次郎くん、ラーメン食べようか。
あ、はい。
次郎はシニアアソシエイトの柳沢とフィールドワークから帰る道すがら、津軽温泉に寄っていた。津軽温泉は地元人向けの温泉で350円と入浴料は安かった。
お湯は豊富です柔らかく入るとすべすべして湯上りはいつまでもポカポカした。
外気がキンと冷たいため、ポカポカの身体には心地よい。
柳沢が車をかっ飛ばす。しかし運転は下手だった。
よし、着いたぞ次郎くん。
あ。ありがとうございます。
ここが、弘前で一番味噌ラーメンがうまいところだ。
ほう、強気だな。まぁ、入ってみてだな。
ガラ♪
2人。
座敷どうぞ。
席に案内された後、ちょうど夜の営業を閉めたところだった。
滑り込みセーフ、きっと柳沢は言うだろう。次郎は予測した。
「滑り込みセーフだな次郎くん。」
やはりな。読みやすい男だ、ククッ。
次郎は独りほくそ笑んだ。
さてと。ねぎみそチャーシュー麺一択だな。
すみません。
はい、どうぞ。
私は味噌ラーメン大盛りと餃子。
あ、すいません、餃子なくなっちゃったんです。そうか、じゃライス。
あ、すいません、ライスもなくなっちゃったんです。
つくづくついてない男だ。
次郎は独りごちた。
二人は目の前に置かれた水をがぶ飲みした。
はい、お待たせしました。
ねぎみそチャーシュー麺です。
うお、なかなかのボリュームだ。
意外とスッキリスープだな。
ふむ。味も、スッキリ系か。
麺は細麺で少し平打ちだな。悪くはない。
チャーシューは厚いな。なかなかうまい。
煮卵は少し硬めか。
ズルズルッ、ズズズズー、
ズルズルッ、ズズズズー、
ズズズズー♪
ふぅ、ご馳走さん。
うまかったね次郎くん。
ふん、まぁまぁだな。ま、柳沢先輩にはちょうどいいのかもしれん。ライスが無かったのが可哀想だがな。それも運命よ。
じゃ、お会計。
はい、980円です。
ほらよ。釣りはいらねーぜ。新しい味噌でも買いな。
次郎はキッチリ980円を金皿に叩きつけた。
ラガ♪
いやー、お腹いっぱいだね次郎くん。
ですね。
じゃ行こっか。
再び柳沢先輩の車に乗り込み、弘前駅に向かって二人は走り去った。
続く。
味噌ラーメンの店。ボリューム満点。あっさり系でバランスがいい。
3.3次郎