函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

生姜ラーメン マニッシュ② 神田

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さてと、今年の食べ納めはどこにするかな。

次郎は迷っていた。年の瀬も差し迫ったある日、年内最後のラーメンは何にしようか迷っているのだった。

 

おやじの店覆面智は3日程前に行ったばかりだしな、うーむ、西麻布楽観も行ったばかりだしなぁ。

ううむ…

 

そう悩みながらおやじのブログをみると、ふと思い出した。おやじがうまいといっていた神田のマニッシュがあったな。たしか、うまかったはずだ…よし、そこにしよう。

 

次郎は銀座線に乗った。神田で降りると4番出口をあがり、淡路町方面に向かった。しばらく歩くと大通りに出て、そこを渡ったところに件の店、マニッシュはある。

肉バル店のあるビルの地下に降りていくと薄暗い店内が見えた。

 

いらっしゃい。

昼時の11時50分。しかし店中は空いていた。それもそのはず、既に御用納めも終わり、サラリーメンが皆無の状態だったからだ。

 

さてと、小さな食券機で、ラーメン肉増しを購入だな。

ちょうど1000円だった。

釣り…もなしか…

次郎は独りごちた。

 

食券を店員に渡し、席に着いた。そして目の前の水をがぶ飲みした。

 

店員は丁寧に仕事をしている。

大鍋に麺を入れ、その間にスープを作っていた。

 

チャッ、チャッ、チャッ、

 

チャッ、チャッ、チャッ、

 

麺を丼に入れ、茹でて味付けされたチキンを丁寧に盛り付けていく。

 

 

お待たせしました。

ごとり。

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見事なクリエイティブ。美しい。

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クリアな塩生姜スープ。

ズズズ。

 

うまい。やはりうまかった。

キリリとして生姜の味が口に広がる。このままスープを飲み干してしまいたい衝動にかられる。

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そして、安定の細麺。ツルツル系。スープとの相性もぴったりだ。

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そして、この鶏肉。でかい。しっかりした塩味。柔らかい。そして、量が多い。何個入っているんだ…いや贅沢だ。

 

ズズズズッ

 

ズズズズッ

 

うまい。肉と麺を同時に口に放り込む快感。スープも一緒に飲みながら麺を啜ると、口内でスープ、麺、肉の三重奏がブラームスの調べのように厳かにしかし軽快に響き出すようだ。

 

ズズズズー

 

ズルルー

 

ズズズズー

 

ズルズルー

 

ズズズズー。

 

うまい。

ぷひょー、あっという間に完食だ。危なくスープを飲み干しちまうところだったぜ。

 

いやー、いい締めになったな。

生姜のおかげで体もポカポカだ。

むしろ、汗が噴き出しちまうぜ。

 

 

ご馳走さん。また来るぜ。

ありがとうございましたー。良いお年をー。

 

おう。

次郎はコートを手に抱え、地上にでた。

 

ふぅ、しばらくはコートいらんな。

そう言うと次郎は神田駅に向かって歩きだした。

 

やばいな、この通りはラーメン屋が多い。また入っちまったら事だな。締めれなくなっちまう。まぁ、それもまた年末の一興か。

次郎はまたも独りごちた。

 

コートを持って歩く額の汗を乾かすように、一陣の北風が次郎の頬を打つのだった。

 

続く。

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生姜ラーメン マニッシュ@神田

塩生姜ラーメンの店。池袋の塩そば桑ばら、巣鴨の生姜は文化の姉妹店なのかな。むしろ親店か。スッキリした塩味で濃厚な生姜のスープが特徴的。チャーシューは鶏肉。ボリュームもあり、スイスイ食べれちゃう。

3.7次郎

 

カムイ スープカレー 神田

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こんなところにスープカレー屋が。

次郎は神田から秋葉原に向かって歩いていた。年の瀬の迫った冬の日、街に人影はまばらだった。

ガード下に差し掛かると担々麺の店に人が並んでいた。それを一瞥して通り過ぎようとしたところにその店はあった。

 

なんだ?変なアニメのポスターが貼ってあるな。しかし、スープカレー屋のようだ。

うーむ…

ここであったが100年目か、よし入って見よう。

 

