郷土料理の牛肉煮込みが味わえるらしいな。
次郎はティベレ川をバチカンからポポロ広場方面に渡りながら独りごちた。
やはり、サン・ピエトロ寺院は荘厳だな。敬虔な気持ちになるぜ。
さてと、敬虔な気持ちになったことだし、なんでも煮込み料理が有名な店がこの辺にあるらしいと聞いたが…
お、あったあった。ここだな。
ラ・カンパーナ。
グィ♪
Bonasera.
Soro?
見りゃわかるだろう。一人だ。バカにすんな。
Si. Prego.
奥の席に案内された。
さてと、まずは白ワインをくれ。
Si.
良い色だ。銘柄はわからんがな。少し酸味がきついな。
よし、兄ちゃん。
Si.
有名な煮込みと、それと前菜の盛り合わせ、サラダ、ズッキーニフラワーのフリットをくれ。
Si, Shinore.
please help yourself by one plate for antipasto.
わかった。
Oh, no artichokes.
なんでだ?高いからか。
今は時期じゃないんらしいもんな。仕方ねぇな。
次郎はプレートを一枚もって次々と野菜を入れていった。
ふー、このくらいとれば十分だろう。
なかなかだな。玉ねぎがうまい。ししとうもナスもいい塩梅だ。キッシュ取りすぎたな、ま、仕方あるまい。
Salad Prego.
スッキリうまそうじゃないか。
シンプルながらいいぞ。
Zucchini Prego.
来たか。うお、チーズが出てくるな。
トロトロだな。うまい。
さてと、真打ちの登場か。
うまそうだな。牛肉は柔らかい。マッシュルームもいいな。優しめの味だが、塩は効いている。うまいな。
ゲフッ
さてと…おい、兄ちゃん。
Si.
エスプレッソ頼む。
Si.
イタリアと言えば締めはやはりコレだよな。
うーん、キッチリ苦い。ちょっと砂糖も入れてみるか。
お!うまいな。
よし、兄ちゃん、会計頼む。
Si, Shinore.
53€, Perfarvore.
カードで頼む。
Si.
さてと、出るか。
また来るぜ。
グィ♪
ふぅ、日も暮れてやっと少し過ごしやすくなったな。
夏真っ盛りのローマ。積乱雲がまだまだ厳しい暑さの続きを予兆していた。
続く。
La Campana
Vicolo della Campana, 18, 00186 Roma RM, イタリア
老舗のトラットリア。煮込み料理が有名とのこと。全体的にうまい。
3.55次郎