會水庵っておいしいイワシ丼の店があるんですよ。
次郎は、馴染みのマッサージ屋ゴットハンドから、イワシとしらすの丼を食べさせる店があると聞き、早速施術後にそこを訪れた。
店は赤坂5丁目交番からほど近い裏道にあった。
ガラガラ♪
はい、いらっしゃい。
そう広くない店内。次郎の座る一席でカウンターは満席だった。
どうぞ。
あ、ああ。
次郎は席に座った。
メニューを見ると、アナゴにイワシ、それらが少しうまそうな書き方である。
ふーむ。アナゴも惹かれるが、やはりここは初志貫徹、イワシとしらすの親子丼だな。
大将、親子丼で。
はいよ。
次郎の両隣は全て親子丼だった。
ふむ。期待するか。
パチパチッ
うまそうな焼音が聞こえてくる。
あれは?アナゴか??
直火に焼かれる魚。まるでうなぎの蒲焼だ。
やはりアナゴにすればよかったか…後悔の念がよぎる。
店主の包丁さばきが小気味いい。
当たりの匂いがプンプンするぜ。
む?まさか、あの蒲焼、イワシだと言うのか…
はい、お待ち。
おお!
まさか、あれがイワシだったとは!
なんだかキチンとしてるな。
次郎は早速イワシを口に運んだ。
ぐお!まるでうなぎじゃないか!うまい!ご飯のタレも鰻重のソレだ。こりゃあいい。なんか得した気分だ。
そして、このしらすとのコラボ。爽やかさとうまみのハーモニー。やるじゃないか。
う、うまいな。
そして、このトロロ。山芋感が半端ない。味変までいける贅沢。これは1200円払う価値はあるな 。イワシの量もボリューミー。合格だ!
ズズズ。
ふー。味噌汁もいい。具材が細かく切ってあり大将の技術力の高さをうかがわせる。
ばくばく
むしゃむしゃ
ばくばく
むしゃむしゃ。
ふー。食ったな。うまかったぜ。
あっという間に平らげた。
さてと、ほらよ。釣りはいらねーぜ。
新しい包丁研ぎ石でも買いな。
次郎はキッチリ1200円をカウンターに叩きつけた。
ガラガラ♪
ありがとうございます。
ふー、掘り出し店を見つけたぜ。
上機嫌な次郎。
相変わらず外気は34度の酷暑。
じんわりとした汗を素肌に感じながら赤坂駅へと消えて行く次郎。
その側でヒグラシが勢いよく鳴いていた。
続く。
會水庵@赤坂
穴子で有名な小料理屋。しかし、ランチはイワシしらすの親子丼が一押し。こんなイワシは余り食べられない。まるでうなぎの柔らかさとコク。
3.65次郎