ガラ♪

いらっしゃっい。

 

入るといきなりそこが厨房だった。前金制で注文してから二階の席に上がるようだ。

 

うーむ、ポーク野菜カレーで。辛さは3番。ライスは無しで。

はい、かしこまりました。

840円です。

ほらよ。釣りはいらねーよ。

840円を店のおばちゃんに手渡した。

 

狭い階段を上がると二階は4.5畳ほどの広さに席が7席ほどあった。その手前に座った。

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なんだ、ここは、アニメ喫茶とのコラボ…なんだかなぁ。

次郎は居心地悪く待った。

 

はい、お待たせしました。

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ほう、これはカレーだな。赤いな。

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トマトがかなり主張している。まるまる入っているしな。スープもトマトの風味がすごいな。コクはある。

野菜の1つ1つがまるまるだな。

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そして、角煮だ。

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なかなか分厚い。食べ応えがあるな。なんだか、ミネストローネシチューを食べているようだ。白飯がなくてもいけるな。

 

ズズズ

 

ズズズズズズズズー

 

ふう。

ご馳走さん、と。

 

長居は無用だな。

次郎は立ち上がり、階段を降りた。

 

外には並ぶお客が2、3人いた。

並んでるな。

 

ラガ♪ 

またな。

 

ありがとうございましたー。

 

さてと、秋葉原まで行ってみるか。

次郎は靖国通りを渡り、泉橋を渡っていった。

 

続く。

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カムイ@神田・岩本町

岩本町にあるスープカレー屋。アニメ喫茶か何かと常にコラボしているらしい。店内にアニメの写真がずらり。土地柄か。スープカレーはアッサリ系でトマトの味が強いコクのあるスープ。どちらかというとシチューか。

3.2次郎

 

 

 

 

おでんと山賊焼き猪頭(いとう) 藁焼き屋 東梅田

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お、ここか。

次郎は大阪に出張していた。

明日から仕事だが…やはり前日はうまいものってな。

次郎は独りごちた。

 

 

ガラ♪

いらっしゃい。

寝屋川で予約しているはずだが…

お連れさん、もういらっしゃってますよ。

 

こっちっす、次郎さん。すす。

おう。早いな寝屋川。

ピッタリっすよ。

 

 

次郎は偶然同じ時期に大阪に出張していた寝屋川と東梅田で晩酌することになっていた。

 

 

さてと、ここはどーやって見つけたんだ?

いや、ググって見つけました。初めてっす。すす。

 

そうか。ま、まぁいい。とりあえずビール2つ。

すね。

 

さてと…

ここは、藁焼き屋とおでんの店らしいんで、冬にはもってこいですよ次郎さん。コスパも良さそうですしね。

 

そ、そうか。

よし、兄さん!

はいよ。

 

じゃ、おでん…春菊、大根、餅巾着だ。

それと、地鶏焼き、ハラミ焼き、それと…野菜焼き。そして、山芋のとろろ焼きだ。

 

はいよ。

 

しかし、うまい偶然が重なったものだな。

すね!

 

私は明日は神戸でアポなんですよ。

そうか。

 

神戸でステーキでもランチで食おうと思ってるんす。すす。

 

そうか。

俺は梅田で何を食うかなぁ。まだ決めてないんだ。

二人とも夕食を食べる前から翌日のランチを気にしている食いしん坊だった。

 

はいよ、ビールとおでんです。

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ほう、美しいクリエイティブだ。柚子胡椒の付け合せがいいな。

 

おお、うまい。出汁も効いて、関西風のおでんだ。大根はつゆをたっぷり吸ってみずみずしい。春菊もしゃきしゃきだ。そして、餅巾着は間違いない。揚げが出汁をたっぷり吸って、餅との見事なコラボ。

 

 

はい、ハラミ焼きです。

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お、藁焼きのハラミ焼きか。

うん、ジューシーでうまいな。

すね!!

 

地鶏焼きです。

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うお!これはうまそうだ!

ほう!これもジューシーで味も濃い目。柚子胡椒とバッチリ。口の中に地鶏の脂が広がる。皮の焦げ目がまたうまいな!

こりゃ当たりだな!でかした寝屋川!!

