うぃー、酔っ払ったなー。
次郎はある店の常連に誘われて、神田の日本酒祭りに出かけていた。
そこでしこたま飲んだ後、時間も早いので、神田駅の周辺でもう一軒行くことにした。
そこの常連の一人、おかまのYと入ったのは、ラム肉料理で有名な味坊とかいう下町中華。
ふん、この小汚さ、うまそうな匂いがプンプンするぜ。
いくわよ、次郎。
おいよ。
男二人はおもむろに店に入ると、二階に案内された。所狭しと机が並べられ、メニューや醤油などの調味料も隣席と共有だ。
メニューは多彩。さてと、何を頼むか…
ラム肉のクミン炒めは必須よ、次郎。
わかったよ。
よし、ねーちゃん。
ハイ。
ハイボール2つと、
ラム肉のクミン炒め、鶏肉の四川風炒め、香菜と青唐辛子のサラダ。
ハイ。
なんだ、店員はインドネシア人だろうか。
まぁいい。
ハイ。
ゴトン。
ハイボールが2つ先に運ばれてきた。
かんぱーい。
ハイ。
どしどしと料理が来た。さすが中華。頼めば早い。
おお、うまそうなビジュアル群。
次郎、食べなさい。
おかまのYがラム肉を勧めてくる。
わかったよ。どれどれ。
ほう!臭くない。柔らかい。クミンが効いて、なんだかカレーのような匂いがする。うまい!
こりゃ酒が進むぜ。
次にサラダを食べる次郎。
ほう!シャキシャキだな!このパクチーが良いアクセントで、レモン塩のような爽やかなタレがうまく香菜にあう。うまい!
そして、この鶏肉。四川風だけあって辛くてうまい。なんだこりゃ、どんどん食えるな。
うーむ、このラム肉餃子も気になるな。
いっちゃおうよ次郎。
よし、ねーちゃん。
ハイ。
ラム肉の餃子1つ。それとハイボール2つおかわり。
ハイ。
程なくハイボール2つが着弾。
2杯目の乾杯。
ぷはー。日本酒をしこたま飲んだにもかかわらず、中華料理の辛さで酒がどんどん飲める。
そして、餃子が着弾。
うぉ、きたな。
隣席の2人組から調味料をもぎ取る次郎。
醤油と辣油をドボドボと小皿に入れる。
餃子を醤辣油にローリングさせ、頬張る。
うま!臭みなし。ラムかどうかすらわからん。
ふー。だいぶ食ったな。締めるかY。
うーん…このラム肉ラーメンで締めようよー。
さすがだY。まだいけるのか。
おい、ねーちゃん。
ハイ。
ラム肉ラーメンたのむ。
ハイ。
グビグビ。
ハイボールを飲む続ける2人。
ぷはー。
ハイ、ドーゾ。
来たなラスボス。
色はいいな。
どれどれ。
次郎はYのためにラム麺を小皿に取り分けた。
次郎、さすがー、レディファーステストー。
正確にはジェントルメンズファーステストだぜ。
次郎は独りごちた。
ズズ、ズルズルッ!
うお!臭みがな…いや、むしろいままでに比べ、だいぶラムの匂いがする。
ズズズズー。
うお、スープもラムの匂いがするぜ。
すんごーい♪
Yの野太い声が響く。
ズズズズ、
ズズズズー、
ゲフッ。
食い過ぎたぜ。
だねー。
よし、ねーちゃん会計たのむ。
ハイ。
5636円!
何!安いな!
ふん、ほらよ。今日は俺が払ってやるぜ。
さすがー、次郎ー。
Yの野太い声が響く。
ほらよ、ねーちゃん、釣りはとっときな。
それで、新しい醤油差しでも買いな。
次郎は、キッチリ5636円を机に叩きつけた。
いくぞ。
あいー。
もう食えねぇし、飲めねぇ。
ねー。
さてと、帰るとするか。
そう言うと、次郎とおかまのYは銀座線に消えていった。
続く。
味坊@神田
ラム肉を食わせてくれる下町中華。店は混雑している。何でもうまい。コスパも良い。たくさんの人数で来て、たくさん注文したい。
3.6次郎