じゃあまた、何か新たな発見がありましたらご報告いたします。
おお、頼むぞ!次郎くん。
しかし、すまんな今夜は夜ご飯一緒に行けず。
いえ、大丈夫です。また。
またな。
そういうと教授は踵を返し、いつものようにアッサリとずんずん遠ざかっていった。
ずんずんずん。
さてと。では、目当てのとんかつ屋に独り向かうとするか。
まぁいつも独りだがな。
次郎は自嘲気味に独りごちた。
赤坂のビズタワーの見附駅側の裏手にその店はあった。
「とんかつ末吉」
半二階のような形で入口は路面から階段を数段上がったところにあった。
時は18時30分。予想外に空いていた。
ここはランチが激混みなのだろうな。
ガラ♪
いらっしゃいませ。
カウンター奥どうぞー。
次郎は勧められるがままカウンターの奥に座した。
さてと。
やはりロースかつだよな。しかし、カキフライにも惹かれる。今日は初見だし、やはりロースか。いや、カキフライは捨てがたい…
えい、ままよ。
おい。
はい。
ロースかつ定食と、カキフライ単品はいけるか?
カキフライ個数単位でいけますよ。
なに!それはありがたい。では、カキフライも三個頼む。
はい、かしこまりました。お水置いておきます。
次郎は置かれた水を飲み干した。
ふー、もういっぱい。
はいよ。
どうぞ。
次郎は、今度はゆっくりと置かれた水を飲み干した。
ふー、もういっぱい。
はいよ。
どうぞ。
次郎はカウンターの隣の客を見た。かつ重を食べている。
うーむ。うまそうだな。つぎはかつ重か。
ふふ。常にその先を考えてしまうなんて、俺は藤井九段か。ははは。
次郎は独りごちた。
はい、お待たせしました。ロースです。
ほう、値段も1300円。厚さはこんなもんだろう。しかし、衣はサクサクそうだ。
はい、続いてカキフライです。
ほほーう!これはデカくてうまそうだな。
豪華な顔ぶれだ。教授の分までいただくとしよう。
そして味噌汁とライス、おしんこが置かれた。
これはいい。豪華だ。
カキフライはやはりタルタルだよな。
ソースもかけてダブルソースだよなやはり。
サクサクッ、ジュワー♪
うま。ほんとにサックサクだな。こりゃいい。
ザクザクッ、ジュワー♪
うまい。
さて、ロースカツはどうだ?
最近は分厚いカツばかりだからな。このぐらいが食べやすくていい。まずはソースだよな。
サクッ。
うーん、うまい。
次は醤油だな。
サクッ。
うーん、この醤油味がまた抜群なんだよな。衣がしっとりして、噛むとその衣からまた醤油が出るんだよな。いやー、いい。
サクサクッ。
うまい。
また、カキフライに戻ろう。
時を戻そう。
ザクザクッ。
うーん、うまい。
サクサクッ。
ザクザクッ。
サクサクッ。
ザクザクッ。
ズズ、ズズズズー。
うーん、この豚汁うまいな。
ズズズズー♪
ゲフッ。
ご馳走様。
おい、会計頼む。
はい、2200円です。
ほらよ、釣りはいらねーよ。それで高いラード
でも買うといい。
次郎はきっちり2200円をカウンターに叩きつけた。
ラガ♪
いやー、満足だ。ロースカツだけだとすくないが、カキフライの追加は完璧だったな。さすが次郎様だ。
さて、と。
そういえば六本木に餃子と黒酢酢豚のうまい店があったよな。
うーむ。流石にないかぁ!はは。
次郎はそう言いながら六本木方面へ消えていった。
昼間は春を迎えつつあるはずの東京、しかし夜風はまだまだ強く冷たかった。
続く。
とんかつ末吉@赤坂
ザクザクした食感がうまい昔ながらのとんかつ屋。昼は混雑、夜は狙い目。リーズナブルな値段。
3.5次郎