函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

駒繋 ラーメン 弘前

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お、こんなところにあったのか。

次郎は弘前で車を転がしていた。

今日は非番。ゆっくりと起き出して、朝昼兼用のラーメン屋を探していた。

 

今日は青森市まで車を転がそうとして走っていた矢先、その店は唐突に現れた。

こんなとこにラーメン屋があったとは。

何度も通っているのに全く気がつかなかった。

なんだ店の名前は。

こましげ…か。

まぁいい。

次郎は車を停め入店した。

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ガラ♪

いらっしゃっい。

清潔な店内。入った直後に食券機。先客は2名。まぁ時間も2時だしな。

 

さてと…やはり醤油ラーメンだな。駒繋醤油ラーメンが、全トッピングっぽいな。これにしよう。それと、この280円のチャーシュー丼だな。960円と280円で、1240円か。まぁそんなもんか。

次郎は発券された券を店員に渡し、カウンターに座った。

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水は…コップはあそこだな。

次郎はカウンターの端に置いてあったグラスを取り、水を注いだ。

そして、あっという間に2杯飲み干した。

3杯目を注いでいると。

 

チャッチャッ♪

 

チャッチャッ♪

 

チャッチャッ♪

湯切り音が聴こえて来た。

 

そそるな。

次郎は独りごちた。

 

お待たせしました。チャーシュー丼と駒繋醤油ラーメンです。
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ほほう!意外にも、美しいクリエイティブ。これは東京でもいけるビジュアルだな。
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美しい。チャーシュー丼も、端の部分というよりこの為に作ってるビジュアルだ。こりゃ期待できるぞ。
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さてと。まずは兎にも角にもスープだよな。
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スッキリ醤油か。

ズズズ。

うまい。醤油の味が濃い目だな。
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これは鶏チャーシューだな。

塩味が下味で効いてうまいな。丁寧な仕事だ。
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お、このチャーシューほろほろ系だな。しかもまぁまぁ分厚い。

店長の丁寧な仕事ぶりが伝わるな。
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メンマも細竹みたいなやつだな。こりゃいい。

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ほほーう。卵も半熟。鉄則だな。

そして。
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細麺のストレートか。少し黄色いな。

ズルズルッ!!

ズルズルッ!!

ほほーう、いい仕事してるなこの麺。茹で加減もちょうどい。

 

ズルズルッ。

ハムハム。

チャーシューがほろほろだな。

 

ズルズルッ、ズルズルッ。

ズズズズー。

うまいぜ。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、

ハムハム。

いや、ほんとチャーシューがほろほろだ。

 

ズルズルッ、ズルズルッ。

ズズズズ。

ズズズズ。

ズズズズー♪

 

ふぅ。うまかった。ここは当たりだ。上品かつパンチもある。仕事ぶりが丁寧。そして、昼を外せば混んでなさそうだ。こりゃリピートあるな。ははは!

 

次郎は内心ホッとした。

青森にはなかなかリピートしたくなるラーメン屋がなかったからだ。今日心強い味方を一人得たのと同じだった。

 

ラガ♪

ありがとうございましたー。

 

今日はついてるぞ。

次郎はそう言うと車に乗り込んだ。

 

空は黒雲が覆い、一雨きそうな雲行きだった。

 

 

 

続く。

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駒繋(こまつなぎ)@弘前

花言葉は希望。清潔な店内。感じのいい店員。ラーメンも美しくうまい。醤油スッキリ系。クリエイティブは東京レベル。劇混みしてないのもまた良い!リピート確定。

3.5次郎

 

しじみラーメン和歌山 ラーメン 弘前

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なに、ミートソルジャーに開店待ちの列が!!

