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こんなところに一幻が。
しかも店からの海老の匂いがすごいな。これは間違いない、札幌の一幻か。
もう腹一杯だがいってみよう。
次郎は飲んだ帰りフラフラと霧雨の六本木を歩いていた。
すると、新しくできた風な一幻というラーメン屋に出くわした。
札幌で人気のラーメン屋一幻。
千歳空港にも入っているが、そこではいつも長蛇の列の人気ぶりだった。
しかし、六本木の夜10時、雨だからか、客はほとんどいなかった。
チャンスだな。
次郎は独りごちた。
入り口に男女の若者が入るか入らないかでぺちゃくちゃしている。
20秒ほど待つ。
若者はぺちゃくちゃしている。
更に20秒ほど待つ。
若者はぺちゃくちゃしている。
次郎はバシルーラを唱えた。
しかし、若者はぺちゃくちゃしている。
どうする?
ええい、どけ小僧ども、おまえらはカップラーメンでも食っていろ!
次郎は若者を押しのけ店内へと入った。
ガラ♪
ふぅ。これだから若者は困る。
食券機を見ると、塩ラーメンが1番人気とあった。こりゃ塩ラーメンだな。780円か。
ポチッと。
次郎は食券を店員に渡し、カウンターに座った。
セルフの水をがぶ飲みした。
そして、二杯目を飲み干した。
飲んだ後で喉がカラカラだった。
次郎が三杯目を注いだころ、ラーメンが着弾した。
お待たせしました。
ほう。塩と言っても、味噌みたいだな。または豚骨だ。
かなり、ドロりとしたスープだ。どれどれ。
ズズ。
ふむ。やはり豚骨系だな。海老の匂いがすごいな。
このピンクの粉は海老を削ったものだな。凄い匂いだ。しかし、嫌な臭みなどはないな。スープと調和している。
麺は太麺と細麺が選べると書いてあったが、次郎はデフォルトの太麺にした。
太麺といってもそんな太くないな。合格だ。
ズルズルッ
ほう、食べやすいな。やわらかいがもっちりしている。
海老のスープと一緒に食べた方がうまいな。
チャーシューは薄いな。一枚だけか。これは少し物足らん。悪くはないがな。
ズルズルッ
ズズズー
ズルズルッ
ズズズズー
ズルズルッ
ズズズー、ズズズー、ズズズズー。
ゲフッ。
食っちまったな。ご馳走さんと。
まぁまぁだったな。〆には丁度いいかもな。
ラガ♪
あばよ。
ありがとうございましたー。
若者はまだぺちゃくちゃしている。
次郎はバシルーラを唱えた。
しかし、なにも起こらなかった。
ふぅ。
そうかもな。
次郎は腹を抑えながら六本木通りにでて、タクシーに乗り込んだ。
梅雨はまだまだ終わりそうになかった。
続く。
えひそば一幻@六本木
札幌で有名な海老ラーメンの店。そこまででもなかった。飲んだ後の選択肢の一つか。
3.3次郎