 

すね!どもっふ、はふはふっ。

寝屋川も食べながら御満悦の表情だ。

 

 

野菜焼きです。

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しいたけ、ねぎ、そして山芋か!

この椎茸ジューシーで、中から椎茸のつゆが溢れる。ねぎも弾けるな。そして、山芋はサクサクで塩がまた合う。はふっ!

 

おい、塩レモンサワー頼む。2つな。

うまいっすね次郎さん!

だな!でかした寝屋川!はふはふっ。

 

はい、山芋トロトロ焼きです。それと塩レモンサワーね。

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きた!こりゃまたそそるビジュアル。黄味を潰してしまいたい衝動に駆られるな!

 

やるか?

すね。次郎さんお願いします!

お、おう。

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グオー、予想通りトロリときたー。

次郎のテンションもマックスだ。

 

ぐしゃぐしゃ。

次郎は山芋をかき混ぜた。

2つに取り分け、寝屋川に渡す。

 

ありがとうございまっす。すす!

 

うん!うまい!そして甘い。しかし、しょっぱい。この二律背反な感じがまたうまい。山芋独特の柔らかさも、ねばねばもたまらん!

あっという間になくなってしまった。

 

グビグビッ

プハー!この塩レモンサワーたまらんな。

 

すね!うまいっす!すす!

 

 

よし、次はどーする?

 

もう一回おでんいきましょう!次郎さん。

 

わかってるな寝屋川!

ざす!

 

オネーサン、玉子、大根、厚揚げね!

それと、塩レモンサワー2つ!

 

 

いい出張だな、寝屋川!でかした!

すね!

 

ははははは!

はふはふっ!

はははははー!

 

梅田の夜は更けていった。

 

続く。

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おでんと山賊焼き猪頭@東梅田

藁焼きとおでんの店。豪快な地鶏の藁焼きとおでんとのコラボ。値段はリーズナブルで見た目も豪勢。二人でも大人数でもいける。出張にちょうど良い。

3.55次郎

 

 

 

覆面智23 ラーメン 神保町

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今年も食い納めだな…

次郎は独りごちた。

 

年末も差し迫った日、次郎はオヤジのラーメン屋、覆面智にいた。10月毎週のようにあん肝ラーメンを食べるために通い、年内はもうあん肝にはありつけないと思っていた。

 

しかし、しかしだ。

12月に再びあん肝牛骨ダブルスープのラーメンをやるとツィートしているではないか。

 

こ、こりゃあ、いくしかねーだろオヤジ!

次郎は舌なめずりをした。

 

朝早く起き、神保町にむかった。

駅に着き、いつも通り嫌が応にも小走りで店舗に着いた。

 

幸い、まだスペシャルラーメンは残っていた。1500円。なかなかするな。

ポチッ。

スペシャル押し、カウンターに座り、食券をおやじに渡す。

 

はいよ ー。

トッピングは?

 

味玉、青唐…海苔で。

はいよー。

 

チャッチャッチャッ

 

チャッチャッチャッ

 

チャッチャッチャッ

 

スチャッ。

 

ごとり。

はいよー。お待ちね。

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ぐお!きたー!なんてクリエイティブだ!

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こんなにあん肝が…

ぐお!うめぇ!濃厚過ぎる!

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あん肝に隠れた牛骨に付いた肉が!

ホロホロだな!歯ごたえもあってうまい。しかし、このスープ、濃厚過ぎる。味も層が厚く、濃い。

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くー!この味玉よ!気味がこぼれ落ちる…

うまい!

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小麦細麺。食べやすく、スープによく絡む。

ズルズルッ

 

ズズズズー

 

ズルズルッ

 

ズズズズー

 

ズルズルッ、ズルズルッ!

 

グオーウメー!死ぬー!

 

ありがとよー♪

おやじもニンマリだった。

 

ごとり。

プハー。ご馳走さん。

 

ありがとねー。

また来るぜ。

 

良いお年をー。

良いお年を。

 

後ろ髪引かれる挨拶。

確かに今年は食べ納めだな。

 

また来年も頼むぜ、おやじ。

次郎は独りごちた。

 

続く。

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覆面智@神保町

あん肝牛骨ラーメン。ダブルスープ。間違いない。濃厚で山盛りのあん肝と、濃厚な牛骨スープ。死ぬほどうまい。

 

3.9次郎

 

 

 

龍眉虎ノ尾② 黒酢酢豚 中華 西麻布

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だ、ダメだ、我慢できねえ!!