次郎は弘前を流していた。

久しぶりにランチに肉を食べようと兵士の気持ちを思い出し、ミートソルジャーに向かっていた。

しかし、1120の開店前のミートソルジャーの前に人だかり。

 

むむむ。今日はやめておこう。

さてと、困ったな。

次郎は車で考えあぐねていると、和歌山しじみラーメンとの文字が飛び込んできた。

綺麗そうな店内だな。えい、ままよ、今日はここにするか。

 

そういうことにした。

 

店の前にはメニュー看板が。

定食もあるのか。弘前らしいな。

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ガラ♪

清潔な店内。奥に座敷まである。先客は1名。

次郎は空いてるカウンターに座った。

さてと、まぁやっぱりしじみラーメンだな。

大貝で。

はいよ。

厨房から湯気が上がっている。雰囲気はいい。

 

チャッチャッ

チャッチャッ

 

ゆっくりとした時間が流れている。

 

はい、お待たせしました。
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来たな。なかなかのビジュアル。
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透明なスープ。身体に良さそうだ。

ズズ。

塩味は濃いめだな。意外と濃厚な味。
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十二湖のしじみ。大きいな。

うむ。味も濃い。
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細ストレート麺。悪くないだろう。

 

ズルズルッ。

ズルズルッ。

うん。なかなか。

 

ズルズルッ。

ズルズルッ。

スッキリしててうまいな。身体にいい気がしてくるぜ。

 

ズズズズー。

意外と濃い味。

 

ズルズルッ。

ズルズルッ。

ズズズズー。

ズズズズ、ズズズズー。

 

あっと言う間の戦いだったな。

おい、会計頼む。

ハイ。1100円です。

ほらよ、釣りはいらないぜ。それで新たなしじみでも買うといい。

次郎は、店員の手のひらにキッチリ1100円をねじ込んだ。

 

ラガ♪

ありがとうございましたー。

 

ふぅ、つゆを飲み過ぎて汗がでてくるな。

もしかしたら、冬はもう終わりなのかもな。

 

遠目に見える八甲田山上空の雲が入道雲の体を成していた。

 

続く。

 

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しじみラーメン和歌山@弘前

スープの色の通りスッキリだが濃いめ塩味。しじみは12湖産。写真のしじみは大サイズ。スープも体に良さそうで結構飲んでしまう。

3.3次郎

 

麺屋鷹虎 ラーメン 弘前

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次郎は雨が降り続く中大館方面へ車を転がしていた。大館に次郎が東京にいた頃から付き合いのある准教授が田舎の大館にいるとのことで車を走らせたのだった。

 

矢車の野郎、久しぶりだな。

次郎は車内でそう呟いた。

 

しかし、11時半か。こりゃ飯を食ってからだな。

次郎は県道の260号線を南下して走っていた。確か県道からほんの少し入ったところにラーメンがあるとシニアアソシエイツの柳沢が言っていたっけな。

 

と、言ってるそばからラーメン屋の旗が見えた。

あれか!

次郎は通り過ぎてから∀ガンダムのようなUターンを決めた。

ふぅ。ここだな。

ガラ♪

いらっしゃい。店内はやや広めだがテーブル席が割とぎっちり配置され狭い印象を与える。次郎は空いたカウンターに座った。昼少し前、まだ席は空いていた。

 

なかなか盛況だな。さて。

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なるほど。

おい。

ハイ。

白味噌ネギラーメンとネギ豚飯を頼む。

かしこまりました。

 

まぁ初回はおススメだな。

次郎は目の前の水差しから水を注ぎ、一気に飲み干した。

 

店には次から次へと客が入ってくる。

タッチの差だったな。

 

はい、お待たせしました。f:id:hidekinghenry:20200225231924j:image

ほほう、かなり濃い目の味噌ラーメンだな。

やはりネギをトッピングして正解だったな。

 

どれ。
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ズズ。

む、意外と甘いな。とんこつが入ってる分トロミがあるな。少し甘すぎるかな。
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中太縮れ麺か。

ズルズルッ。

ふむ、悪くはないな。スープによく絡む。

チャーシューは。

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まぁ、悪くないだろう。ちょうど良い柔らかさ。

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ネギ豚飯は、350円の割にかなりの肉量だ。ネギもたっぷりでいいな。

ハムハム。

うん。なかなかいい。

 

ズルズルッ。

ズズー。

ズルズルッ。

ズルズルッ。

ズズズー。

 

ハムハム。

ハムハム。

 

ズルズルッ、ズルズルッ、ズルズルズルーッ。

ズズズ、ズズズズ、ズズズズズズー♪

 

ゲフッ。

完食だな。

 

さてと、会計頼む。

こちらへどうぞ。

 

1230円です。

ほらよ。釣りは不要だ。

それで白味噌でも買い足しな。

 

