ぐ〜、きゅるる〜♪
ち、腹が泣いてやがる。
次郎はジムで汗を流した後、昨日の夜から何も食べていないことに気がづいた。
さてと、しかしな。
ここ一月、次郎はジムに通いダイエットに成功していた。
せっかくのダイエット効果が…いや、俺はそんな玉じゃなかろうよ。
次郎は独りごちた。
さてと、とはいえ既に1時半か。そういえば西麻布に隠れ家的なラーメン 屋があると寝屋川が言っていたな。偉そうに。
どれどれ。
次郎はググった。
ほう。変なところにあるなぁ。仕方ない、行ってみるか。
次郎は自転車で青山通りから西麻布に降りていった。
どこだ?
ぬ、ぬお、こんなところに。
コリャ気づかんな。
次郎の前に先客が2名。
中に8名入れるらしいからな。1回転の待ちか…仕方ねぇ。待つか。
しかし、こんなところ、知らなきゃ来れんな。まだまだ奥が深いぜ東京は。
次郎は独りごちた。
待つこと10分。ドヤドヤといっぺんに5名が出てきた。
よし、いけるな。
読み通り、次郎は店内に案内された。
ガラガラ♪
狭いながらも小綺麗で和風な店内。
なるほど。店内は京風だな。メニューは醤油の琥珀か、パールの塩か。チャーシュー丼もあるのか。限定は辛い醤油か…
よし、大将。
へい。
特製琥珀大盛りだ。
へい。
特製には海苔、玉子半分、チャーシューが入ってくる。
ボリュームは上品との下調べだったので、始めから大盛りで勝負だこのヤロー。
待つこと7分42秒。
ゴトリ。
はい、お待ちどお様です。
お、おおお、これは美しい。
正に琥珀色の醤油スープだ。
ほう!甘い!香りもキツくない。片口鰯、昆布の出汁なのか。昆布の優しさ、そして、こだわりの醤油がこの独特の甘さを引き出している。うまい。暴力的なオヤジの店とは違う上品な旨さだ。しかし、キッチリ味は濃い。やるぜ。
麺は?
ほう。細麺だな。麺に絡みつく玉ねぎの微塵切りがそそるな。
ズズ、ズルズルッ!!
ほう!これまた上品な。
この玉ねぎ、かなりうまい。
麺とスープと玉ねぎの相性が抜群だ!
ズルズルッ
ズルズルッ
ズズズズ!
ぅまい。スープが病みつきになる。
そして、
旨そうなチャーシューだ。中々厚い。ほんのりピンク。
ちょうどよく柔らかく、食べ応えもある。このスープと麺にちょうど良く合うぜ。
ズルズルッ
ズズズズー
ズズズズー
いやー、スープと玉ねぎが抜群だ。
ズズズズー
ズルズルッ
ズルズルッ
ズズズズ、ズズズズー。
ふー。
あっという間に平らげる次郎。
これで大盛りか。ちょうど良かったな。普通盛りでは物足りん。
いやー、旨かった。
大将お会計頼む。
はい、1200円です。
ほらよ、釣りはいらねーよ。
これで新しい玉ねぎでもダース買いしな。
次郎はキッチリ1200円をカウンターに叩きつけた。
ラガラガ♪
ご馳走さん。
ありがとうございましたー。
出ると店の外に5名の待ちがいた。意外と人気店なのか。
なかなか良かったぜ。新たな発見だ。願わくば夜もやっていてほしかったな。
営業時間は11時から17時だった。
さてと。
次郎は再び自転車に乗り、西麻布の急坂を駆け上って行った。
台風一過で街は夏に逆戻りしていた。
続く。
楽観@西麻布
隠れ家的なラーメン 屋。知らないと行けない場所にある。メニューは醤油琥珀と塩パールの二種類。チャーシュー丼もあるが、特製琥珀ラーメン 大盛りが正解。女子は普通盛りか。上品にまとまって、非常にバランスが良いラーメン だが、醤油スープが甘く、深い味でしっかりと味がする。満足いく一杯。
3.6次郎