次郎は自転車に乗った。

 

青山を通り過ぎ、西麻布の交差点に出た。偉そうに走る白バイに一瞥をくれると交差点を渡り、目当ての店、龍眉虎ノ尾に着いた。

 

一度牛バラ土鍋麻婆定食を食べ、気に入った店。しかし、その時隣の女が黒酢酢豚を食べていたその黒色感を忘れることができなかった。

 

牛バラ麻婆定食がうまかっただけに、きっと黒酢酢豚も間違いないはず…そう確信していた。

 

ガラ♪

お一人様?

見ればわかるだろう。

次郎はカウンターに案内された。

 

さてと、メニューを見るまでもないが…

ぐ、羊肉とクミンの炒め定食、牛角煮と卵の土鍋定食、、、うまそうなメニューがつらつらと…

い、いかんいかん、目移りしやがって!俺としたことが。し、しかし…

 

おい。

はい。

く、黒酢酢豚を頼む。

はい、かしこまりました。

 

ふぅ、危なかったぜ。

やられちまうところだった。

まさに危機一髪だったな。

 

 

はい、どうぞー。

隣の客に羊肉とクミンの炒め定食が運ばれてくる。青々しいネギがうまそうだ。

く、え、ええい、未だに迷うとは…この店…

 

最高かよっ!!

次郎は独りごちた。

 

お待たせしました。酢豚です。

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うお。素晴らしいクリエイティブ。

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なんて黒酢!酸っぱくてうまそうだ!!f:id:hidekinghenry:20181217143015j:image

脇を飾るこの卵海苔スープも中々だ。f:id:hidekinghenry:20181217143009j:image

飯わかめご飯か。ひと手間かかった仕事ぶりが期待させる。

次郎はおもむろに酢豚に箸を入れた。

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うお!肉がでかくて、且つぎっしり!

黒酢もたっぷりつけてと。

 

ぐお!!うまい!なんじゃこりゃ!

酸っぱくて甘くて、揚げたての豚肉の衣がジュワっと暑く、それを包む酸っぱ甘い黒酢と相まって口の中が幸福で満たされる。やはりうまい。

 

二口目はやはり。

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こういうことだよな。わかめご飯の上にバウンドさせた酢豚。黒酢が白飯に絡まる。

うまい!パリパリの外側がほんとにうまいな!

 

この蓮根もでかいが…

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うまい!やはりな!サクサクして、それがこの黒酢に絡まるとまた表情を変える。くっ、うまいぜ。牛バラ麻婆もうまいが、この酢豚もうまい。

 

次郎はメニューを見返した。

羊肉のケッパーぴり辛炒め…うまそうだ。

また来るしかねぇな。

こんなにリピートしたくなる店も中々ないぜ。

 

ゲフッ

ふー、一気に食ったなぁ。

ズズズズ。

セットの中国茶をのんだ。これも中々。

 

おい、会計頼む。

はい、1200です。

ほらよ。釣りはいらねーよ。

次郎はキッチリ1200円手渡した。

 

それで新しい豚肉でも仕入れな。

ラガ♪ 

 

1時30分だというのに、次から次へと客がやってくる。

人気店になるのも時間の問題かもな…

次郎は独りごちた。

 

店の前に止めていた自転車に次郎は跨った。

さてと、行くか。

 

ブルッ

さぶっ!

 

暖かい中華を食べたというのに…

本格的な冬到来だな。

 

次郎は広尾方面に自転車を転がした。

続く。

 

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龍眉虎ノ尾@西麻布

紅虎餃子房のハイブランド。味は一級品!夜のコースは高いが、最近アラカルトも受け付け始めたらしい。

土鍋料理が押し。しかし酢豚、坦々麺なども人気。

3.7次郎

 

 

 

中村玄 中華 恵比寿

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いやー、次郎、久しぶりだな。

ああ。お前らもな。

次郎は年の瀬、昔の仲間との忘年会に参加していた。久しぶりに会う面々は皆元気そうだった。

 

