函館次郎の独りごち飯。

東京近郊のうまくて並んでない店を探す男のドラマ

龍眉虎ノ尾 中華 西麻布

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さてと、用も済んだことだし、一旦帰るかな。

ん?静かな西麻布だというのに、休日に

ランチがやっているとは…

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見れば、小綺麗な外壁に暖簾がかかっている。

龍眉虎ノ尾?なんだこりゃ?

中華か?

次郎は暖簾の奥を覗き込んだ。客が三組程度入っている。内装もできたばかりなのか綺麗だ。

1時か、よし、ランチにしちまうか。

ガラガラ♪

はい、いらっしゃいませ。

カウンターどうぞ。

次郎はカウンターの奥に陣取った。

さてと…

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何がいいのだろうか。

厨房には1人、仕事の丁寧そうなコックが忙しく働いている。

カウンターに置かれた器が目を引いた。厨房も清潔。これは名店の予感。
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お茶のサービスがデフォルトなのが高級中華の匂いがする。水差しも綺麗だ。

 

ふむ。黒酢酢豚やチャーハン、担々麺も捨てがたいのだが、これはメニューの1番左上に記載のある土鍋シリーズの豚ばら肉と豆腐のマーラー煮だな。

よし、兄さん。

ハイ。

この1番左上の土鍋シリーズの豚ばらと豆腐煮で。

 

少し辛いですが大丈夫ですか?

 

任せとけ。

ハイ、かしこまりました。

 

さてと、待っている間にコックの動きを肴に水をがぶ飲みする次郎。

プハー、うめぇ。

 

5分ほどして件の土鍋がでてきた。

 

ぐつぐつ♪

おお!凄い!!ぐつぐつだ!そしてうまそうだ!!
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これは当たりだな。間違いなく。

ではスープから。
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うーん、辛い。しかし辛過ぎず、香辛料の旨みがたっぷりと口を満たす。
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どれどれ。旨そうな豆腐と豚ばらだ。

ふほっ!はふっ!

熱い。しかし、旨い。豆腐が熱くてうまい。f:id:hidekinghenry:20181027135242j:image

そしてこの豚ばら。味が染み込んで柔らかくうまい。これは山椒か。素晴らしい隠し味だな。

よし、頼んでおいた生卵を使ってみるか。

次郎は卵を割り、器に溶いた。箸と器が奏でる卵溶き協奏曲。これが食欲を煽る。

そして、ダイブだ。
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うおー!すき焼きじゃー!中華風すき焼きじゃー!殿ー!殿はおりますんかー!!

次郎は心の中で喝采した。

うまい。思った通りや。香辛料の角をうまくまろやかに包み込む。たまらん。

しかし、これは半分くらいは鍋に入れちまおう。

そして、この白飯で…?

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おお、この白飯、単なる白飯かと思いきや、豆のようなものが入っている。炊き込みか!

憎い一手間だ。

そして、卵を入れた場所に、レンゲですくった飯にスープをくぐらす。
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ぐお!これがまずいわけがなかろうて!!

天下布武もまもなくですぞ殿!

はふはふっ!

まだ熱い。圧巻の保温性だ。土鍋シリーズは間違いなく当たりだ。

旨い!やはり卵もこの辛いプースーのコラボ。半端じゃねぇ。

 

はふはふっ

 

ううっ

 

はふはふっ

 

ううっ

 

ぷはー。

ご馳走さん。

次郎は既に汗だくだった。顔から汗が滝のようにほとばしる。

こりゃタオル必須だな。

 

おい、兄さん、会計頼む。

ハイ。

1350円です。

 

ほらよ。釣りはとっときねぇ。

これで新しい卵でも買いな。

キッチリ1350円を手渡す次郎。

 

うまかったぜ!

ラガラガ♪

 

ふー、熱いぜ。身体中が目覚めちまったようだ。

額から汗が噴き出す。

秋にしては暑い陽光が真昼の西麻布を照らし出す。

 

西麻布に新たな名店発掘だ。嬉しい悲鳴だぜ。

次郎は独りごちた。

しかし、発汗がすげーなこりゃ、シャワーでも浴びるか。

首の汗を拭いながら、次郎は西麻布の交差点を渡って行った。

 

続く。

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龍眉虎ノ尾@西麻布

西麻布の交差点から渋谷広尾方面に一本入ったところにある高級中華店。しかし、昼はリーズナブルにランチが食べられる。なんでもうまそうだが、土鍋シリーズは確実にうまい。特にこのマーラーは辛いが食べる価値あり。再訪必至。

3.7次郎