次郎はキッチリ1230円を金皿に叩きつけた。

ラガ♪

 

相変わらず止まねーな。

そう呟くと次郎は車に乗り込んだ。

 

サーサーと降り続く雨。大館方面の雲は一段とその厚さを増していた。

 

 

続く。

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麺屋鷹虎@弘前

白味噌とんこつスープがベースの味噌ラーメン屋。白味噌は甘めだが味は濃い。さらにとんこつでとろーりしている。味が濃い割に全体としては少しパンチ不足か。

3.3次郎

ひらこや 㐂ぼし ラーメン 青森

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さてと、小腹が減って来たな。

次郎は青森市内で車を転がしていた。竜飛岬周辺でフィールドワークを行った帰りであった。

今日の収穫はあまりなかったな。大して資料になりそうなものも得られなかったしな。

ここは、ガッツリしたもんを食って1日を収めるか。

 

暫く転がしていると、左右に店が立ち並ぶ一角に出た。

 

今なんか小洒落たラーメン屋があったな。

次郎は∀ガンダムのようなUターンを決めた。

 

おお、ここだ。

「中華そば ひらこや㐂ぼし」

なんて読むんだ?まぁいいか。

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ガラ♪

いらっしゃーい。

清潔な店内。流行りの雰囲気、厨房のピリっとした空気。

おそらく、ここは混むんだろう。

あたりの予感がする。

いくぶん晩御飯には時間が早いからか、店内は6割程の入りだった。

ちょうど良いタイミングだ。f:id:hidekinghenry:20200225231036j:image

なるほど。シンプルなメニューだな。ここは…

おい。

ハイ。

バラそば中を。

ハイよ。

 

バラ入ります。

強面の店員が麺を湯に投下する。

 

湯気が換気扇にドンドン吸い込まれていく。

さながら竜巻だ。

次郎は湯気となり、心は換気扇にドンドン吸い込まれていった。

 

チャーチャッ、チャーチャッ♪

 

チャーチャッ、チャーチャッ♪

 

はい。お待たせしました。

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ほほう、素晴らしいクリエイティブ。

まるでバラ(薔薇)の花だな。クククッ。

次郎は独りごちた。

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どれ。

次郎はバラ肉を頬張った。

バラだけに薄く、柔らかだ。

うん、うまいな。この薄いのがバラのいいところだ。
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スープは…

ズズッ。

俺の好きなスッキリ系だな。煮干し味か効いてるがくどくなく、少し酸っぱいな。醤油か。
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麺は、中太ストレート麺か。

ズルズルッ。

少し柔らかいな。まるで津軽そばだ。

まぁ致し方なし、か。

 

ズルズルッ

ズルズルッ

ハマハム

ハムハム

ズズズズー♪

 

なかなかいい。バラ肉が食べても食べてもなくならないから、常に麺と一緒に頬張れるな。贅沢だ。

 

ズルズルッ

ズルズルッ

ハマハム

ハムハマ

ズズズズー♪

 

ズルズルッ、ズルズルッ

ハマハム、ハムハマ、ハムハム

ズズズズ、ズズズズー♪

 

プハー。食ったなー。

満足だ。

 

おい、会計頼む。

あちらでお願いします。

 

次郎はレジに向かった。

850円です。

ほらよ。なかなかうまかったぜ。釣りはとっときな。それでバラ肉でも調達するといい。

次郎はそう言いながら、金皿にキッチリ850円を叩きつけた。

 

ラガ♪

もう、すっかり夜だな。

さてと、帰るとするか。なかなかいい店だったな。

 

バタン、ブロロロロー♪

次郎の車は夜の闇に滑らかに滑りだしていった。

 

続く

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中華そばひらこや 㐂(き)ぼし@青森市

煮干し出汁スッキリ系。くどくなく美味しい。バラ肉が花びらになったバラそばがおすすめ。

店内も清潔で、流行ってる感がある。強いて言うなら麺が少し柔らか過ぎる印象。

3.45次郎

麺屋宝 ラーメン 田無

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所沢でフィールドワークとはな。

次郎は西武新宿線に乗っていた。東京は所沢ににあるとある大学の助手から研究室に来て欲しいと言われたのだった。

 

