浅虫温泉か…
次郎は先週に引き続き浅虫温泉にフィールドワークに来ていた。
しかし、あまり目ぼしい発見はないな。
次郎は独りごちた。
さてと、そんな時は昼飯だな。
次郎は浅虫温泉の駅付近で車を走らせていた。
ん?
駅前食堂…確かに駅前だが。
いわゆる食堂だよな。
まぁいいか。他にあてもないしな、入ってみよう。
次郎は近くに車を停め、入店した。扉は開いており暖簾が外との仕切りになっていた。
次郎は暖簾をくぐり辺りを見回した。先客は5名。意外といるな。
いらっしゃい。カウンターどうぞ。
お、おう。
次郎はカウンターに座り、壁に貼ってあるメニューを見た。
うーむ…ラーメンだなこりゃ。
おいおかあさん。
はい。
ラーメン一つ。
はいよ。
カッチコッチ、カッチコッチ。
静謐な時間が過ぎてゆく。
カッチコッチ、カッチコッチ。
ゴトリ。
おまちど。ラーメンね。
次郎の前にラーメンが置かれた。
ほう。なかなか美しいクリエイティブ。
透き通ったスープ。
ズズッ。
ふむ。醤油のアッサリスープ。悪くない。
麺はどうだ?
ズズッ、ズルズルッ♪
ズルズルズルッ♪ 細麺で、柔らかく、食べやすい。このスープには柔らかい麺が合うな。
ほう、このチャーシュー、でかいな。
む。
脂身もキレやすく、食べやすい。味もなかなか美味。こりゃうまいな。
ズルズルッ、ズルズルッ、
ズズズズー♪
ズルズルッ、ズルズルッ、
ズズズズー♪
ズルズルッ、ズズズズ
ズズズズ、ズズズズー♪
ふう。ごちそうさんっと。
あっという間だな。
おい、会計頼む。
500円です。
む、キッチリ500円玉しかねぇ。しかたねぇな。ほらよ。くれてやる。持ってけドロボー。
毎度。
次郎は再び暖簾をくぐった。
ふー。浅虫温泉にでも入っていくか。
次郎は車に向かって歩いて行った。
次郎を照らす午後の西日は、一週前とは打って変わって柔らかな光だ。秋を感じさせる一陣の風が次郎の体を吹き抜けた。
続く。
ラーメン@駅前食堂 浅虫温泉
駅の目の前。昭和を感じさせるラーメン屋。しかし、なかなか美味。ノスタルジーに嵌るにはうってつけ。
3.3次郎