中村玄。

皆で卓を囲むとなれば、やはり中華一択か。

 

しかし、この中村玄。

店の名前も人名のようで特徴的だが、一見普通のマンションの一室に入るような入口。入ってみるとまるで店。適度な猥雑館。鼻をつく香辛料の匂い。

 

 

期待させる。

 

 

店のチョイスは普段から包み込む営業マンとして巷を鳴らしている友人の町田だった。彼から学んだ包み込む段取り術は、その後次郎の人生を1/10000も変えた。

 

 

さすがだよ、町田。

次郎は独りごちた。

 

 

さてと、みんな。

コースの飲み放題。1人6000円だ。ここの火鍋は汁無し。今夜はとくと楽しんでくれ。まずはビールからだな。

 

町田が得意の講釈を垂れた後、お通しの唐辛子のスナック、ビール、そして1品目の酔っ払い海老が運ばれてきた。

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ほう。この唐辛子、辛くない。むしろ丁度良い辛さ。サクサクしてて、ビールに合いそうだ。

カンパーイ♪

 

いやー、どうだった今年は?

え?まぁまぁだな。会話が始まり、二品目の蒸し鶏が運ばれてきた。

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ほお。なかなかのビジュアル。アッサリしててうまい。やはり、この店なかなかいいぞ。

そして、火鍋への期待感は増していった。

 

はい、スペアリブの黒酢餡かけです。f:id:hidekinghenry:20181214172220j:image

なに!これは素晴らしいクリエイティブだ。ドロっとしたどす黒いあんがとてもうまそうだ。

 

はう!うまい。

スペアリブの肉を食い千切ると、そこに甘酸っぱい餡がトロリと絡まってくる。これはたまらん。

 

そして、天津が運ばれてきた。蒸篭の蓋を開けると中は焼売だった。

どれどれ。
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うむ。これもなかなか。ぎっしり系のシューマイだな。

 

よし、紹興酒いっちゃおーか。

絶妙なタイミングで町田が紹興酒をオーダー。

先に頼むことで、紹興酒とともに、メインの火鍋が同時に運ばれてきた。

 

さ、さすがだよ。

次郎は独りごちた。

 

はい、火鍋です。

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ぐお、これは圧巻のビジュアル。うまそうだ。熱々、ぐつぐつ、ビリビリだ。

しかし、辛さは二番目で適度な辛さ。シシトウ、しいたけ、えのき、豚肉。

これらがこの香辛料まみれのスープと混ざり合い、絶妙な味に変化している。

うまい。

辛い。

そして辛うまい。

 

むしゃむしゃ。

グビッ。

紹興酒が効くぜ!

 

プハー。

うまいな。しかし。

だろー。

いやー、うまい。

だろーー。

 

いやー、うまい。

でしょー

ははははははっ…

 

 

仲間たちの夜は更けていった。

 

続く。

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中村玄@恵比寿

恵比寿駅前を線路沿いに少し上っていったところのマンション2階の一室にこの店はある。外観やドアではここに店があるとは思えないが、ドアを開けると別世界。

料理は辛い汁無し火鍋が有名な中華。他の一品もうまい。特にスペアリブの黒酢餡かけ。4人以上で訪れたい。

3.6次郎

 

 

 

ボス タイレストラン 高田馬場

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うう…ピリっとしたものが食いてぇ。

午後8時。次郎は電車で高田馬場に向かう途中、無性に辛い肉が食べたくなった。

こうなると仕方ない。他のものは何も手につかなくなる。

 

次郎は車中、そばでぺちゃくちゃ喋っている体育会系大学生たちに一瞥をくれながらひたすらググった。

 

うるせぇな。

お?タイ料理か。ガパオ、うまそうだな。

よし、今夜はタイだ。

 

どこがいいんだ?ふむふむ。

目当ては三軒だな。

よししらみつぶしに当たってみるか。

 

戦略は決まった。

次郎は学生たちのぺちゃくちゃをBGMに目を閉じた。

 

 

プシュ〜

電車のドアが開くと、途中の乗客を押しのけ、一直線に改札を出た。

高田馬場駅前のビックボックスを右手に見ながらその横を上り、左に折れ、1軒目の店、ボスに着いた。

ここだな。

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幸い、この時間だ。空いているだろう。

ウィーン♪

思った通りガラガラだ。

 

いらっしゃいませ。

1人だ。

お好きなところにどうぞ。

次郎は空いてるテーブル席に座った。

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壁に掲示してあるお勧めを見た。そのあとにメニューブックを見た。

なかなか多彩だな。期待できるぞ。

 

おい!