ふん、所沢は意外と庭なんだよな。しかし、実はその前に西武新宿線の急行が停まる駅、田無で降りるとしよう。

 

田無は昔次郎が子供の頃祖父が住んでいて良く訪れた駅だった。

懐かしいぜ。そういえば最近では田無に確かヒムロクといううまいつけ麺やがあったよな。

だが今日は別のつけ麺やに行こう。確か駅近だったはずだ。

次郎は田無駅南口を降り左手に行き、小道を入った。

 

お、ここだここだ。あったぜ。

一見、オープンしているのかわからない黄土色の暖簾。

「麺屋宝」とある。

ガラ♪

いらっしゃいませ。

11時半。先客は2名。

次郎は空いてるカウンター席に座った。

L字型のカウンター席が8席程度の広さだった。

 

どれ。

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メニューは至ってシンプル。

こりゃつけ麺一択だな。

 

おい。

ハイ。

つけ麺並みで。お宝トッピングで。

ハイ。

ふう。

 

次郎は目の前にあった水を飲んだ。

夫婦2人の経営。旦那が生真面目に麺づくり作業を行い、女将はそれ以外を担当する風情。

旦那がキッチリ麺の量をはかり、丁寧に茹で始める。キッチリ分数を計り、ラーメンの器を温める。

 

時がゆっくりと過ぎる。

 

そのうち麺は茹であがり、旦那はキッチリとチャーシューを炙る。卵を用意。

 

ピピピピピ♪

タイマーが鳴ると、茹でた麺を素早くザルに入れ、女将は一気に麺を冷水に晒す。

流れるようなコンビネーション。

まるでバドミントンのオグシオか…

次郎は独りごちた。

 

 

ごとり。

おまちどお様。

来たか。
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ほほう。丁寧な仕事振りが伺える盛り付け。
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卵も美しい。
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スープは、見た目にはよくわからん。

元々はラーメン派だからな。

 

さてと。
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麺はモチモチだな。

タレにつけて。
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ズルズルッ、ズルズルッ。

やはりモチモチだ。タレがこの量で足りるのか分からんが悪くない。
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そして、旦那の丁寧に炙ったチャーシュー。

ハムッ。

うむ、香ばしくて柔らかさも丁度いい。

 

ズルズルッ。

やはり、麺と合わせてこそ本領発揮だな。
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やはりチャーシューだな。

ズルズルッ。

麺とともに喰らうべきだろう。

モチモチだ。

そして…
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黄身が溢れ出す卵。まずいわけがないな。

次郎はつゆにつけて一気に頬張った。

ふほ!

トロトロだ。

すぐに麺を食わないと。

ズルズルッ。

ふぅ、うまいぜ。

 

おお、なんだかあっという間になくなっちまいそうだ。

 

ズルズルッ

モチモチッ

ズルズルッ

モチモチッ

 

ズズズズー♪

 

ふぅ。麺がモチモチしてる分意外と後から腹にくるな。

 

ごちそうさん

会計頼む。

 

1150円です。

と女将。

 

ほらよ。釣りは取っときな。それで新しいサエ箸でも買いな。

 

次郎はキッチリ1150円を女将の掌にねじ込んだ。

ラガ♪

 

食ったな。田無は意外と店がありそうだ。

次郎は再び駅に戻った。

お、丁度急行だな。

次郎はいそいそと西武線に乗った。

 

ふぅ、所沢では何が見つかるか、お手並み拝見といくか。

 

次郎を載せた電車がゆっくりと発車した。

間違えて新宿方面に乗ってしまった次郎。

次に停車した上石神井駅で遅ればせながら気づくのだった。

 

続く。

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麺屋宝@田無

つけ麺がイチオシ。店主のラーメン作りへの丁寧な振る舞いが目立つ。麺はもちもち、チャーシューも直前で炙る。味はもう少し濃くてもいいかなぁ。

3.3次郎

希須林 ラーメン 赤坂

 

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お、今日は1人しか並んでないな。

 

次郎は赤坂にいた。ゴッドハンドでマッサージを受けた帰り、ふらりと覗いた担々麺の店「希須林」。

いつもは長蛇の列。しかし今待ちは1人。行くしかない。

次郎はその後ろに並んだ。

 

