函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

かつ吉 とんかつ 弘前

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うー、食べたい。

醤油をかけて、しっとりとして且つサックリとした衣、ほとばしる肉汁の出る脂身とギシッとした歯ごたえのある赤身…

 

そんなとんかつが無性に食いたい。

次郎は弘前で車を流していた。

 

土手町、鍛冶町、城東エリア。弘前の繁華街を流してもチェーン店以外はなかなか見つからない。

 

諦めかけたその時、ふと運転席から助手席を見ると、年季の入った店構えで、「かつ吉」

とあった。

 

ほほう。駐車場もあるな。行くしかあるまい。

次郎は車を停め店に入った。

 

ガラ♪

いらっしゃいませ。

11時35分。先客はいなかった。

広めの店内の奥の座敷に陣取る次郎。f:id:hidekinghenry:20200110011944j:image

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さてと。やはり、ロースだな。しかし、特ろうすかつでいこう。

 

おい。

ハイ。

特ろうすかつを単品で頼む。あと味噌汁もな。ご飯はいらん。

ハイ。

最近次郎は白飯を抜く習慣を続けている。たくさん食べるにはこういうところからだな、

次郎は独りごちた。

 

店員が離れる隙に次郎は置かれた水を一気に飲みほした。

 

おい。

ハイ。

水お代わり。

ハイ。

 

再び水が置かれ、店員が去る。

その隙に、またも次郎は水を一気に飲み干した。

 

そうこうしているうちに、件のロースカツが着弾した。

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おい。

ハイ。

水お代わり。

ハイ。

一瞬店員に白い目で見られたような気がしたが、構いやしなかった。

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さてと。
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なかなかいい感じのクリエイティブ。

醤油をかけて…と。

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次郎は頬張りかけて、箸を止めた。

いや、いかんいかん、まずはキャベツから食べて、急激な血糖値の上昇を避けなければ。

まるで棒読みのセリフだった。

 

醤油をキャベツにも少し掛け、貪る次郎。

あっという間に食いつくした。

 

おかわり自由か。

おい。

ハイ。

キャベツお代わり。

ハイ。

すぐにキャベツがやってきた。

 

次郎は再び醤油を少し掛け、キャベツを貪り食べだ。

 

ふう。これでよし。

おい。

ハイ。

キャベツお代わり。

ハイ。

次郎は再びキャベツの乗った皿を見た。

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うまそうだ。よし!

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次郎は今度こそとんかつを一切れ頬張った。

 

サクッ。じゅわ〜♪

ふほほ!

うまいじゃねーか。醤油が衣を少ししっとりコーティング。脂身から肉汁がほとばしり、赤身はちょうど良い歯ごたえ。

 

合格だよ。

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サクッ。

じゅわ♪

 

ウマ〜い!

サクッ!

じゅわ♪

 

うー♪

こりゃいいや。

 

あっという間に食べつくした。

そばにあった味噌汁で口を直した。

ふぅ。

 

いやー、満足したな。腹八分目。これで我慢だ。

次郎は独りごちた。

 

 

おい。

ハイ。

会計頼む。

ハイ。

1350円です。

 

ほらよ。釣りはいらねーよ。新しい醤油でも買いな。

次郎はテーブルにキッチリ1350円を叩きつけた。

 

ラガ♪

ありがとうございましたー。

 

ふぅ。また雪か。さすが雪国だな。

次郎は空からちらつく雪の結晶に向かって呟いた。

白い息がこぼれ落ちる。

 

ふん。

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誰に言うでもなく、次郎は車に乗りこんだ。

 

続く。

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かつ吉@弘前

地元のとんかつ屋。衣薄め。ボリュームのある特ろうすかつがおすすめ。なかなかうまい。カツサンドも有名とのこと。次はカツサンドも。

3.4次郎