はい。

 

トムヤムクンスープ。それと、生春巻き、そして、この挽肉炒めだ。多いか?

 

うーん、どうでしょう。

 

ま、まぁいい、それで。

はい、わかりました。

 

量がわからんが今の次郎の勢いかるすると、それはものの数ではなかった。

 

置かれた水をがぶ飲みする。

待っている間に再び壁のメニューを見た。

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く、この炒め春雨が気になるな。炭水化物は今のところ頼んでいないしな…うう…

 

 

おい!

はい。

 

この炒め春雨頼む。

はい、かしこまりました。

 

最初の多いかどうかなんて質問が馬鹿らしいぜ。人生は一度きりだ。

 

次郎は心の中で強がりを言った。

 

はい、お待たせしました。

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おお、なかなかのビジュアル、そしてボリュームがある。これで650円か。
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しっかり海老も入ってるな。次郎は甘だれをつけて頬張った。うむ。うまい。ぎっしり入っている。この甘だれも昔は眉をひそめたが、今は慣れてきたぜ。なかなかだ。

 

はい、トムヤムクンです。

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ほお、ここでも温めるのか。なかなかの心遣いだ。

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出汁が効いてそうのスープだ。

うん、うまい!これよこの酸味を待っていたのよ。

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海老もしっかり入ってるな。しかし、この酸っぱさがたまらんな。

 

はい、炒め挽肉です。

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きたー!これだよ明智くん。この肉を待っていたのだよ。

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くー、うまそうだ。

この挽肉は貪り食べたくなるんだよな。

 

ぐお!うまい!ギシッとした食べ応え、溢れる肉汁、つきささる唐辛子。これだよ!明智くん!

 

はい、炒め春雨です。

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ほぉ。写真と比べるとすこし穏やかな色だ。

どうだ?

 

ほぉ、味は焼きそばだな。うまい。春雨だからヘルシーだな。ははっ!

 

むしゃむしゃ

 

ズズズズ

 

むしゃむしゃ

 

ズズズズー

 

ふぅ。

何だかんだ腹一杯だな。

やはり、多過ぎたな。腹が減ってるとつい頼んじまうんだよな。

まぁ一期一会だしな。

これがいかんのだが…

 

 

えい、ままよ。

次郎は独りごちた。

 

 

ご馳走さん。

ちょっと残しちまったが、まだまだ奥が深そうな店だ。また来るとしよう。

 

 

おい、会計頼む。

はい。

3600円です。

お、まぁリーズナブルだな。

 

 

ほらよ。釣りで新しい春雨でも仕入れな。

コップンカップ、と。

 

キッチリ3600円をテーブルに叩きつけ、次郎は席を立った。

 

ウィーン♪

 

ゲフッ。

腹一杯だな。よし、早稲田まで 1駅歩くか。

しかし、なかなかさぶいな。

冬到来か。

 

まぁ早稲田まで歩くとラーメン屋に入っちまうからな。やはり山ノ手に乗ることにしよう。

次郎はそう呟くと、JRに向かった。

 

駅前のロータリーではいくつかのサークルの学生たちが嬌声を上げている。高田馬場に昔からあるお馴染みの風景だ。

 

次郎は立ち止まり、焦点を合わせることもなく、その陰影をぼんやりと見た。

 

俺にもあんな頃があったな…

次郎は懐かしさと共に、切ない気持ちになっていた。

しばらくその影たちを見やり、次郎は再び歩き出した。

 

高田馬場駅に疲れたサラリーメンが吸い込まれていく。

次郎はその雑踏に紛れていった。

 

続く。

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タイレストラン ボス@高田馬場

タイレストランはいくつもある高田馬場。その中でも屈指の味。種類も豊富でそそるメニューが多い。3、4人がベストではあるが、1人も可。

 

3.55次郎。