担々麺は渋谷の亜寿加が次郎の中ではナンバーワンだったのだが、それが閉店してからというもの、あまりコレだという店がない。

 

確か広告代理店の敏腕営業マン、トンダ林がここはうまいと言っていたっけ。

 

そうこうしているうちに、気がつくと次郎の後ろに、すでに7人並んでいた。

ほんとに偶然だったんだな。ついてるぜ。

次郎は独りごちた。

 

お客様どうぞ。

ガラ♪

次郎は中に入った。

さてと、メニューは担々麺か排骨担々麺しかないんだな。期待できる。

 

では。ぽちっとな。1280円か。

まぁまぁするな。

ここは、大辛だよな。

 

次郎は食券を渡した。

はいよ。

 

空いていたカウンターに座った。

そういえば、隣の女が野菜増しとか言っていたが…まぁいい、一見なので黙っておくか。

次郎は水を一杯飲み干した。

 

白飯は無料オーダー制か。

ザーサイも無料だな。

 

おい、白飯を頼む。

はいよ。

 

 

お待たせしました大辛です。

来たか。

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辛そうなビジュアル。しかし素晴らしいクリエイティブだ。
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どれ。
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ズズ。

次郎はスープを啜った。

ほほう。スープは赤色に似合わずクリーミー。う、しかしやはり後味は辛い。
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麺はストレートな細麺だな。悪くないだろう。

ズルズルッ。

うまい!

 

クリーミーなスープと麺が良く絡み合い素晴らしいハーモニー。

そして、モヤシのザクザク感がたまらない。

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そしてこの排骨。

衣がスープと溶け合い、しかして肉はしっかり歯ごたえがある。うまい。

 

ズルズルッ♪

ズズズズー♪

ズルズル♪

ズズズズー♪

 

ひやー、汗がすごいぜ。しかし辛ウマだ。

ズルズルッ♪

ズズズズー♪

ズルズル♪

ズズズズー♪

白飯をスープにつけて、スープカレーのように食うのもいいな。ザーサイがうまいこと口をサッパリさせるぜ。

ハムハム。

 

ズルズルッ♪

ズズズズー♪

ズルズル♪

ズズズズー♪

 

ふぅご馳走さんと。一気にいったな。

いやー、亜寿加の継ぐのはここだな。しかしこの混雑がたまにキズだ。時間を外して来るしかないな。

 

 

ふん、またくるとしよう。

ありがとうございましたー♪

ラガ♪

 

いやー、まるで風呂上がりの汗だな。

次郎はタオルだ汗を拭いた。しかし、北風はまだまだまだ冷たく、次郎の半径0メートル以外は真冬の景色だった。

 

 

続く。

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希須林@赤坂

担々麺の有名店。昼時は必ず行列ができるので時間をずらした方が無難。メニューは担々麺か排骨担々麺。もともと野菜が多いが、野菜とつゆはマシマシにできるらしいので食券を渡す時に言うべし。辛さは中辛がちょうど良さそう。

とてもクリーミーなスープだが辛味もあり、スープも麺も排骨もうまい。ご飯無料。ザーサイ無料。ザーサイがご飯にもラーメンにも合う。

3.7次郎

 

 

北京亭 中華 神保町

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次郎さん、ここの町中華がうまいんすよ。

次郎は敏腕広告代理店マンのトンダ林と神保町の街を歩いていた。

次郎も神保町は長らく通っているはずだったが、ここの店は入ったことがなかった。

うぬぬ、やるなトンダ林、さすが一流代理店マン。色々知ってやがる。

次郎は、昔広告代理店マンだけには、店探し術で負けまいと心に誓っていた。

大分負けないようになっては来ていたものの、やはり完勝するのは難しい。あちらは仕事、こちらは趣味。歯がゆいぜ。

次郎は独りごちた。

 

ガラ♪

イラッシャイマセー。

店に入るとシェフたちは中国語で喋っていた。

うるさいな。まるで中国っぽいぜ。

店には、有名人の色紙がずらり。古いものもあり。昔から有名だと窺い知れた。

ち、さすがトンダ林。

 

さてと。まずはビールにしますか次郎さん。

お、おお。

オネーサン、生二つ。

ハイ。

 

かんぱーい。

次郎さん、どーですか青森は?

