さてと、今夜は何を食うか…
どこに停めていいかわからず道を走っていると、車内からスープカレーの文字が見えた気がした。しかし道は一方通行。引き返したくても引き返せない。
ちっ、面倒な街だ。
次郎は毒づいた。
しかし、ほかに当てもない。
よし。
次郎は一方通行を迂回しつつ駐車場を探した。
ふん、まぁ少し歩くが仕方ない。
車を降り、件の店に向かった。
そこはいくつかの飲食店が入っているデパートのような造りのビルだった。
お、あったあった。やはり、スープカレーだな。ビルの奥に進んで行くとその店はあった。
待合のできる青い椅子が店外に並んでいる。混むということか?次郎の期待は高まる。
いらっしゃいませ。空いてるお席へどうぞ。
次郎以外は1組しかいなかった。
む?評価は微妙だな。まぁいいか。
次郎はメニューを見て、豚角煮カレーにブロッコリーをトッピングした。
店内は静かだ。他のテナントはまだ準備中というものが多く、まだあまり知られていないようだ。しばらくするとカレーが着弾した。
お待たせしました。豚角煮カレーです。
ほう。角煮でかいな!!
ぐお!でかい!
次郎はこのビッグフッドにかぶりついた。
柔らかい。角煮に間違いはない、か。
次郎は独りごちた。
スープはどうだ?
あっさりシャビシャビ系だな。
ふーむ、若干薄めだな。シャビシャビ系はすきだがな。
トッピングのブロッコリーはどうた?
ふむ、素揚げしてないのかな…
人参はうまいな。茄子もいい。
全体的には及第点だが、そこまで特徴はないな。
ズズズー。
ふぅ、完食と。
おい、会計頼む。
はい。1350円です。
ほらよ。釣りはとっときな。
それで新しい幻のスパイスでも買いな。
次郎はキッチリ1350円を金皿に叩きつけ、店を出た。
ふぅ、スープカレーはまだまだ成長の余地有りだな。名店吉田商店のある函館から近いが、出店数が全体的に少なすぎるのかもな。
まぁいい。これから開拓だな。
次郎はぶつぶつ言いながら駐車場に消えていった。
続く。
まだ出来たばかりの店のよう。味はもう少し深みを増してこないとリピートしずらいか。悪くはないけど。
3.1次郎