やっとこれたぜ。
長い道のりだった…
はーるばる来たぜはーこだてー♪
と、再び函館に来た次郎。
今回は前回食べれなかったこの店にどーしても来たかった。
吉田商店。函館で、いや、日本で、いやむしろ世界で一番うまいスープカレーが食える店である。
ふぅ、もはや感動だな。
ガラ♪
いらっしゃい。
一人だ。
奥のカウンターどーぞ。
さてと。
次郎はメニューを開いた。そして、そばにあった水をがぶ飲みし、おかわりの二杯目もがぶ飲みした。
しかし、選ぶは一択角煮カレーだな。
いや、しかし、興奮が抑えきれん。
おい。
はい。
角煮カレー頼む。
ライスは普通。辛さは4。
トッピングは、まずは、スープ大盛り、チキンレッグ、焼きチーズ、納豆、そしてオクラの素揚げ。更にはラッシーも。
はい。かしこまりました。
ふー。頼み切ったな。
次郎は三度水を飲み干した。
まだ開店したばかり。店内は4組の先客がいた。やはり、12時を超えないことが掟だな。
はい、お待たせしました。
おお!来たか!!武蔵!!
ぐお、愛も変わらず素晴らしいクリエイティブ。
このシャビシャビ系スープ。たまらん。
ぐお!うまい!シャビシャビなのに、複雑で濃厚な味わい。4番の辛さはピリピリ始まる辛さ。完璧だ。
そして、この挽き割り納豆。カレーがネバネバを少し緩和し食べやすく、それでいてつぶつぶ一つ一つにスープが絡む絶妙のコラボ。
ターメリックライスと合わせると納豆スープカレーご飯の出来上がり。うまい!たまらんぞ!
武蔵ーー!
次郎は心の中で喝采した。巌流島に武蔵が到着した時の喜びは窺い知れない。
おお、このオクラの素揚げ。吉田商店には欠かせないトッピングアイテム。素揚げしてあるから食感はザクリ、中からオクラの身がプチプチ弾け、それがカレールーに絡むと極上の甘さ辛さが広がる。
そ、そして、来たー!
これよこれ。この角煮だよおやっさん。
柔らかく、すこし歯ごたえが残り、カレーを纏ったこの角煮紳士は、自らがトロトロなだけでなく、食べた人の心までトロかしちまう。
くー。うめー。この肉汁とカレーが最高だよ、おやっさん!
そう、そして、角煮にチキンレッグをトッピングする禁断の贅沢。
角煮はトロトロだが、チキンレッグはホロホロだ。スプーンのみで剥ぎ取れる柔らかさ。そして、骨の軟骨まで食べれちまう煮込み具合。
完璧だよ、おやっさん。
くお、うまそー。
鶏皮がスープを吸いこんでいて、またうまい。
盆と正月がいっぺんに来たようだよ!
十辺舎一九も言ってたってなおやっさん!
次郎は独りごちた。
ゲフっ。
食い過ぎたな。
まぁいつものことだ。
おい、会計頼む。
あちらでお願いします。
2150円になります。
ふー。あんだけ頼みゃあな。
ほらよ。釣りはとっときな。それで素揚げ用の油でも買いな。
次郎はキッチリ2150円を金皿に叩きつけた。
ラガ♪
いやー、このスープカレーがあれば人生他に何もいらねーな。
函館はこの店がある限り何度でも来ることになるだろうなぁ。
そろそろ五稜郭公園にも桜が咲く頃かな。では、湯の川で湯浴みでもしていくか。
ゴゴゴゴー♪
お、ちょうど来たな。
次郎はやってきた路面電車にすこし前に突き出た身体を滑り込ませた。
続く。
吉田商店@函館
スープカレーの名店中の名店。函館に来たら絶対行くべき店。角煮が最高だけど、それにチキンレッグと納豆を入れちゃう贅沢も。実は揚げ餃子も捨てがたい。やみつきになる味。休みが多いのでご注意を。
4.0次郎