ふー、焼きが回ったぜ。
ついに、うまいもんを食いにこんなところまで来ちまうとはな…くくくっ。
次郎は一人ごちた。
東京の36℃に比べるとここサンセバスチャンは28℃。天国だな。
しかし、スーツケースを持って石畳は結構きついな。日差しが強いから、体感はあまり変わらんな。
次郎は、あらかじめ予約した海沿いのホテルにチェックインした。
部屋からの眺望は最高だな。青い海、白い砂浜、楽しげな喧騒。
そして、この街は美食だ。
時は12時。さてと、繰り出すとするか。
次郎はあらかじめ探索していたリストランテに向かってホテルを出た。
う、熱い。やはり日差しは強烈だ。しかし、これもスペインの楽しみだぜ。
しばらく歩くと足が痛くなって来た。
ビーサンで石畳はキツイな。
く、マジかよ!
次郎が行こうとしたリストランテ“La Rampa”は休みだった。
ちっ、このカスッが! 仕方あるまい、よくわからんが隣の繁盛してる店に飛び込んでみるか。
''Marinela-Igeldo”
旧市街の一番奥にリストランテがいくつかある中の1つ。店は満席。下町っぽい雰囲気がうまそうな予感を誘う。
Signore?
一人だ。
…here.
テーブルを案内された。英語メニューを見た次郎。
ここは一軒目。飛ばさずにいくか。
おい、オヤジ!
Si.
海老のプランチャ、タコのプランチャ、フィッシュスープ、そしてチャコリを頼む。
Si. Shignore.
隣のオヤジ二人組みがシーハー言いながらフリットをつつく。
Txakoli. Shignore.
gracias.
スッキリと飲みやすい。
Fish soup Shignore.
おお、濃厚なスープだ。魚臭くなく、まろやかなのに味が濃い。このバゲット、ガーリックが既に付いていてスープと合わさって滅茶滅茶うまいじゃないか!
ズズズズー…
Octopus and Prawns, Shignore.
お出ましたな!荒々しい。
次郎は海老を頬張った。
バリ、バリバリ!
うお、なんと、新鮮な。エキスが飛び出してくる。皮もそんなに硬くない。うまい。
オクトパスはと。
おお、なんだステーキのようだ。うまひ。このポテトもうまいな。バーベキューソースがよくあっている。
いかん、二軒目もあることだし、ここはこれでやめとこう。
おい、おやじ!会計だ!
Si.
46€ Per favore
ほらよ。これで、新しいテーブルクロスでも買いな。
No change thank you. Have to buy new crazy table cloths.
次郎はキッチリ46€を、テーブルにたたきつけた。
さてと、次のバルはと。
次郎はリストランテを抜け、バル街に入った。
風情がありやがるな。これぞ旅の醍醐味よ。
野菜がでかい。さすが太陽の国。
角を曲がって…でかい教会だ。
おお、あったここだ。
“Casa Vergara 1948”
入ってみるか。
まだ昼だから空いてるな。チャンスだ。
Hola.
Hola, Shinore.タパスをとったら俺に見せてくれ。それで会計だ。
わかった。しかし、たくさん種類があるな。全部食べたくなっちまう。
よし、チョイスはこれだ。それとチャコリだ。
はいよ。14€だ。
gracias.
う、やはりこのイワシ、うまいぜ。オリーブ+トウガラシ+イワシの串。酢とオリーブオイルが効きまくっている。この赤いのはガスパチョだったか。うまい。中にチーズが入っている。お洒落な。そして、イカのフリットだな。やはり魚介類がうまいな。
さてと、この辺にしておかないと次に行けん。
次郎は外に出た。
暑い。小道を歩き、二軒目のバルに入った。
"Gandarias"
ここはマッシュルームがうまいんだよな。
しかし、なんとカラフルで豊富なピンチョスだ。
よし、オヤジ、マッシュルーム頼む。温めてくれ。それとこれとこれとこれとこれだ。あとビールもな。
Si.12.5€,Perfavore.
ほらよ。キッチリ、カード払いだ。
Shinore, できたぜ。
おお。うまそうだ。
やはり、このオリーブ+トウガラシ+イワシの串だよな。そして、生ハム。カニかま乗せもいこう。
う、うまい。生ハムは最高だ。そして、この串、やはり絶品。カニかまは、まぁ普通だな。
ふと、隣に目をやると、若者が小さなリゾットを食べている。やばい、うまそうだ。
おい、オヤジ、この、リゾットくれ。
Si, Shinore. 2.55€, Perfavore.
ほらよ。今度は現金でキッチリ払う次郎。
ピンチョスを食べながら5分待った頃、
Here you are.
リゾットがお目見えした。
おお、チーズが濃厚だ。さらにマッシュルームが細かく刻んで入っている。うまい!やはりリゾットは抜群だな。
ふー、食った。
さすがに四軒目はきついか。
一旦ホテルに戻るか。
次郎は店を出て、バル街を抜け、ホテルに向かった。
17時。まだまだ14時頃のようだ、明るく暑い。
ここは20時まで明るいらしいな。すげー街だ。
やれやれだぜ。体が持たんな。
次郎は笑いながらホテルのある海岸通りへと歩いて行った。
つづく。
@全てサンセバスチャン旧市街。
''Marinela-Igeldo” 魚介類がうまい。3.5次郎
“Casa Vergara 1948”
イワシの串がうまい。3.6次郎
"Gandarias"
マッシュルームとリゾット、トウガラシの串がうまい。
3.7次郎