さてと、どこに行こうか…
次郎は休日、市内で買い物を済ませた後、夜飯の店を探していた。
なにせ弘前市に来たばかり。右も左もわからない。食べログで検索し、居酒屋土紋という店を探し当てた。
さてと、どんなもんか。駐車場もあるようだし。行ってみよう。
車を駅周辺に走らせて数分。道沿いに店があった。二台しか停められないスペースに車を割り込ませ、店に入った。
ガラ♪
やってます?
はい。どうぞ。
次郎はカウンターの左隅に座った。右隅にはサラリーマンが二人。
く、ここは、車じゃなかったな。
席に着くと豊杯という青森の地酒が何十種類と並ぶ冷蔵庫と青森を思わせる電光掲示版があった。
やはり、次は車はダメだ。
次郎は独りごちた。
はい、お通しです。
水とともにマグロの山掛けが提供された。
お、でかい。そして、トロロもマグロも素朴ながらうまい。これは期待できる。
じゃお母さん、注文。
はい。
イガメンチ、弘前豚の旨辛焼き、帆立の貝味噌焼き、筋子、白飯をお願いします。
はいよ。
ジャー♪
フライパンのいい音。
はい、お待たせしました。イガメンチです。
おお、うまそう!
どれどれ。
箸を入れると肉汁とイカ汁が流れ出る。マヨを付けて頬張った。
ふほ!うまい!ジューシーでイカがプチプチとイイ食感。たまらんな。
はい、弘前豚の旨辛焼きです。それとご飯ね。
おお!来たか真打ち。こりゃボリューミーだ。
そして、筋子ねー。
おお!筋子。イイ色だ。卵がツヤツヤして。
やはり、これだよな。
次郎は筋子をご飯の上に着地させだ。
いかん、なまっちまった。
うおー!やはり、熱々のご飯に筋子。少しだけ醤油を垂らして…。うまい!
さらには、旨辛焼き。肉が厚い。
おお、甘く、辛い。結構くちびるがヒリヒリするぜ。でもうまいな。この甘辛クセになる。そして、食べ応えもある。
はい、貝味噌焼きね。
ジュワー♪
ほほう!いい音が。貝の中に貝が入ってるのか。当たり前か!はは!
卵で綴じた鰹節、帆立、少量の野菜。出し汁の優しい味。美味だ。あつあつの今が勝負だな。
次郎はパクパクたべた。
ふー。
ゲフッ。
食い過ぎたな。いつもながら。
まぁ仕方ない。しばらくは移動のストレスで食う量が増すな。
仕方ない、雪も残ってることだしな。もう少ししたら痩せよう。
おい、会計頼む。
はい。
3780円です。
な、なに!安い!うまい、間違いない!
三拍子揃ったな。
ほらよ、釣りは取っときな。これで新しい豊杯でも買いな。
次郎はキッチリと3780円をカウンターに叩きつけた!
ラガ♪
また来るぜ。
ありがとうございました〜。
本当は豊杯飲みたかったけどな…仕方なく車のエンジンを掛ける次郎。
まぁまだ始まったばかりよ。
次郎は寒空の下独りごちた。
続く。
土紋@弘前駅
居酒屋。メニューはそんなに多くないが全部結構うまい。店の雰囲気も優しくておすすめです。飲まなくても一人でも入れる。金土夜は混みそう。
3.5次郎