ううーん、まぁまぁかな。やはり東京ほど美味い店がないな。

そりゃそーですよねー。

じゃここの中華で東京の町中華を楽しみましょう!

 

じゃ、餃子、豆苗炒め、それと砂肝の唐揚げ。

それと、鶏肉とカシューナッツの炒め物!

 

ハイ。

ふぅ。オーダーまでセンスを感じさせる。

負けられん。

 

トンダ林の景気はどうだ?

まぁ、まぁまぁかなぁ。なかなか小売業界も厳しいんすよねー。接待も減りましたねー。

そういうトンダ林は嬉しそうだった。

の割には、顔がほころんでるな。

まぁ楽にはなりましたね。

 

ふん。そーいうものか。

 

ハイ、砂肝デス。

突如沈黙は破られた。

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ほほー。うまそうだ。この塩がいいな。

次郎はおもむろに唐揚げを頬張った。

カリ、サク、ぎゅ。

おお、こりゃあうまい。

ですよねー。これ好きなんすよー。

さすが看板メニューだ。これだけでビールがいける。

カリ、サク、ぎゅ。

うまいな。砂肝の肉汁がカリカリの衣と相まって、さらに塩がそれを引き立てる。当たりだ!

カリ、サク、ぎゅ。

 

ハイ、鶏肉とカシューナッツデス。f:id:hidekinghenry:20200225233838j:image

来たな!うまそうだ。

このとろみ。次郎はさっそく、カシューナッツと鶏肉を一緒に頬張った。

カリ、ギュギュ。

うーん、うまい。この鶏肉と甘辛のあんた、カシューナッツの食感がたまらん。たまに来るピーマンのザクッとした感じもまた。

ですよねー。

ふん、トンダ林め、イエスマン力もキチンとあるぜ。それで何人のクライアントがたぶらかさられたことか…まぁいい。

 

ハイ、豆苗です。

これ待ってたんですよー!

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うまそうだ。

ザクザクッ。

トンダ林は勢いよくかきこんだ。

うまそうに。

次郎も負けじと頬張った。

ザクザクッ、ザクザキュッ。

うまいぜ、この中華油がまたなんとも。

 

ハイ、餃子です。

ほほう。この餃子も柔らかそうだ。

皮も薄く、俺好み。

ですよねー。

ち、またもやイエスマン力を見せつける。

しかし、うまいので仕方ない。

 

じゃ、高菜チャーハンを頼む。

ハイ。

 

相変わらず、シェフたちは中国語でうるさく会話している。トンダ林との会話も自然と大声になる。

全く痩せちまうぜ。ふふ。

 

ハイ、チャーハンデス

来たな。どら。
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く、うまそうだな。やはり町中華はチャーハンだ。キムチを入れてもよかったかもな。

ムシャムシャ。

ムシャムシャ。

締めはやっぱりチャーハンすねー。いや待てよ、次郎さんこの店の後ラーメン屋考えたません?

 

ん?よくわかったな!

抑えめですもんねチャーハンまでの品数が。

さすがだ。さすがの先回り。まだまだ現役だなトンダ林よ。

ははっ、次郎さんもでしょ。

ムシャムシャ、ムシャムシャ、ムシャムシャ、ムシャムシャ…

 

2人の食べる音が響くが、すぐにシェフたちの大声でかき消される。

 

ゲフッ。

食ったな。会計といくか。

 

すね。会計お願いします。

ハイ。

7800円です。

ほらよ。ここは割り勘で。俺が大きい方でいいな。

は、はい次郎さん。

ほらよ。

次郎はトンダ林の手のひらにキッチリ3900円をねじ込こみ、先に店を出た。

 

トンダ林の怪訝な顔が一瞬見えたような気がしたが、構うことはなかった。

 

ラガ♪

ふぅ。うまかったな。神保町もまだまだ奥が深い。

ラガ♪

お待たせです。さて、何ラー行きます?

ふん、このバブル時代最後の生き残り感がたまらねぇな。

ですよねー。ははははは。

2人の笑い声は夜風に吹かれて、水道橋方面に消えて行った。

 

続く。

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北京亭@神保町

老舗の町中華。なに食べてもうまい。とくに砂肝の唐揚げは絶品。

3.5次郎