郎的青森ナンバーワンのラーメン屋。ビジュアルが美しく、スープもスッキリしてるのに濃くがある。チャーシューも美しくうまい。味噌味もいける。しかし、やはり醤油が一番か。

3.6次郎

 

 

 

 

オールウェイズ ② ラーメン 青森市

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ふー、結局こんなとこまで来ちまった。

次郎は青森市から八甲田ゴールドラインにつながる国道103号線を八甲田方面に走っていた。

 

103号線を南下し、いよいよ登山道にさしかかる手前にその店はある。

 

「オールウェイズ 」

3丁目の夕日のように昭和な雰囲気はなく、こざっぱりとしてお洒落な外観のラーメン屋だった。

 

ガラ♪

いらっしゃいませ。

 

11時45分。いつもは混雑する時間帯だが今日の店内には余裕がある。

 

これも感染症が蔓延しているなかの現象の一つか。

次郎は独りごちた。

 

さてと。前回は塩だったからな。今回は醤油と洒落込もう。

次郎は醤油ラーメン、ワンタン・チャーシュー入りを頼んだ。いわゆる全部載せだ。

960円か…全部載せで1000円いかないのはありがたいな。

 

次郎は案内されたカウンターに座り、店員に食券を渡した。

いくつも器が並び、店主が丁寧に麺を茹でている。隣の女性店員はチャーシューを切ったり、トッピングを入れたりしている。

 

ちゃっ、ちゃっ、

 

ちゃっ、ちゃっ、

 

ちゃっ、ちゃっ、

 

ちゃっ、ちゃっ、

 

うーん、良いBGMだ。

次郎はラーメン屋の湯切り音が好きだった。

 

ちゃっ、ちゃっ、

 

ぐびぐび。

麺の湯切り音は、水を飲むBGMにも最適だぜ。

次郎は心の中で呟いた。

 

 

はい、お待たせしました。

醤油ワンタンです。

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ほ、ほーう。これはまた美しいクリエイティブ。チャーシューがうまそうだ。
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どれどれ。

ズズ。

ほう、醤油もいい。色からしてクッキリしてるかと思いきや、少し甘く、まろやかな味。鶏出汁が効いてふくよかな味わいが五臓六腑に染み渡る。
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麺は細麺。少し柔らかいがその分スルスルっと飲み込める。この甘やかなスープによく馴染む。
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ワンタンは初だが…

ズルッ。

ふむ、これもスルリと口の中を通り抜け噛むと中からアンがでてスープと混ざりあうと美味だ。

 

そして。

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ローストポークか。淡いピンク色が美しく、薄い肉がまた麺との相性を抜群にしている。肉の脂も丁度良く感じられる。

 

そして、この鶏チャーシューだ。
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下味もしっかりとついて、こちらは脂がそんなになく引き締まっているが、硬くなく、これまたスープとの相性が抜群だ。

ハム。

うーん、うまい。

こりゃやはり当たりだな。

 

ズルズルッ

ズズズズー♪

 

ズズズズー♪

 

ズルズルズルッ♪

ズズズズー♪

 

ズズズズー♪

 

ふぅ、やはりあっという間だったな。美は儚いものだからな。

 

ご馳走さん。うまかったよ。

ありがとうございましたー。

 

ラガ♪

いやー、もうこの辺は山に近いせいかまだ少し寒いな。ま、時間の問題か。

 

次郎は車に乗り、八甲田ゴールドラインへと登っていった。

 

気温は寒いが芽吹きそうな蕾があちらこちらの木々に目立ち始めていた。

 

 

続く。

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オールウェイズ @青森市

次郎的には青森最高のラーメン。

スープ、麺、チャーシュー。すべてバランスよく丁寧な仕上がり。

3.6次郎