食い倒れ 函館次郎のひとり飯道

函館次郎が世間の荒波に抗いながらひとり飯に命を捧げる物語

喜楽 ラーメン 渋谷

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お、次郎さん!

おお!寝屋川!

どーした?こんなところで。

次郎は、渋谷道玄坂ホテル街の手前で、後輩の寝屋川に声をかけられた。

 

まぁちょっと。

ウインク。

何だ女と待ち合わせか?

まぁ、そんなところっす。すす。

 

ふん、じゃあまたな。

 

あ、ちょっと待ってください。いま腹減ってません?

 

ん?まぁ食えないこともないな。

 

この近くにうまいラーメン屋があるんすよ。

 

おまえは、女と行くんじゃないのか?

まだ2時間あるんすよ。すよ。

 

俺を繋ぎに使うとは、いい度胸だ。

いや、うまいんすよ、そこ。まぁ付いてきて下さいよ。

 

 

しゃーねー、邪の道は蛇ってか。

次郎は独りごちた。

 

 

ラーメン喜楽。

渋谷の老舗ラーメン屋。ワンタン麺が有名らしい。そして夏場は冷やし中華も始めているらしい。

 

何名様で?

二人だ。

 

二階どうぞ。

ほう、二階もあるのか。

一階のカウンターは満席だった。

まぁ夜七時、いい時間だからな。

 

さてと、ここは…

おれは目玉のワンタン麺で。

私は冷やし中華で。

 

ほう、冷やし中華か。攻めるな。

いや、うまいんすよ。

 

寝屋川のメガネの奥の瞳が光った。

 

何があるんだ今夜は?

いやー、この前偶然飲み屋で出会った子とこの後飲みに行くことになりましてね。

 

それは友達と呼べるのか…ふん、得体の知れない男だ。だが、そこが寝屋川の魅力か。

 

再び寝屋川のメガネの奥の瞳が瞠目したように見えた。

 

はい、お待ち。

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ワンタン麺と

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冷やし中華ね。

 

おお!うまそうだな!

ですね!ですね!

 

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ズルズルッ

 

おお、腰があって、程よくスープと絡む。またこのスープ、シンプルなようで複雑な味だ。出汁が効いてる。少し油気があって、それが腹にガツリと来る。うまい。

そして、野菜もシャキシャキ。食感がいい!

 

でしょ?先輩。

 

そちらの冷やし中華もうまそうだな。

そうなんす。程よく酸っぱくてサッパリ。しかし、しっかり下味が付いてまして。

うまいっす!

 

ズルズルッ

 

ズルズルズルッ

 

ズズズズー

 

ズズズズズズズズ!

 

いやー、うまかったっすねー!

だな。でかしたぞ寝屋川。

 

どうもっす。すす。

 

二つで1650円ね。

 

ここは、俺が。

いや、いいっすよ。自分出します。

いや、いいいい。

 

次郎は寝屋川の手を振りほどき、850円を釣銭皿にたたきつけた。

 

あ、割り勘すね。

寝屋川は笑いながら800円を出す。

 

当たり前田のクラッカーだ。

 

はは、次郎さんらしいや。

 

じゃ、私はこれで。

ああ、またな。

 

寝屋川は颯爽と道玄坂に消えた。

残された次郎。

 

さてと、今夜は歩いて帰るか。

そう呟くと渋谷駅に向かって坂道を寝屋川とは逆側に下って行った。

 

続く。

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喜楽@渋谷 道玄坂

老舗のラーメン屋。一見ただ懐かしいだけの味に見えるが、味は別格。次郎はワンタン麺派。お試しアレ。

3.55次郎