お、おやじ!
会いたかったぜ!
次郎は、東京は神保町にいた。
時は水曜。都内での会議は午後から。
となればおやじの店で悪い奴を食うしかないだろう!
外は少々の雨模様。
しかし、そんなのかんけーねー。
まるで小島よしおだな。
次郎は独りごちた。
お、今日は渡り蟹出汁!
付いてるぞ!
しかも雨で外待ちは無し。
ガラ♪
いらっしゃーい。
お、戻ったのかい?
は、はい。まぁ。
少し嬉しい次郎。
食券機で悪い奴ラーメンのボタンを押し!
現金100円でトッピングの悪い肉を求めた。
都合1300円。
チャッ、チャッ、チャッ♪
チャッ、チャッ、チャッ♪
トッピングは?
ノリ、青唐辛子、味玉子で。
はいよ。
チャッ、チャッ、スチャッ♪
ごとり。
ズシリとした感覚と音。
くお、いつもながら見事なクリエイティブ。茶色を基調としたビジュアル。たまらんぞ。
渡り蟹がたくさん入っているだろうスープ。色からは判断できない。
ズズッ
くーーー!
たまらねーー!
蟹の芳しい香りとスープのコクがたまらねぇ!
うめぇ!
そして、この鳥の肉。
うまい。スープを引き立てている
。
そして、この玉子縮れ細麺。
ズルズルッ、ズルズルッ
くーーー!
うまい。蟹の風味が絡まり、ツルッと啜れるこのうまさ。おらぁ死んじまうよおやじ!
くーーー!
そして、この悪い肉。既に普通のホロホロチャーシューだけで充分なところ、濃い味の豚バラ肉。蟹スープ、青唐辛子と相まって、もはや表現のしようがないほど豪快で贅沢。
もはや、もうラーメンはここ以外食うまいと誓ってしまいそうになる。
ズルズルッ、
ズズズー、
ズルズルッ、
ズルズルズル、ズズズズー♪
プハーッ、うまかったぜ。
ゲフッ。
ふー、こうなりゃ神保町に住むしかねーか。
ふふ。
おやじ、ご馳走さん。最高にうまかったぜ!
どうもねー。
東京に帰って来たらまた寄ってよ。
泣かせるぜ!おやじ!
ラガ♪
次郎は店を出た。
雨が降っている。
しかし、心は晴れやかだった。
次はまたいつこようか。
今食べたばかりなのにな…
笑っちまうぜ。
足取りも軽やかに、次郎は再び地下鉄の階段を降りて行った。
続く。
覆面智@神保町
がんこラーメン一条流を受け継ぐ醤油味ラーメンの雄。次郎史上一うまいラーメンになりつつある。水曜日の会員限定の濃い味スープは神の領域。
3.9次郎