うなぎが食いてぇ。
次郎は独りごちた。
うなぎは、土用に限らずたまに無性に食いたくなる。西武新宿にあるうな鐡はリーズナブルでうまいが、少し遠い。
どっかにねーか…
ネットを検索していると西武新宿の店と同じ名前の店が渋谷にあることを発見した次郎。
行ってみるか。
午後4時半。開店と同時に突入した。
ガラガラ♪
らっしゃい!
店内は西武新宿の店と良く似た造り。和風下町な感じだった。
次郎はカウンターに案内された。
貼り紙で、当店は同じ名前の他店とは違いますとの記載。
ふーん。まぁ、うまけりゃなんでもいいな。
どれどれ。次郎はメニューを見た。
なるほど。じゃBコースに、いくつか頼むか。
おい、兄ちゃん。
あいよ。
Bコースと、肝の佃煮、それとほうれん草とうなぎのサラダ、うざく、骨唐揚げ、それとハイボール頼む。
はいよ。
ふー。楽しみだ。
はい、肝の佃煮ね。
それとうざく、骨唐揚げ。
おお、うまそうだ。きゅうりもシャキシャキしてそうでそそるな。
まずは、肝からだな。よし。
おぉ、いい味だ。良く染み込んでいる。くにゅくにゅとした歯ごたえもいい。
骨唐揚げもパリパリだな。
そして、うざくだ。うーん、このきゅうりの塩加減にうなぎが良く合うな。
これは先を期待させる。
はい、ほうれん草サラダです。
おお、いいビジュアルだ。
ほうれん草がパリパリしてる。これは胡麻油か?これがまたそそる。
そして、うなぎと絶妙なコラボ。いかん。あっという間に食べてしまう。
はい、タレの串焼きです。
ほう。これもスーパービューだな。
うお、うまい。
かしらはすこし骨があるがゆっくりと咀嚼していくと甘みが広がる。
背中の肉もうまい。
そして、ひれはニラに巻かれ、甘い。こりゃうまいな。
短尺は…これが蒲焼きになるんだな。うまい。
続いて塩の串焼きです。
おお、うまそうだ。
くりから、ればー、ばら身か。
レバーほなんの臭みもなく、うまい。
ばら身も柔らかい。
そして、くりからはワサビ醤油でか。いきだ。いなせだねぇ、大将。
いやー、既に満足だな。
しかしだ。やはり、ここは…行っちまうかな。
おい兄ちゃん、蒲焼き頼む。
あいよ。
やはり蒲焼き行かずしてうなぎは語れまい。
一度ハイボールでリフレッシュだな。
ぐびぐび。
はい、お待たせです。蒲焼きでーす。
うほほー!うまそーだー!
柔らかい!甘い!タレがうまい!
そして、ホクホクだ。こりゃいい。
…
あー、ボカー幸せだなぁ。
次郎は独りごちた。
よし、兄ちゃん会計だ!
はいよ。
5200円です。
うん、リーズナブルや。来た甲斐があったな。
ほらよ。釣りはいらねーぜ。江戸っ子は宵越しの銭は持たねー主義よ!
これで新しい串の束でも買いな。
次郎はキッチリ5200円をレジに叩きつけた。
ラガラガ♪
ふー。まだ明るいな。まだ5時だもんな。
ふと見ると周りはラーメン屋だらけだった。
う、うぅ。い、いや、いかんいかん、ダメだぞ次郎!ここで負けてはいかん。
次郎は足早に渋谷駅に向かった。
続く。
うな鐡@渋谷
うなぎ串屋。もちろんうな重もあるし、他の単品のうなぎ料理も安くてうまい。養殖万歳。リピート必死。
3.65